Japan Luggage Express
Japan Luggage Express Ltd.

有性生殖・無性生殖の両方ができる生物

有性生殖・無性生殖の両方ができる生物

生き物のふえ方には、大きく分けて有性生殖無性生殖があります。学校で学ぶときには、それぞれを別々のしくみとして覚えることが多いですが、実際の自然界では、有性生殖と無性生殖の両方を使い分けられる生物もたくさんいます。

このような生物を知ると、「生き物は一つの方法だけで子孫を残しているわけではない」ということがよく分かります。環境がよいときには効率のよい増え方を選び、環境が変わったときには別の方法を使うというように、生き物はとても柔軟です。

この記事では、まず有性生殖と無性生殖の基本を整理し、そのうえで両方できる生物の具体例をくわしく紹介します。さらに、なぜ両方の方法をもつことが生き物にとって有利なのかについても分かりやすく説明します。

有性生殖とは何か

有性生殖とは、ふつうは雌雄の生殖細胞が合わさって新しい個体ができる生殖のことです。動物では精子と卵、植物では花粉の中の雄の細胞と胚珠の中の雌の細胞が結びつくことで、新しい命が生まれます。

有性生殖の大きな特徴は、親とまったく同じではない子が生まれやすいことです。父親側と母親側の遺伝情報が組み合わさるため、一つひとつの個体に違いが生まれます。

この違いは、自然の中で生き残るうえで大切です。たとえば、病気に強い個体、寒さに強い個体、えさを見つけるのが上手な個体など、さまざまな性質をもつ子が生まれれば、環境が変化したときにも集団全体として生き残りやすくなります。

ただし、有性生殖には時間や手間がかかることがあります。相手を見つける必要があったり、受精までにいろいろな条件がそろわなければならなかったりするからです。

無性生殖とは何か

無性生殖とは、基本的に一つの親から新しい個体ができる生殖のことです。相手がいなくても増えることができるのが大きな特徴です。

無性生殖では、親の体の一部から新しい個体ができたり、細胞分裂によってそのまま増えたりします。そのため、できた子は親とほぼ同じ遺伝情報をもつことが多くなります。

無性生殖のよいところは、短時間で数を増やしやすいことです。環境が安定していて、今いる場所が生きやすいなら、親と同じ性質をもつ子どもをどんどん増やせるのは大きな強みです。

しかし、同じような性質の個体ばかりが増えると、環境が急に変化したときに集団全体が弱くなることもあります。たとえば、ある病気に弱い性質を全員がもっていた場合、その病気が広がると大きな打撃を受けるおそれがあります。

なぜ両方できる生物がいるのか

有性生殖にも無性生殖にも、それぞれ長所と短所があります。

  • 有性生殖は、さまざまな性質をもつ子が生まれやすい
  • 無性生殖は、すばやく効率よく増えやすい

つまり、生き物にとって理想的なのは、状況に応じて使い分けることです。環境が安定しているときには無性生殖で数を増やし、環境が変わりそうなときや新しい条件に対応したいときには有性生殖で遺伝的な多様性を広げる、というやり方ができます。

このため、自然界には両方の能力をもつ生物が存在します。ここからは、その代表例を見ていきます。

有性生殖と無性生殖の両方ができる生物の例

無性生殖のメリット・デメリット

ミジンコ

ミジンコは池や沼などの水中にすむ小さな生き物で、理科でもよく登場します。ミジンコは、環境がよいときには無性生殖でどんどん仲間を増やします。このとき、雌が単独で子を産み、短い期間で数を増やすことができます。

一方で、水温が下がる、えさが少なくなる、すみかの環境が悪くなるなどの変化が起こると、有性生殖に切り替えることがあります。有性生殖によってできた卵は、ふつうの卵よりも丈夫で、悪い環境に耐えやすい性質をもちます。

つまりミジンコは、ふだんは無性生殖で効率よく増え、きびしい時期が近づくと有性生殖で生き残るための準備をするのです。このようなしくみは、とても合理的です。

アブラムシ

アブラムシも、有性生殖と無性生殖の両方を行うことで知られています。春から夏にかけて、植物の汁を吸って生活するアブラムシは、無性生殖で急速に数を増やすことが多いです。しかも、卵ではなく、体の中で育った子をそのまま産む種類もあり、とても速いペースで仲間が増えていきます。

