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二重敬語の例

二重敬語の例

【要注意!】実は間違い?!「二重敬語」を徹底解説&言い換え例

皆さんは、ビジネスシーンやかしこまった場で「敬語を使っているつもりなのに、何かおかしい…?」と感じたことはありませんか?もしかしたら、それは「二重敬語」が原因かもしれません。

「二重敬語」とは、一見丁寧そうに見えて、実は文法的に誤りである敬語表現のこと。本人は丁寧に伝えようとしているのですが、かえって不自然な印象を与えてしまったり、時には相手に違和感を与えてしまったりすることもあります。敬語は相手への敬意を示すためのものですが、過剰な敬語はかえって逆効果になってしまうこともあるのです。

今回は、この「二重敬語」について、なぜ間違いなのか、そしてどのように言い換えれば良いのかを、具体的な例を挙げながら徹底的に解説していきます。敬語に自信がない方、もっとスマートに敬語を使いこなしたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。


二重敬語とは?なぜ間違いなの?

二重敬語とは、同じ種類の敬語(尊敬語+尊敬語、謙譲語+謙譲語など)を重ねて使うことを指します。例えば、「おっしゃる」という尊敬語に、さらに尊敬の助動詞「〜れる/られる」を付けて「おっしゃられる」とするのが典型的な二重敬語です。

敬語は、相手への敬意を表すために使いますが、同じ種類の敬語を重ねてしまうと、過剰になりすぎて不自然な印象を与えてしまうため、一般的には誤りとされています。日本語の美しさや効率性を考えると、不必要な重複は避けるべきだと考えられているのです。

ただし、例外的に慣用的に使われているものもあります。これについては後ほど詳しくご紹介します。


よくある二重敬語の例と正しい言い換え

それでは、具体的な例を見ていきましょう。あなたはいくつ当てはまりますか?もしかしたら、普段何気なく使っている表現が含まれているかもしれません。

1. 尊敬語の二重敬語:相手への敬意が過剰になりがち

尊敬語の二重敬語は、最もよく見られるパターンです。相手を敬う気持ちが強すぎるあまり、つい重ねて使ってしまいがちです。

  • 「〜れる/られる」+尊敬語の動詞
    • 誤った例: 「社長がおっしゃられました。」

      正しい例: 「社長がおっしゃいました。」

      解説: 「おっしゃる」自体が尊敬語です。「〜れる/られる」は尊敬の助動詞なので、重ねて使うと二重敬語になります。「おっしゃる」だけで十分敬意が伝わります。

    • 誤った例: 「先生がご覧になられました。」

      正しい例: 「先生がご覧になりました。」

      解説: 「ご覧になる」自体が尊敬語です。尊敬の助動詞を重ねる必要はありません。

    • 誤った例: 「お客様がお帰りになられました。」

      正しい例: 「お客様がお帰りになりました。」

      解説: 「お帰りになる」自体が尊敬語です。これも同様に重ねてはいけません。

    • 誤った例: 「部長がお話しになられました。」

      正しい例: 「部長がお話しになりました。」

      解説: 「お話しになる」が尊敬語です。「〜れる/られる」は不要です。

    • 誤った例: 「課長がお読みになられました。」

      正しい例: 「課長がお読みになりました。」

      解説: 「お読みになる」が尊敬語です。

    • 誤った例: 「部長が拝見される。」

      正しい例: 「部長がご覧になる。」または「部長が見られる。」

      解説: 「拝見する」は自分の行為をへりくだる謙譲語です。相手の動作に使うのは誤りなので、尊敬語で表現し直しましょう。

    • 誤った例: 「課長がおられます。」

      正しい例: 「課長がいらっしゃいます。」または「課長がおられます。」

      解説: 「おる」は元々謙譲語で、自分の動作に使うのが原則です。尊敬の「いらっしゃる」を使いましょう。ただし、近年では「おられる」を尊敬語として許容するケースも増えてきています。しかし、より丁寧で自然なのは「いらっしゃる」です。

    • 誤った例: 「先生がご出席なされました。」

      正しい例: 「先生がご出席になりました。」

      解説: 「ご出席になる」自体が尊敬語です。

    • 誤った例: 「お客様がお見えになられました。」

      正しい例: 「お客様がお見えになりました。」

      解説: 「お見えになる」自体が尊敬語です。

    • 誤った例: 「社長がご高覧になられました。」

      正しい例: 「社長がご高覧になりました。」

      解説: 「ご高覧になる」自体が尊敬語です。

    • 誤った例: 「部長がお帰りあそばされました。」

      正しい例: 「部長がお帰りになりました。」または「部長がお帰りです。」

      解説: 「あそばす」という尊敬語にさらに「〜れる/られる」を重ねると、非常に過剰な二重敬語となります。現代ではあまり使われない表現なので、より自然な表現を選びましょう。

2. 謙譲語の二重敬語:自分の動作を過剰にへりくだりすぎ

謙譲語でも二重敬語は発生します。自分の動作をへりくだる際、ついつい重ねてしまいがちです。

  • 「お〜する/ご〜する」+謙譲語の動詞
    • 誤った例: 「私が部長にお伺いさせていただきます。」

      正しい例: 「私が部長に伺います。」または「私が部長にお伺いします。」

      解説: 「伺う」自体が謙譲語です。「〜させていただく」も謙譲表現なので重ねて使うと二重敬語になります。ただし、「〜させていただく」は、相手の許可を得て行う場合や、その行為によって相手から恩恵を受ける場合に用いられるため、一概に間違いとは言えないケースもあります。しかし、単にへりくだって自分の動作を伝えるのであれば「伺います」や「お伺いします」で十分です。状況に応じて適切に判断しましょう。

