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ユニバーサルデザイン・身近な例

ユニバーサルデザイン・身近な例

「言われてみれば!」身の回りのユニバーサルデザイン


皆さんは「ユニバーサルデザイン」という言葉を聞いたことがありますか?もしかしたら、少し難しく感じるかもしれませんね。しかし実は、私たちの身の回りのいたるところに、その考え方に基づいたものがたくさん存在しているんです。

ユニバーサルデザインとは、「年齢や性別、能力、身体的な特徴などにかかわらず、誰もが使いやすく、快適に利用できるデザイン」のこと。これは特定の誰かだけが使う特別なものではなく、すべての人にとっての「使いやすさ」を追求した、全ての人に優しいデザインなんです。

今回は、そんなユニバーサルデザインが私たちの身の回りにどのように溶け込んでいるのか、ユニバーサルデザインの身近な例を挙げながら、その魅力を深く掘り下げてご紹介したいと思います。


「言われてみれば!」身の回りのユニバーサルデザイン

私たちは普段、意識せずにユニバーサルデザインの恩恵を受けています。いくつか例を挙げてみましょう。


自動ドア

商業施設や公共施設などで当たり前のように見かける自動ドアは、身の回りのユニバーサルデザインの代表例です。荷物で両手が塞がっている時、車椅子を利用している時、ベビーカーを押している時など、どんな状況でもスムーズに出入りできますよね。手で開ける必要がないため、誰もがストレスなく利用できる利便性の高さが魅力です。


シャンプーとリンスのギザギザ

お風呂で目を閉じていても、触覚だけでどちらがシャンプーか判別できるように、シャンプーボトルの側面にはギザギザがついています。これは、視覚に障がいのある方はもちろんのこと、目が悪いお年寄りや、単に目を閉じて髪を洗う全ての人にとって、誤用を防ぎ、安全性を高めるための細やかな配慮です。

低床バス・ノンステップバス

近年、バスや路面電車の乗り降りの段差が少ない、あるいは段差がない車両が非常に増えました。これは、車椅子利用者やベビーカー利用者だけでなく、足腰の弱いお年寄り、小さな子どもを連れた親御さん、あるいは一時的に足を負傷している方など、あらゆる人にとって乗り降りの負担を軽減し、移動の安全性を高める非常に優しい設計です。


多機能トイレ(だれでもトイレ)

公共施設や駅、商業施設で目にする多機能トイレは、ユニバーサルデザインの粋を集めた場所と言えるでしょう。通常のトイレよりもはるかに広いスペースが確保され、手すりが複数設置されているだけでなく、オストメイト対応設備(人工肛門・人工膀胱保有者向けの設備)や、ベビーシート、フィッティングボード(着替えなどに利用)などが備え付けられていることがほとんどです。これにより、車椅子利用者、乳幼児連れの保護者、高齢者、身体に障がいのある方など、多様なニーズに対応し、誰もが安心して利用できる空間となっています。


点字ブロック

駅のホームや歩道で見かける黄色いブロックは、視覚障がいのある方が安全に移動できるように誘導したり、交差点や階段の入り口などで危険を知らせたりする役割があります。私たちも、点字ブロックの上を歩くことで、無意識にその存在を意識しているはずです。これは、視覚情報が少ない状況でも安全に移動するための、非常に重要な情報伝達手段です。

エレベーターの押しボタン

エレベーターのボタンは、単に押すだけのものではありません。ボタンの位置が車椅子の方でも届くよう低めに設定されていたり、ボタンに点字が併記されていたり、階数や開閉を音声で案内する機能があったりします。これは、車椅子利用者、子ども、目の不自由な方、そして日本語を母国語としない外国人など、様々な人が迷わず安全に操作しやすいように配慮されているからです。


音声案内付きの信号機

交差点で青信号になると、「カッコー」や「ピヨピヨ」といった鳥の鳴き声やメロディが聞こえる信号機が増えました。これは、視覚障がいのある方が、信号の色を目で確認できない状況でも、音によって安全に横断できるタイミングを把握できるようにするための工夫です。音の種類によって横断方向が異なる場合もあり、より詳細な情報を提供しています。


広い通路幅

商業施設や公共施設などで、通路が広めに設計されているのは、単に混雑緩和のためだけではありません。ベビーカーや車椅子がスムーズにすれ違えるように配慮されており、多くの人がストレスなく移動できるための重要なユニバーサルデザインです。通路が狭いと、車椅子同士やベビーカーとのすれ違いが困難になり、行動が制限されてしまいます。


スロープや手すり

建物や歩道の階段だけでなく、緩やかなスロープが設置されていたり、誰もが掴みやすい高さに手すりが設けられていたりする場所が増えました。これにより、足元に不安のある方、車椅子利用者、ベビーカー利用者、そして荷物を持っている人も安心して安全に移動できます。特に高齢者や小さな子どもにとっては、転倒のリスクを大幅に減らすことができます。