しかし、秋になって気温が下がってくると、有性生殖を行う世代が現れることがあります。そこでできた卵は冬の寒さに強く、次の春まで生き残りやすくなります。

アブラムシは、季節によって増え方を変える生物の代表例です。あたたかい時期には無性生殖で一気に増え、寒い時期をこえるためには有性生殖を使うという、季節に合わせた生き方をしています。

クラゲのなかま

クラゲのなかまにも、生活の途中で有性生殖と無性生殖の両方を行うものがいます。たとえば、よく知られているクラゲの仲間では、成体のクラゲが有性生殖を行い、受精してできた個体がその後、ポリプという形になります。そして、そのポリプが無性生殖でふえて、新しいクラゲを生み出していきます。

このしくみは少し複雑ですが、クラゲとして海をただよっている姿だけがすべてではない、という点が重要です。生活の段階によって役割が異なり、ある時期には有性生殖、別の時期には無性生殖を行うのです。

クラゲの例を見ると、「一つの生物が一生の中で増え方を変える」ということがよく分かります。

イチゴ

植物にも、有性生殖と無性生殖の両方を行うものがあります。イチゴはその代表例です。

イチゴは花をさかせ、受粉をして種子をつくることができます。これは有性生殖です。花粉と胚珠が関わり、新しい遺伝の組み合わせをもつ個体が生まれます。

その一方で、イチゴはほふく茎とよばれる横にのびる茎を出し、その先に新しい株をつくります。これは無性生殖の一種です。親株とよく似た性質をもつ新しい株が増えていきます。

畑や家庭菜園でイチゴが横へ横へと広がっていく様子は、この無性生殖によるものです。よい性質をもつ株をそのまま増やしたいときには、とても都合のよい方法です。

ジャガイモ

ジャガイモも植物の代表的な例です。ジャガイモは花をつけて種子をつくることができるので、有性生殖を行えます。

しかし、ふだん栽培でよく利用されるのは、いもを分けて植える方法です。ジャガイモのいもは地下茎がふくらんだもので、芽の部分から新しい個体が育ちます。これは無性生殖的な増え方です。

この方法を使うと、親とほぼ同じ性質をもつ株を増やせるので、収穫量や味などの性質をそろえやすくなります。ただし、同じ性質ばかりになることで病気に弱くなる場合もあるため、栽培では注意が必要です。

サツマイモやサトイモなどの栄養生殖をする植物

植物の世界では、根・茎・葉などの体の一部から新しい個体をつくる栄養生殖がよく見られます。これは無性生殖の一種です。

サツマイモ、サトイモ、球根植物などには、このような増え方をするものが多くあります。そして多くの植物は、花をつくって種子を残すという有性生殖もできます。

つまり植物では、

  • 種子でふえる
  • 栄養生殖でふえる

という二つの方法をあわせもつものが少なくありません。自然の中でも栽培の場面でも、この二つの性質は大きな意味をもちます。

ヒドラ

ヒドラは淡水にすむ小さな動物で、体の横に芽が出て、それが大きくなって新しい個体になる出芽で有名です。これは無性生殖です。

ところが、ヒドラは条件によっては有性生殖も行います。環境が悪くなると、生殖細胞をつくって受精を行い、丈夫な卵を残すことがあります。

ヒドラは、無性生殖で手軽に数を増やしつつ、必要なときには有性生殖で環境変化に備えるという点で、両方の生殖方法を理解するうえで非常に分かりやすい例です。

酵母

酵母は、パンや発酵食品に関わる小さな生物として有名です。酵母はふつう、出芽などによって無性生殖的に増えます。

しかし種類によっては、条件が変わると有性生殖に関わる段階をもつものがあります。微生物の世界でも、ずっと一つの増え方だけではなく、環境に応じて生き方を変えるものがいるのです。