    • 誤った例: 「私が資料を拝見させていただきます。」

      正しい例: 「私が資料を拝見します。」

      解説: 「拝見する」自体が謙譲語です。

  • 謙譲語+謙譲語
    • 誤った例: 「私が皆様にご説明申し上げます。」

      正しい例: 「私が皆様にご説明します。」または「私が皆様に申し上げます。」

      解説: 「説明する」の謙譲語は「ご説明する」。「申し上げる」も謙譲語なので重ねて使うと二重敬語になります。どちらか一つで十分です。

    • 誤った例: 「私がお客様にご案内差し上げます。」

      正しい例: 「私がお客様にご案内します。」または「私がお客様にご案内申し上げます。」

      解説: 「ご案内する」の謙譲語は「ご案内する」。「差し上げる」も謙譲語なので重ねて使うと二重敬語になります。

    • 誤った例: 「私がこの件についてご進言申し上げます。」

      正しい例: 「私がこの件について進言します。」または「私がこの件についてご進言します。」

      解説: 「ご進言する」で謙譲語として成り立ちます。さらに「申し上げる」を重ねる必要はありません。

3. 丁寧語と尊敬語・謙譲語の組み合わせ(これは二重敬語ではないが注意が必要)

「〜様」や「〜殿」といった丁寧語の接尾語と、その後の敬語表現を重ねてしまい、結果的に二重敬語のように聞こえるケースもあります。これは厳密には二重敬語ではありませんが、過剰な表現になることがあるため注意が必要です。

  • 誤った例: 「社長様がお帰りになられます。」

    正しい例: 「社長様がお帰りになります。」または「社長がお帰りになります。」

    解説: 「〜様」は丁寧語の接尾語ですが、その後に尊敬語「お帰りになる」と尊敬の助動詞「〜られる」を重ねると、非常に過剰な表現になります。「社長様」と呼ぶことで十分敬意は伝わりますし、さらに「お帰りになる」とすることで十分です。「〜られる」は不要です。


二重敬語と間違いやすいが許容される表現(例外的なケース)

日本語の敬語は複雑であり、中には厳密には二重敬語にあたるものの、慣習的に広く使われており、一般的に許容されている表現も存在します。これらは例外として覚えておくと良いでしょう。

  • 「お召し上がりになる」

    「召し上がる」自体が「食べる」「飲む」の尊敬語ですが、「お〜になる」を重ねた形が慣習的に使われています。これは、動詞「召す」に「上がる」という尊敬語が組み合わさった上で、さらに「お〜になる」という形が定着したためと考えられています。

  • 「お見えになる」

    「見える」を尊敬語として「お見えになる」と表現することが一般的です。「見える」は「見る」の可能形や自然に目に入るという意味がありますが、尊敬語として「いらっしゃる」「来る」の意味で使われる際にこの形が定着しました。

  • 「おっしゃられる」

    前述の通り、厳密には二重敬語(「おっしゃる」+「〜られる」)ですが、話し言葉としては耳にすることも多く、完全に誤りとは言い切れない風潮もあります。特に砕けた場や、話し手が敬意を強調したい場合に無意識に使われることがあります。しかし、ビジネス文書や公式な場では、やはり「おっしゃいました」を使う方がより適切でスマートです。

  • 「〜させていただきます」

    前述の通り、これも文脈によっては二重敬語と捉えられることがあります。しかし、「相手に許可を得て行う」「その行為によって恩恵を受ける」というニュアンスを込めたい場合には、非常に便利な表現であり、広く使われています。

    例:「(お時間をいただき)ご説明させていただきます。」

    例:「(資料を拝借し)拝見させていただきます。」

    この場合、単なる「説明します」「拝見します」よりも、相手への配慮や感謝の気持ちが伝わりやすいため、許容されることが多いです。ただし、乱用は避け、本当にそのニュアンスが必要な場合に限定して使うようにしましょう。


なぜ私たちは二重敬語を使ってしまうのか?

二重敬語を使ってしまう背景には、いくつかの心理や要因が考えられます。

  1. 丁寧さを強調したい気持ち: 相手に最大限の敬意を払おうとするあまり、過剰な表現になってしまうことがあります。しかし、度が過ぎるとかえって不自然になります。
  2. 敬語の知識不足・曖昧さ: 尊敬語、謙譲語、丁寧語の区別や、それぞれの正しい活用形が曖昧なため、無意識のうちに重ねて使ってしまうことがあります。特に複雑な複合動詞の場合、判断が難しくなりがちです。
  3. 周囲の影響・耳慣れ: 周囲の人が使っているのを聞いて、それが正しい表現だと認識してしまうケースも少なくありません。特に、テレビやラジオなどで著名人が使っていると、「正しいのだ」と誤解してしまうこともあります。
  4. 自信のなさの表れ: 「これで本当に丁寧なのだろうか?」という不安から、つい敬語を重ねてしまい、より丁寧に見せようとする心理が働くこともあります。

まとめ:スマートな敬語で、より良い人間関係を築こう

二重敬語は、相手への配慮から生まれるものですが、誤って使ってしまうと、かえって不自然な印象を与えてしまうことがあります。この記事でご紹介した例を参考に、ご自身の敬語表現を見直してみてください。

敬語は単なる言葉遣いではなく、相手への気遣いや配慮を表す大切なツールです。正しい敬語をスマートに使いこなすことで、ビジネスシーンでの信頼感を高め、円滑なコミュニケーションを築くことができるでしょう。

もし、この記事を読んで他に気になる敬語表現が見つかったら、ぜひ調べてみてくださいね。正しい敬語を身につけて、自信を持ってコミュニケーションを図りましょう!

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