自動販売機の取り出し口

飲み物の取り出し口が低い位置に設定されている自動販売機があります。これは、車椅子の方や背の低い方でも、かがんだり背伸びしたりすることなく、楽な姿勢で商品を取り出せるように工夫されています。誰にとっても使いやすい設計を追求した結果です。


ノンラッチ錠(軽い力で開閉できるドアノブ)

ドアノブをひねる力が少なくて済むように設計された錠前です。握力の弱い高齢者や、まだ力の弱い小さなお子さんでも簡単にドアを開け閉めできるように工夫されています。災害時など緊急時にも、誰もが迅速に避難できることにも繋がります。

大きな文字やコントラストの効いた表示

駅の案内板や公共施設の表示などで、文字が大きく、背景とのコントラストがはっきりしているものは、ユニバーサルデザインの基本的な要素です。これは、遠くからでも見やすく、弱視の方や高齢者、さらには急いでいる人にも情報が正確に伝わるように配慮されています。


コイン投入口の工夫

券売機や自動販売機などで、コインの投入口が大きく、角度がつけられているものがあります。これは、手の震えがある方や、細かい作業が苦手な方でも、焦らずスムーズに硬貨を投入できるように考えられています。些細なことのように見えて、利用者のストレスを大きく軽減する工夫です。


誘導表示(ピクトグラム)

トイレ、非常口、エレベーター、喫煙所など、公共の場で使われるピクトグラムは、言語の壁を越えて情報を伝えるユニバーサルデザインの優れた例です。文字が読めなくても、視覚的に意味を理解できるため、外国人観光客や子どもにも分かりやすい情報提供が可能です。

レバー式の蛇口

ひねるタイプの蛇口よりも、レバー式の蛇口の方が少ない力で水量を調節でき、さらに開閉も容易です。握力が弱い方や、調理中などで片手が塞がっている時にも非常に便利で、誰にとっても使いやすいユニバーサルデザインの身近な例と言えるでしょう。


触覚マーカー付きの点字シート

電車の優先席など、座席の種類を触覚で識別できるよう、シートに突起や特別な加工が施されている場合があります。これは、視覚障がいのある方が、優先席を認識し、安心して利用できるようにするための細やかな配慮です。


音量調整機能付きの公共放送

駅や空港などの公共空間でのアナウンスにおいて、個々の利用者がイヤホンなどを使い、自分に合った音量で聞けるようなシステムも、ユニバーサルデザインの一環として導入されています。これにより、聴覚に敏感な方や、逆に難聴の方でも快適に情報を得ることができます。

ユニバーサルデザインフォント

視認性が高く、誤読しにくいようにデザインされたフォント(文字の書体)は、様々な人が読みやすいように配慮されています。特に、数字の「1」と小文字の「l」、大文字の「I」や、「0」と「O」など、似ている文字の区別がつきやすいように工夫されており、教科書や公共の表示などで活用されています。


フタの開けやすい容器

片手で簡単に開けられるペットボトルや、軽い力で開けられる食品容器、あるいはプルタブ式の缶詰など、力の弱い方や高齢者でもストレスなく開けられるように工夫された商品は、毎日の生活をより快適にします。


滑りにくい床材

駅構内や商業施設、病院などで、濡れても滑りにくい素材の床材を使用することは、転倒防止につながり、誰もが安全に歩けるように配慮されています。特に雨の日や、子どもが走り回る場所ではその効果を実感できます。

色覚バリアフリー(カラーユニバーサルデザイン)

色の組み合わせに配慮し、色覚の多様な人も区別しやすい配色にすることで、情報が正確に伝わるように工夫されています。例えば、グラフの色分けや案内図などで、色だけでなく形や模様も併用することで、より多くの人に情報が伝わるように設計されています。


非接触型決済システム

電子マネーやクレジットカードのタッチ決済など、端末に触れるだけで支払いが完了するシステムは、現金でのやり取りが困難な場合や、素早く会計を済ませたい場合にも便利です。衛生面でもメリットがあり、誰もがスムーズに買い物を楽しめるようになります。


背もたれ付きのベンチ

公園や駅、バス停などで、背もたれ付きのベンチがあることで、休憩する際に安定した姿勢を保てます。特に高齢者や、身体に疲れを感じやすい方にとって、立ち座りの動作が楽になり、利用しやすい配慮です。


高さ調節可能なカウンターやテーブル

飲食店や役所の窓口などで、車椅子利用者や子どもの高さに合わせられるカウンターやテーブルは、多様な人が不便なくサービスを受けたり、食事を楽しんだりできるように工夫されています。


