生き物のふえ方には、大きく分けて有性生殖と無性生殖があります。学校の理科では、それぞれを別々のしくみとして学ぶことが多いですが、自然界には有性生殖と無性生殖の両方を使い分ける生物もたくさんいます。
代表的な例としては、ミジンコ、アブラムシ、ヒドラ、クラゲ、イチゴ、ジャガイモ、酵母などが挙げられます。これらの生物は、環境が安定しているときには無性生殖で効率よく増え、環境が悪くなったり季節が変わったりすると、有性生殖によって次の世代を残すことがあります。
つまり、生物は必ずしも一つの方法だけで子孫を残しているわけではありません。環境がよいときには数を増やしやすい方法を選び、環境が変化しそうなときには生き残りやすい方法を選ぶなど、とても柔軟なしくみをもっています。
この記事では、有性生殖と無性生殖の基本を整理したうえで、両方できる生物の具体例を分かりやすく紹介します。さらに、なぜ両方の方法をもつことが生物にとって有利なのか、どのような点に注意して理解すればよいのかについても解説します。

有性生殖とは、ふつうは雌雄の生殖細胞が合わさって、新しい個体ができる生殖のことです。
動物では、精子と卵が結びつくことで受精が起こります。植物では、花粉の中の雄の細胞と、胚珠の中の雌の細胞が関わって、新しい個体のもとができます。
有性生殖の大きな特徴は、親とまったく同じではない子が生まれやすいことです。父親側と母親側の遺伝情報が組み合わさるため、子どもにはさまざまな性質の違いが生まれます。
この違いは、自然の中で生き残るうえでとても重要です。たとえば、病気に強い個体、寒さに強い個体、乾燥に強い個体、えさを見つけるのが上手な個体など、さまざまな性質をもつ子が生まれれば、環境が変化したときにも集団全体として生き残りやすくなります。
一方で、有性生殖には時間や手間がかかることもあります。相手を見つける必要があったり、受精が起こるための条件がそろわなければならなかったりするからです。そのため、短い時間で一気に数を増やすという点では、無性生殖のほうが有利な場合もあります。

無性生殖とは、基本的に一つの親から新しい個体ができる生殖のことです。相手がいなくても増えることができるのが大きな特徴です。
無性生殖では、親の体の一部から新しい個体ができたり、細胞分裂によって個体数が増えたりします。そのため、できた子は親とほぼ同じ遺伝情報をもつことが多くなります。
無性生殖のよいところは、短時間で数を増やしやすいことです。環境が安定していて、今いる場所が生きやすいなら、親と同じ性質をもつ子どもをどんどん増やせることは大きな強みになります。
たとえば、えさが豊富で、温度も適しており、敵も少ない環境では、無性生殖によってすばやく仲間を増やすことができます。これは、生物にとってとても効率のよい増え方です。
ただし、無性生殖にも弱点があります。親とよく似た個体ばかりが増えるため、環境が急に変化したときに、集団全体が同じように影響を受けてしまうことがあります。たとえば、ある病気に弱い性質を多くの個体が共通してもっていた場合、その病気が広がると大きな打撃を受けるおそれがあります。
有性生殖と無性生殖は、どちらか一方が必ず優れているというものではありません。それぞれに長所と短所があります。
| 項目 | 有性生殖 | 無性生殖 |
|---|---|---|
| 親の数 | ふつうは雌雄の生殖細胞が関わる | 基本的に一つの親から増える |
| 子の性質 | 親と違う性質が出やすい | 親とほぼ同じ性質になりやすい |
| 増える速さ | 時間がかかることがある | 短時間で増えやすい |
| 環境変化への対応 | 多様な性質が生まれるため対応しやすい | 同じ性質が多いと変化に弱いことがある |
| 主な利点 | 遺伝的な多様性を高められる | 効率よく数を増やせる |
有性生殖は、さまざまな性質をもつ子を生み出すのに向いています。一方、無性生殖は、条件のよい環境で数を増やすのに向いています。
この二つの方法を状況に応じて使い分けられる生物は、環境に合わせて柔軟に生き残ることができます。
有性生殖にも無性生殖にも、それぞれ長所と短所があります。
つまり、生物にとって理想的なのは、そのときの環境に応じて増え方を使い分けることです。
環境が安定しているときには、無性生殖で効率よく数を増やすことができます。反対に、寒さ、乾燥、えさ不足、すみかの悪化などが起こると、有性生殖によって丈夫な卵を残したり、遺伝的な多様性を高めたりすることができます。
このため、自然界には有性生殖と無性生殖の両方の能力をもつ生物が存在します。生物は、ただ偶然に増えているのではなく、自分たちが生きる環境に合わせて、より都合のよい方法を使っているのです。

