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非電解質の例

非電解質の例

非電解質の例

非電解質の機能(役割)と例

中学理科では、「水に溶けたとき電気を通すかどうか」で物質を電解質非電解質に分けます。テストでもよく出るポイントですが、実はここで終わりではありません。

非電解質は「電気を通さない」だけの存在ではなく、栄養になったり、**溶媒(溶かす液体)**として働いたり、**浸透圧(濃さ)**に関わったりと、身近な場面でたくさん活躍しています。

この記事では、非電解質の基本から、**機能(役割)**を「例」と結びつけて、授業ノートのように整理します。


1. 非電解質とは?

非電解質とは、

  • 水に溶けても電気をほとんど通さない物質
  • 溶けたときにイオン(電荷をもつ粒)に分かれにくい物質 のことです。

代表例:

  • 砂糖(ショ糖)
  • ブドウ糖(グルコース)
  • エタノール(アルコール)
  • 尿素

※「溶ける=電気を通す」ではありません。 水に溶けても、イオンにならない(なりにくい)と電気を通しません。


2. 先に整理:電解質と非電解質の違い

同じ「水に溶ける」でも、溶け方が違います。

  • 電解質:水に溶けると イオンに分かれる → 電気を通しやすい
    • 例:食塩(塩化ナトリウム)、塩酸、硫酸、塩化水素など
  • 非電解質:水に溶けても 分子のまま → 電気を通しにくい
    • 例:砂糖、エタノール、尿素など

ここで覚えたいキーワードは「イオン」です。


3. なぜ電気を通さないの?

電気が流れるためには、電荷を運ぶ粒(電気の運び屋)が必要です。

● 電解質の場合

食塩の水溶液では、

  • 陽イオン(+)
  • 陰イオン(−) に分かれます。

このイオンが水の中を移動することで、電流が流れます。

● 非電解質の場合

砂糖やエタノールは水に溶けても、

  • 分子がバラバラに広がるだけ(イオンに分かれない) なので、電荷を運ぶ粒がほとんど増えず、電気を通しません。

イメージ:

  • 電解質=「+と−の粒が増える」
  • 非電解質=「形はそのまま、散らばるだけ」

4. 非電解質の「機能(役割)」を考えるポイント

非電解質の役割を考えるときは、次の3つに分けると理解しやすいです。

  • エネルギー源・栄養(体を動かす材料)
  • 溶媒としての働き(ものを溶かす)(化学や生活用品で活躍)
  • 浸透圧(濃さ)に関わる働き(水の移動や保存性に関係)

さらに、「なぜその役割が成り立つのか」を一言で表すと、

  • イオンにならない分子でも、水に溶けると「水溶液の性質」を変えられる という点にあります。

5. 機能①:エネルギー源・栄養としての非電解質

体の中では、非電解質が栄養として重要なことが多いです。

● 砂糖(ショ糖)

  • 分類:非電解質
  • 役割:体のエネルギー源(消化でブドウ糖などになって利用される)
  • 身近な例:砂糖水、ジュース、お菓子、シロップ

砂糖水が甘いのに電気を通しにくいのは、砂糖が水に溶けてもイオンにならず分子のままだからです。

覚え方: 「砂糖=甘い=電気が通る」ではない。 甘さは“味の情報”、電気は“イオンの移動”。別物です。

● ブドウ糖(グルコース)

  • 分類:非電解質
  • 役割:細胞が使う主要なエネルギー源
  • 身近な例:スポーツ時の補給、医療現場の点滴(ブドウ糖液)

ブドウ糖は、体がすぐに使える形のエネルギー源として有名です。

ポイント:点滴には電解質(生理食塩水など)だけでなく、非電解質のブドウ糖も使われます。 目的が違い、電解質は主に「体液のイオンバランス」、ブドウ糖は「エネルギー補給」の面が強いです。

● デンプン(参考)

  • 分類:水に溶けにくいが、基本は非電解質の仲間(分子)
  • 役割:長期的なエネルギーの材料(消化でブドウ糖になる)
  • 身近な例:ごはん、パン、じゃがいも

中学では、砂糖やブドウ糖ほど「水溶液の電気」実験に出てこないこともありますが、 「分子として存在する栄養」として理解しておくと、学びがつながります。


6. 機能②:溶媒として働く非電解質(溶かす役)

水だけでは溶かしにくい物質もあります。そこで役立つ非電解質がエタノールです。

● エタノール(アルコール)

  • 分類:非電解質
  • 役割:水に溶けにくい成分も溶かしやすい(油っぽい成分に比較的強い)
  • 身近な例:消毒液、香水、インク、食品の香り成分の抽出

水は極性が強く、塩や砂糖は溶けやすい一方で、油のような物質は溶けにくいことがあります。 エタノールは「水にもある程度混ざる」「油っぽい成分にも比較的なじむ」性質があり、 **溶媒(溶かす液体)**として活躍します。

さらに一歩:なぜ消毒に使われる?