酵母の例は少し発展的ですが、「小さな生物ほど単純」という思い込みが正しくないことを教えてくれます。

シダ植物も考え方の参考になる

シダ植物は、学習の中では種子をつくらず胞子でふえる植物として登場します。シダ植物の生活には、胞子をつくる世代と、生殖細胞をつくる世代があり、少し特別なしくみがあります。

そのため、単純に「これは有性生殖と無性生殖の両方」と一言で片づけるのは注意が必要ですが、生物のふえ方は一種類ではないことを理解するうえではとても参考になります。

理科では、何を有性生殖と呼ぶのか、何を無性生殖と呼ぶのかを正確に分けることが大切です。似ているように見えても、教科書での分類はていねいに確認する必要があります。

両方できることのメリット

有性生殖と無性生殖の両方ができる生物には、多くのメリットがあります。

1. 短期間で数を増やせる

無性生殖を使えば、相手を探さなくても増えることができます。そのため、えさが多い、気温がちょうどよい、敵が少ないなど、条件がよいときには一気に数を増やすことができます。

2. 環境の変化に対応しやすい

有性生殖を行うと、子どもたちの遺伝情報にちがいが生まれやすくなります。すると、気温の変化、病気、すみかの変化などが起きたときに、何らかの個体が生き残る可能性が高まります。

3. 悪い季節をのりこえやすい

ミジンコやアブラムシ、ヒドラのように、有性生殖によってできた卵が丈夫で、冬や乾燥などに耐えやすくなる例もあります。これは、生き物にとって大きな武器です。

4. よい性質をそのまま広げられる

植物では、味がよい、実が大きい、病気にある程度強いなど、親のよい性質をそのまま増やしたいときに、無性生殖が役立ちます。一方で、新しい組み合わせをつくりたいときには有性生殖が役立ちます。

両方できることのデメリットや注意点

両方の生殖方法をもつことは便利ですが、いつでも完全によいことばかりではありません。

無性生殖ばかりに頼ると、同じような性質の個体ばかりになり、病気や環境変化に弱くなることがあります。反対に、有性生殖は多様性を生み出せるものの、相手が必要だったり、時間がかかったりして、すぐには数を増やしにくいことがあります。

つまり、生物にとって大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、そのときの環境に合った方法を選べることなのです。

動物と植物で見方が少しちがう

このテーマでは、動物と植物を同じように考えすぎないことも大切です。

動物では、ふつう有性生殖が基本で、そこに無性生殖が見られると少し特別に感じられます。ヒドラやミジンコ、アブラムシ、クラゲなどはそのよい例です。

一方、植物では有性生殖も無性生殖もかなり広く見られます。花や種子によってふえるだけでなく、ほふく茎、球根、地下茎、いもなどを通じて増えるものが多いからです。

そのため、両方できる生物を考えるときには、植物のほうが例を見つけやすい場合もあります。

問われやすいポイント

このテーマでは、次の点がよく問われます。

  • 有性生殖は遺伝情報の組み合わせが変わりやすい
  • 無性生殖は親とほぼ同じ性質の子ができやすい
  • 無性生殖は短期間で増えやすい
  • 有性生殖は環境変化への対応に役立つ
  • ミジンコ、アブラムシ、ヒドラ、クラゲ、イチゴなどは代表例として覚えやすい

また、「栄養生殖は無性生殖の一種である」という点も大切です。イチゴのほふく茎やジャガイモのいもなどは、具体例としてよく出てきます。

まとめ

有性生殖と無性生殖の両方ができる生物は、自然界の中でとても合理的な生き方をしています。

無性生殖は、すばやく効率よく数を増やすのに向いています。有性生殖は、さまざまな性質をもつ子を生み出し、環境の変化に対応しやすくします。

この二つを使い分けられる生物には、ミジンコ、アブラムシ、ヒドラ、クラゲ、イチゴ、ジャガイモなどがいます。動物にも植物にもその例があり、それぞれが自分たちの生きる環境に合わせて、もっとも都合のよい方法を選んでいます。

生き物の世界を学ぶと、「生き残るための工夫」は一つではないことが見えてきます。有性生殖か無性生殖か、どちらか一方だけで考えるのではなく、両方を組み合わせて生きている生物がいることに注目すると、生物のしくみがより深く理解できるようになります。

 

Leave a Reply