有性生殖と無性生殖の両方ができる生物には、動物、植物、微生物など、さまざまなものがあります。代表的な例を一覧にすると、次のようになります。
| 生物 | 有性生殖 | 無性生殖 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ミジンコ | 環境が悪くなると行うことがある | 条件がよいと雌だけで増える | 丈夫な卵を残して悪い環境に備える |
| アブラムシ | 秋ごろに有性生殖を行う種類がある | 春から夏にかけて急速に増える | 季節によって増え方を変える |
| ヒドラ | 条件が悪くなると行うことがある | 出芽で増える | 無性生殖の代表例としてよく使われる |
| クラゲのなかま | 成体のクラゲが行う | ポリプの段階で行う | 生活の段階によって増え方が変わる |
| イチゴ | 花を咲かせ、種子をつくる | ほふく茎で新しい株をつくる | 栽培でも身近な植物の例 |
| ジャガイモ | 花を咲かせ、種子をつくることがある | いもから新しい株が育つ | 栄養生殖の代表例 |
| 酵母 | 条件によって有性生殖に関わる段階をもつ | 出芽などで増える | 微生物にも両方のしくみが見られる |
このように、両方の生殖方法をもつ生物は一部の特別な生物だけではありません。身近な植物や小さな水中生物、微生物の中にも見られます。

ミジンコは、池や沼などの水中にすむ小さな生き物です。理科の学習でもよく登場するため、名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
ミジンコは、環境がよいときには無性生殖でどんどん仲間を増やします。このとき、多くの場合は雌だけで子を産み、短い期間で個体数を増やすことができます。
えさが多く、水温も適していて、生活しやすい環境であれば、わざわざ相手を探す必要はありません。無性生殖によって、効率よく数を増やすことができます。
一方で、水温が下がる、えさが少なくなる、すみかの環境が悪くなるなどの変化が起こると、ミジンコは有性生殖に切り替えることがあります。有性生殖によってできた卵は、ふつうの卵よりも丈夫で、悪い環境に耐えやすい性質をもちます。
つまりミジンコは、ふだんは無性生殖で効率よく増え、きびしい時期が近づくと有性生殖によって生き残る準備をするのです。このしくみは、有性生殖と無性生殖を使い分ける代表的な例といえます。
アブラムシも、有性生殖と無性生殖の両方を行う生物としてよく知られています。アブラムシは植物の汁を吸って生活する小さな昆虫で、野菜や草花につく害虫としても知られています。
春から夏にかけて、気温が高く、植物がよく育つ時期には、アブラムシは無性生殖で急速に数を増やすことが多くあります。種類によっては、卵ではなく、体の中で育った子をそのまま産むものもあります。
このような増え方をすると、短い期間で非常に多くの個体が生まれます。そのため、植物にアブラムシがつくと、いつの間にか数が増えているように見えることがあります。
しかし、秋になって気温が下がってくると、有性生殖を行う世代が現れることがあります。そこでできた卵は冬の寒さに耐えやすく、次の春まで生き残りやすくなります。
アブラムシは、季節によって増え方を変える生物の代表例です。あたたかい時期には無性生殖で一気に増え、寒い時期をこえるためには有性生殖を使うという、季節に合わせた生き方をしています。