マグネット式キャッチのドア

扉が完全に閉まらなくても、マグネットの力で軽く保持されるドアは、半開きの状態を防ぎ、指挟みなどの事故を減らすことができます。特に小さなお子さんがいる家庭や施設で安全性を高めます。


手書き文字対応のタッチパネル

公共施設の受付機や情報端末などで、文字入力が苦手な方のために、手書き文字での入力にも対応している場合があります。キーボード操作に不慣れな高齢者などでも、直感的に操作できる利便性を提供します。


ワンハンドル水栓

浴室やキッチンなどで見られる、水量と温度調節を一つのレバーで行える水栓は、直感的に操作でき、力の弱い方や片手が塞がっている時でも非常に使いやすいです。熱いお湯と冷たい水を個別に調整する必要がなく、火傷のリスクも軽減します。


交通機関の次駅案内表示

電車やバスで、次の駅や停留所名を文字と音声で案内してくれる表示は、初めて利用する人や聴覚に障がいのある人にも情報を提供し、乗り過ごしを防ぎます。特に観光客にとっては、言語の壁を越える助けにもなります。


点字付きの薬のパッケージ

薬のパッケージに点字で薬の名称や種類が記載されていることで、視覚障がいのある方も誤って服用するリスクを減らせます。薬剤師の説明だけでなく、利用者自身が確認できる安心感を提供します。


キャッシュレス決済端末の音声ガイド

レジでのキャッシュレス決済時に、操作方法や決済完了を音声で案内してくれる端末は、視覚障がいのある方や、ディスプレイを見ることが難しい方でも安心して利用できます。


駐車場における幅広駐車スペース

通常の駐車スペースよりも幅が広く取られたスペースは、車椅子利用者が乗り降りする際にドアを大きく開けられるように配慮されています。商業施設や病院などで見かけることができます。


ユニバーサルデザイン絵本

文字が大きく、読みやすいフォントが使われていたり、点字が併記されていたり、あるいは手話のイラストが含まれていたりする絵本は、多様な子どもたちが読書を楽しめるように工夫されています。


公共施設のAED設置場所の分かりやすい表示

AEDがどこにあるかを一目で理解できるよう、色やピクトグラムを使った大きな表示がされていることが多いです。緊急時に素早く見つけられるように、デザインされています。


災害時の多言語対応情報

災害発生時、避難指示や避難場所の情報を日本語だけでなく、英語や中国語、韓国語など複数の言語で提供することは、在留外国人を含む全ての住民の安全を守るためのユニバーサルデザインの重要な側面です。

 

なぜユニバーサルデザインが大切なのか?

これらの例を見ると、身の回りのユニバーサルデザインが特定の誰かだけのためではなく、私たち誰もが快適に生活するための工夫であることがよくわかります。

例えば、腕を骨折して一時的に片手が不自由になった時、普段は意識しなかったユニバーサルデザインのありがたみを強く感じるかもしれません。あるいは、一時的に車椅子を使うことになった時、低床バスや多機能トイレの便利さに感動するかもしれません。

ユニバーサルデザインは、障がいのある方や高齢者の方だけでなく、すべての人にとっての「使いやすさ」を追求することで、より多くの人が社会に参加しやすくなる環境を作り出します。それは結果として、誰もが暮らしやすい、より豊かで、そして誰もが安心して生活できる社会へと繋がるのです。


ユニバーサルデザインは「未来への投資」

ユニバーサルデザインの考え方は、社会が多様化し、高齢化が進む現代において、ますますその重要性を増しています。誰もが不便なく社会生活を送れる環境を整備することは、個人のQOL(生活の質)を高めるだけでなく、社会全体の活性化にも繋がります。

企業や自治体にとっても、ユニバーサルデザインを取り入れることは、より多くの顧客や市民にサービスを提供できることを意味します。それは単なる配慮ではなく、未来への賢い投資と言えるでしょう。誰もが使いやすい製品やサービスは、結果として多くの人に選ばれるからです。


身の回りにある「配慮」に目を向けてみよう

今回ご紹介した身の回りのユニバーサルデザインの例はほんの一部に過ぎません。私たちの身の回りには、ユニバーサルデザインの考え方に基づいた工夫がまだまだたくさん隠されています。

次に外出する際は、少し意識して周りを見渡してみてください。きっと、今まで気づかなかった「配慮の形」を発見できるはずです。そうすることで、ユニバーサルデザインが私たちの生活をいかに豊かにしてくれているか、改めて実感できるでしょう。

ユニバーサルデザインは、特別なものではなく、私たちみんなの「当たり前」を支える大切な考え方です。このブログを読んで、少しでもユニバーサルデザインに興味を持っていただけたら嬉しいです。


あなたの身の回りには?

皆さんの身の回りには、どんなユニバーサルデザインの例が見つかりますか?
ぜひ、探してみて教えてくださいね。

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