消毒の話は保健や別分野の内容も含みますが、理科の視点では

  • いろいろな成分を溶かせる
  • 乾きやすい といった性質が、使いやすさにつながります。

7. 機能③:浸透圧(濃さ)に関わる非電解質

水溶液の濃さが変わると、水の移動(浸透)が起こりやすくなります。非電解質でも、この効果ははっきり出ます。

● 砂糖水(高濃度)

  • 分類:砂糖=非電解質
  • 役割:水の移動(浸透圧)に影響し、保存性に関わる
  • 身近な例:ジャム、シロップ、砂糖漬け

濃い砂糖水では、微生物(カビや細菌)の周りの水が奪われやすくなり、 増えにくくなるため、保存に役立つことがあります(※食品衛生の詳細は別分野)。

身近な観察: ジャムやシロップは「砂糖が多い」ことが特徴。 これは味だけでなく、保存にも関係しています。

● 尿素

  • 分類:非電解質
  • 役割:体内の不要物として排出される/水と一緒に運ばれやすい
  • 身近な例:尿に含まれる成分、保湿剤としての尿素配合クリーム

尿素は水に溶けやすい非電解質で、体内で作られた後、尿として排出されます。 また、皮ふの保湿に使われることもあります。


8. ミニ実験アイデア:電解質と非電解質を見分ける

家庭での実験は安全に配慮が必要ですが、理科室の典型例としては次のような比較が有名です。

  • 食塩水:電気が通りやすい(電解質)
  • 砂糖水:電気が通りにくい(非電解質)

同じ「透明な水溶液」でも結果が違うことが、分類の大事な根拠になります。

注意: 実際の実験器具や方法は学校の指導に従うことが大切です。


9. 非電解質の代表例まとめ(一覧)

物質 水に溶けたとき 電気を通す? 主な機能(役割) 身近な場面
砂糖(ショ糖) 分子のまま溶ける ほぼ通さない エネルギー源/浸透圧に関与 砂糖水、ジャム、シロップ
ブドウ糖 分子のまま溶ける ほぼ通さない 主要なエネルギー源 栄養補給、点滴
エタノール 分子のまま溶ける ほぼ通さない 溶媒/生活用品で活躍 消毒液、香水、インク
尿素 分子のまま溶ける ほぼ通さない 不要物の排出/保湿に利用 尿、尿素クリーム

10. よくある勘違い(ここで差がつく)

● 勘違い①:非電解質=「危ない」ではない

非電解質は「電気を通さない」性質で分類しているだけで、 安全・危険を決める言葉ではありません。

● 勘違い②:「溶ける」と「電気を通す」は別

  • 水に溶ける(砂糖)
  • 水に溶けにくい(油) は、電解質・非電解質とは別の観点です。

「溶ける=電解質」と思い込みやすいので、 イオンになるかどうかで判断するのがポイントです。

● 勘違い③:非電解質でも水溶液の性質は変わる

電気を通さなくても、

  • 味(甘い)
  • 濃さ(浸透圧)
  • 沸点・凝固点の変化(高校で学ぶ内容につながる) など、いろいろな性質に影響することがあります。

11. 確認問題

  1. 砂糖水が電気を通しにくい理由を「イオン」という言葉を使って説明できる?
  2. 食塩水が電気を通しやすい理由を「陽イオン・陰イオン」という言葉を使って説明できる?
  3. エタノールが溶媒として使われる例を2つ言える?
  4. 非電解質の「機能(役割)」を3つに分けて言える?
  5. 「溶ける」と「電気を通す」が別物であることを、具体例で説明できる?

まとめ

  • 非電解質:水に溶けてもイオンになりにくく、電気を通しにくい。
  • しかし役割は多い:
    • 栄養(エネルギー源):砂糖、ブドウ糖、(参考:デンプン)
    • 溶媒:エタノール(香り成分・インク・消毒などで利用)
    • 浸透圧に関与:濃い砂糖水、尿素 など

「電気を通す・通さない」は性質の分類。 そのうえで、非電解質が生活や体の中でどんな働きをしているかまで見ると、理科の理解が一気につながります。

 

 

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