ヒドラは、淡水にすむ小さな動物です。池や川などの水中に見られることがあり、理科では無性生殖の例としてよく登場します。
ヒドラの有名な増え方は、出芽です。出芽とは、親の体の一部に小さな芽のようなふくらみができ、それが成長して新しい個体になる増え方です。これは無性生殖の一種です。
ヒドラは、条件がよいときには出芽によって数を増やします。親の体から新しいヒドラができ、やがて離れて別の個体として生活するようになります。
ところが、ヒドラは無性生殖だけを行うわけではありません。条件によっては有性生殖も行います。環境が悪くなると、生殖細胞をつくって受精を行い、丈夫な卵を残すことがあります。
ヒドラは、無性生殖で手軽に数を増やしつつ、必要なときには有性生殖で環境変化に備える生物です。そのため、有性生殖と無性生殖の両方を理解するうえで、とても分かりやすい例です。

クラゲのなかまにも、生活の途中で有性生殖と無性生殖の両方を行うものがいます。
私たちが海で見るクラゲは、ふわふわと水中をただよっている姿をしています。この成体のクラゲは、有性生殖を行います。雄と雌が関わり、受精によって次の世代が始まります。
受精してできた個体は、やがてポリプという形になります。ポリプは海底や岩などに付着して生活する段階で、このポリプが無性生殖によって新しいクラゲを生み出すことがあります。
このしくみは少し複雑ですが、クラゲとして海をただよっている姿だけがすべてではない、という点が重要です。クラゲのなかまは、生活の段階によって姿も役割も変わり、ある時期には有性生殖、別の時期には無性生殖を行います。
クラゲの例を見ると、「一つの生物が一生の中で増え方を変える」ということがよく分かります。これは、ミジンコやアブラムシのように季節で切り替える例とは、少し違ったおもしろさがあります。

植物にも、有性生殖と無性生殖の両方を行うものがたくさんあります。イチゴはその代表例です。
イチゴは花を咲かせ、受粉によって種子をつくることができます。これは有性生殖です。花粉と胚珠が関わり、新しい遺伝の組み合わせをもつ個体が生まれます。
一方で、イチゴはほふく茎と呼ばれる横にのびる茎を出します。ほふく茎の先には新しい株ができ、そこから別のイチゴの株として成長します。これは無性生殖の一種です。
畑や家庭菜園でイチゴが横へ横へと広がっていく様子は、このほふく茎による増え方です。親株とよく似た性質をもつ新しい株が増えていくため、よい性質をもつイチゴをそのまま増やしたいときに役立ちます。
イチゴの例は、植物が種子だけでなく、体の一部を使って増えることもあると理解するうえで、とても身近な例です。

ジャガイモも、有性生殖と無性生殖の両方を考えるうえで分かりやすい植物です。
ジャガイモは花をつけ、条件によっては種子をつくることがあります。花を咲かせて種子をつくる増え方は、有性生殖です。
しかし、ふだんの栽培でよく利用されるのは、いもを植えて増やす方法です。ジャガイモのいもは地下茎がふくらんだもので、芽の部分から新しい個体が育ちます。この増え方は、無性生殖の一種である栄養生殖です。
ジャガイモをいもから増やすと、親とほぼ同じ性質をもつ株を育てることができます。そのため、収穫量、味、形などの性質をそろえやすくなります。
ただし、同じ性質の株ばかりになると、病気や環境変化に弱くなる場合もあります。栽培では、このような点にも注意が必要です。

植物の世界では、根、茎、葉などの体の一部から新しい個体をつくる栄養生殖がよく見られます。栄養生殖は、無性生殖の一種です。
サツマイモ、サトイモ、チューリップ、ユリ、ヤマノイモなどは、栄養生殖を考えるうえで分かりやすい例です。
| 植物 | 無性生殖の方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| サツマイモ | つるやいもから増える | 親と似た性質の株を増やしやすい |
| サトイモ | 親いも・子いもで増える | いもを利用して次の株を育てる |
| チューリップ | 球根で増える | 園芸でもよく利用される |
| ユリ | 球根やむかごで増える種類がある | 種類によって増え方に違いがある |
| ヤマノイモ | むかごで増える | 葉のつけ根などにできる小さな芽から増える |
これらの植物の多くは、花を咲かせて種子をつくる有性生殖も行うことができます。その一方で、栄養生殖によって親とよく似た性質の個体を増やすこともできます。
つまり植物では、
という二つの方法をあわせもつものが少なくありません。自然の中でも栽培の場面でも、この二つの性質は大きな意味をもちます。

