中学理科では、「水に溶けたとき電気を通すかどうか」で物質を電解質と非電解質に分けます。テストでもよく出るポイントですが、実はここで終わりではありません。
非電解質は「電気を通さない」だけの存在ではなく、栄養になったり、**溶媒(溶かす液体)**として働いたり、**浸透圧(濃さ)**に関わったりと、身近な場面でたくさん活躍しています。
この記事では、非電解質の基本から、**機能(役割)**を「例」と結びつけて、授業ノートのように整理します。
非電解質とは、
代表例:
※「溶ける=電気を通す」ではありません。 水に溶けても、イオンにならない(なりにくい)と電気を通しません。
同じ「水に溶ける」でも、溶け方が違います。
ここで覚えたいキーワードは「イオン」です。
電気が流れるためには、電荷を運ぶ粒(電気の運び屋)が必要です。
食塩の水溶液では、
このイオンが水の中を移動することで、電流が流れます。
砂糖やエタノールは水に溶けても、
イメージ:
- 電解質=「+と−の粒が増える」
- 非電解質=「形はそのまま、散らばるだけ」
非電解質の役割を考えるときは、次の3つに分けると理解しやすいです。
さらに、「なぜその役割が成り立つのか」を一言で表すと、
体の中では、非電解質が栄養として重要なことが多いです。
砂糖水が甘いのに電気を通しにくいのは、砂糖が水に溶けてもイオンにならず分子のままだからです。
覚え方: 「砂糖=甘い=電気が通る」ではない。 甘さは“味の情報”、電気は“イオンの移動”。別物です。
ブドウ糖は、体がすぐに使える形のエネルギー源として有名です。
ポイント:点滴には電解質(生理食塩水など)だけでなく、非電解質のブドウ糖も使われます。 目的が違い、電解質は主に「体液のイオンバランス」、ブドウ糖は「エネルギー補給」の面が強いです。
中学では、砂糖やブドウ糖ほど「水溶液の電気」実験に出てこないこともありますが、 「分子として存在する栄養」として理解しておくと、学びがつながります。
水だけでは溶かしにくい物質もあります。そこで役立つ非電解質がエタノールです。
水は極性が強く、塩や砂糖は溶けやすい一方で、油のような物質は溶けにくいことがあります。 エタノールは「水にもある程度混ざる」「油っぽい成分にも比較的なじむ」性質があり、 **溶媒(溶かす液体)**として活躍します。
消毒の話は保健や別分野の内容も含みますが、理科の視点では
水溶液の濃さが変わると、水の移動(浸透)が起こりやすくなります。非電解質でも、この効果ははっきり出ます。
濃い砂糖水では、微生物(カビや細菌)の周りの水が奪われやすくなり、 増えにくくなるため、保存に役立つことがあります(※食品衛生の詳細は別分野)。
身近な観察: ジャムやシロップは「砂糖が多い」ことが特徴。 これは味だけでなく、保存にも関係しています。
尿素は水に溶けやすい非電解質で、体内で作られた後、尿として排出されます。 また、皮ふの保湿に使われることもあります。
家庭での実験は安全に配慮が必要ですが、理科室の典型例としては次のような比較が有名です。
同じ「透明な水溶液」でも結果が違うことが、分類の大事な根拠になります。
注意: 実際の実験器具や方法は学校の指導に従うことが大切です。
| 物質 | 水に溶けたとき | 電気を通す? | 主な機能(役割) | 身近な場面 |
|---|---|---|---|---|
| 砂糖(ショ糖) | 分子のまま溶ける | ほぼ通さない | エネルギー源/浸透圧に関与 | 砂糖水、ジャム、シロップ |
| ブドウ糖 | 分子のまま溶ける | ほぼ通さない | 主要なエネルギー源 | 栄養補給、点滴 |
| エタノール | 分子のまま溶ける | ほぼ通さない | 溶媒/生活用品で活躍 | 消毒液、香水、インク |
| 尿素 | 分子のまま溶ける | ほぼ通さない | 不要物の排出/保湿に利用 | 尿、尿素クリーム |
非電解質は「電気を通さない」性質で分類しているだけで、 安全・危険を決める言葉ではありません。
「溶ける=電解質」と思い込みやすいので、 イオンになるかどうかで判断するのがポイントです。
電気を通さなくても、
「電気を通す・通さない」は性質の分類。 そのうえで、非電解質が生活や体の中でどんな働きをしているかまで見ると、理科の理解が一気につながります。