酵母は、パンや発酵食品に関わる小さな生物として知られています。目には見えにくい微生物ですが、生物の増え方を考えるうえでは重要な例です。
酵母はふつう、出芽などによって無性生殖的に増えます。親の細胞から小さな芽のような部分が出て、それが成長して新しい細胞になります。
パンづくりや発酵の場面では、酵母が増えながら糖を分解し、二酸化炭素やアルコールなどを生じます。このように、酵母は私たちの生活とも深く関わっています。
一方で、酵母の種類によっては、条件が変わると有性生殖に関わる段階をもつものがあります。微生物の世界でも、ずっと一つの増え方だけをしているわけではなく、環境に応じて生き方を変えるものがいるのです。
酵母の例は少し発展的ですが、「小さな生物ほど単純である」とは限らないことを教えてくれます。

シダ植物は、種子をつくらず、胞子でふえる植物として学習することが多い生物です。シダ植物には、胞子をつくる世代と、生殖細胞をつくる世代があり、少し特別な生活のしくみがあります。
そのため、シダ植物を単純に「有性生殖と無性生殖の両方ができる生物」と一言で片づけるのは注意が必要です。
シダ植物では、胞子によって新しい世代が始まる場面がありますが、生活環の中には卵や精子にあたる生殖細胞が関わる段階もあります。つまり、動物の有性生殖・無性生殖や、イチゴの種子・ほふく茎のような例とは、少し見方が異なります。
シダ植物は、生物のふえ方は一種類だけではないことを理解するうえではとても参考になります。ただし、理科の学習では、何を有性生殖と呼ぶのか、何を無性生殖と呼ぶのかを正確に分けることが大切です。
有性生殖と無性生殖の両方ができる生物には、多くのメリットがあります。
無性生殖を使えば、相手を探さなくても増えることができます。そのため、えさが多い、気温がちょうどよい、敵が少ないなど、条件がよいときには一気に数を増やすことができます。
ミジンコやアブラムシのように、条件のよい時期に無性生殖で急速に増える生物は、その環境を有効に利用しているといえます。
有性生殖を行うと、子どもたちの遺伝情報に違いが生まれやすくなります。すると、気温の変化、病気、すみかの変化などが起きたときに、何らかの個体が生き残る可能性が高まります。
同じ性質の個体ばかりでは、環境が急に変わったときに集団全体が弱くなることがあります。有性生殖によって多様性が生まれることは、生物が長く生き残るために重要です。
ミジンコやアブラムシ、ヒドラのように、有性生殖によってできた卵が丈夫で、冬や乾燥などに耐えやすくなる例もあります。
これは、生物にとって大きな武器です。今すぐ数を増やすだけでなく、次の季節まで命をつなぐためのしくみとして、有性生殖が役立つことがあります。
植物では、味がよい、実が大きい、花の色が美しい、病気にある程度強いなど、親のよい性質をそのまま増やしたいときに、無性生殖が役立ちます。
イチゴのほふく茎やジャガイモのいも、チューリップの球根などは、親とよく似た性質をもつ個体を増やしやすい方法です。
一方で、新しい性質の組み合わせをつくりたいときには、有性生殖が役立ちます。植物の品種改良などでも、有性生殖と無性生殖の特徴が関係しています。
有性生殖と無性生殖の両方をもつことは便利ですが、いつでも完全によいことばかりではありません。
無性生殖ばかりに頼ると、同じような性質の個体ばかりになります。そのため、病気や環境変化に弱くなることがあります。たとえば、同じ遺伝的性質をもつ植物ばかりを増やしていると、特定の病気が広がったときに大きな被害を受ける可能性があります。
反対に、有性生殖は多様性を生み出せるものの、相手が必要だったり、受精のための条件が必要だったりします。そのため、すぐに数を増やしたい場面では、無性生殖よりも効率が悪いことがあります。
つまり、生物にとって大切なのは、「有性生殖と無性生殖のどちらが優れているか」ではありません。重要なのは、そのときの環境に合った方法を使えることです。
有性生殖と無性生殖の両方ができる生物を考えるときには、動物と植物をまったく同じように扱いすぎないことも大切です。
動物では、ふつう有性生殖が基本です。そのため、ヒドラの出芽、ミジンコの単為生殖、アブラムシの季節による増え方、クラゲのポリプによる無性生殖などは、少し特別な例として理解すると分かりやすくなります。
一方で、植物では有性生殖も無性生殖もかなり広く見られます。花や種子によってふえるだけでなく、ほふく茎、球根、地下茎、いも、むかごなどを通じて増えるものが多いからです。
そのため、有性生殖と無性生殖の両方ができる生物を考えるときには、植物のほうが例を見つけやすい場合もあります。

このテーマでは、似た言葉や似たしくみが多く出てくるため、いくつか注意したい点があります。
無性生殖というと、単純な生物だけが行うものだと思われることがあります。しかし、実際には植物や一部の動物でも見られます。
イチゴ、ジャガイモ、サツマイモ、ヒドラ、クラゲのポリプなど、身近な例もたくさんあります。無性生殖は、単純な生物だけの特別なしくみではありません。
植物の根、茎、葉などから新しい個体ができる増え方を栄養生殖といいます。栄養生殖は、無性生殖の一種です。
イチゴのほふく茎、ジャガイモのいも、チューリップの球根、ヤマノイモのむかごなどは、栄養生殖の例として覚えやすいものです。
シダ植物やコケ植物などでは、胞子が登場します。しかし、胞子で増えるしくみは、動物の受精や植物の種子による増え方とは異なる部分があります。
胞子、有性生殖、無性生殖、世代交代などの言葉は、混同しやすいので注意が必要です。教科書でどの段階をどのように分類しているかを確認することが大切です。
クラゲは、海をただよっている成体の姿だけを見ると、有性生殖だけを行うように思えるかもしれません。しかし、生活の途中にはポリプの段階があり、そこで無性生殖を行うものがあります。
クラゲのような生物では、一生の中で姿や増え方が変わることを理解する必要があります。
有性生殖と無性生殖の両方ができる生物については、次の点がよく問われます。
特に、ミジンコやアブラムシは、環境や季節によって増え方を変える例として理解しやすい生物です。ヒドラは出芽、イチゴはほふく茎、ジャガイモは栄養生殖の例として整理すると覚えやすくなります。
このテーマを覚えるときは、「動物」「植物」「微生物」に分けて整理すると分かりやすくなります。
| 分類 | 代表例 | 覚え方のポイント |
|---|---|---|
| 動物 | ミジンコ、アブラムシ、ヒドラ、クラゲ | 環境や生活の段階によって増え方が変わる |
| 植物 | イチゴ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、球根植物 | 種子と栄養生殖の両方で増えるものが多い |
| 微生物 | 酵母 | ふだんは出芽で増え、条件によって有性段階をもつものがある |
また、「安定した環境では無性生殖」「環境が悪くなると有性生殖」というイメージをもつと、多くの例を理解しやすくなります。
ただし、すべての生物が同じパターンで切り替えるわけではありません。生物ごとにしくみが違うため、代表例を一つずつ確認することが大切です。
有性生殖と無性生殖の両方ができる生物は、自然界の中でとても合理的な生き方をしています。
無性生殖は、すばやく効率よく数を増やすのに向いています。親とほぼ同じ性質の個体を増やしやすいため、安定した環境では大きな利点があります。
一方、有性生殖は、さまざまな性質をもつ子を生み出し、環境の変化に対応しやすくします。病気、気温の変化、えさ不足、すみかの悪化などに対して、集団全体が生き残る可能性を高めることができます。
代表的な例としては、動物ではミジンコ、アブラムシ、ヒドラ、クラゲ、微生物では酵母、植物ではイチゴ、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、球根植物などが挙げられます。
これらの生物は、環境がよいときには無性生殖で効率よく増え、環境が悪くなったり季節が変わったりすると、有性生殖によって次の世代を残すことがあります。
生き物の世界を学ぶと、「生き残るための工夫」は一つではないことが見えてきます。有性生殖か無性生殖か、どちらか一方だけで考えるのではなく、両方を組み合わせて生きている生物がいることに注目すると、生物のしくみをより深く理解できるようになります。