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バリアフリーとユニバーサルデザインの違い

バリアフリーとユニバーサルデザインの違い

私たちが暮らす社会には、誰もが安心して生活できるよう、さまざまな工夫が施されています。中でも「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」という言葉はよく耳にしますが、これらには大きな違いがあります。今回は、「バリアフリーとニバーサルデザイン違い」と言うテーマでそれぞれの考え方や具体例を紹介します。

バリアフリーとはどのような考え方でしょうか?

「バリアフリー」という言葉は、英語の「Barrier Free」が由来で、直訳すると「障害物がない」という意味になります。生活の中で困難となる「障害」を取り除き、誰もが暮らしやすくするための考え方です。

バリアとは何か?

バリアとは、次のようなものを指します。

  • 段差:車いすをご利用の方や足が不自由な方にとって大きな障害です。
  • 狭い通路:ベビーカーや杖を使う方にとって通りにくい場所です。
  • 小さな文字:視力が弱い方には読みづらい表示です。
  • 音声だけの案内:耳が不自由な方には理解が難しい場合があります。

バリアフリーは、こうした障害を取り除くため、後から工事や改良を加えることが多い取り組みです。

バリアフリーの具体例

  • 建物の入り口に設置されたスロープ
  • 駅や商業施設に設置されているエレベーター
  • 多目的トイレ
  • 点字ブロック
  • 駅構内の音声案内や電光掲示板
  • 大きな文字やピクトグラムを用いた表示

ユニバーサルデザインとはどのような考え方でしょうか?

ユニバーサルデザインは、「すべての人のためのデザイン」という意味で、アメリカの建築家ロナルド・メイスが提唱しました。年齢や性別、障がいの有無、文化や国籍を問わず、誰もが使いやすいように、最初から設計することを目指す考え方です。

ユニバーサルデザインの7原則

ユニバーサルデザインには、次のような7つの原則があります。

  1. 公平性:誰でも同じように利用できること。
  2. 使いやすさの柔軟性:さまざまな使い方や好みに対応できること。
  3. 使い方が簡単でわかりやすいこと:複雑すぎず、直感的に使えること。
  4. 情報がわかりやすいこと:必要な情報が簡単に得られること。
  5. ミスしても危険にならないこと:誤操作が重大な問題を引き起こさないこと。
  6. 少ない力で使えること:大きな力や疲労を必要としないこと。
  7. 適切な大きさや空間が確保されていること:体格や動作の違いに対応できること。

ユニバーサルデザインの具体例

  • 自動ドア(手を使わずに開閉できる)
  • プッシュ式の水道の蛇口
  • 大きなボタンが付いたリモコン
  • 大きく見やすい文字の案内板
  • 図やイラストを多用した説明書
  • 複数言語対応の表示
  • 音声と表示で案内をする電車の車内放送
  • スマートフォンの文字サイズ変更機能

これらは、障がいのある方だけでなく、高齢者やお子様、また外国の方にとっても使いやすいように考えられています。

バリアフリーとユニバーサルデザインの違いとは?

ここまでの内容をまとめますと、次のように言えるでしょう。

  • バリアフリー:すでに存在している障害を取り除くための取り組み。主に困っている方に合わせて後から改善することが多い。
  • ユニバーサルデザイン:最初から誰でも使いやすいように設計するデザイン。すべての人が対象。

たとえば駅の改札を例にしますと、

  • バリアフリーの場合 → 車いすをご利用の方のために、後から幅の広い改札を設置する。
  • ユニバーサルデザインの場合 → 初めからすべての改札を幅広く設計し、誰もが同じ改札を利用できるようにする。

このように、バリアフリーは「対処」、ユニバーサルデザインは「予防」という性格を持っています。

なぜ両方が必要なのでしょうか?

ユニバーサルデザインは理想的ですが、世の中には古い建物や設備が数多く存在し、すべてを一度に新しくするのは難しい現状があります。そのため、バリアフリーのように後から障害を取り除く取り組みも、依然として重要です。両者をうまく組み合わせることが、より良い社会づくりに繋がります。

身近な場所で探してみましょう

身の回りで、バリアフリーやユニバーサルデザインがどのように取り入れられているかを探してみるのも良いでしょう。たとえば、次のような点を観察してみてください。

  • 教室のドアは軽い力で開くでしょうか。
  • 廊下の幅は車いすでも余裕を持って通れるでしょうか。
  • 図書館の本棚の高さは取りやすいでしょうか。
  • 公園の遊具は誰でも安心して利用できるでしょうか。
  • 駅の案内は目や耳の不自由な方にも分かりやすいでしょうか。

未来の社会に向けて

これからの社会においては、すべての人が安心して暮らせる環境づくりがますます大切になります。普段から「これは誰にとって使いやすいのか」と考えることが、より優しい社会を築く第一歩になるのではないでしょうか。

おわりに

バリアフリーもユニバーサルデザインも、いずれも非常に重要な考え方です。ぜひ身の回りを観察し、どのような工夫がされているか探してみてください。きっと多くの「やさしさ」に気づくことができるでしょう。

以下に、「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」に関する興味深いトリ


🧩 バリアフリーとユニバーサルデザインに関するトリビア15選

ユニバーサルデザインと色

① 日本で「バリアフリー法」が成立したのは2000年

👉 正式名称は「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」。鉄道駅や公共施設などのバリアフリー化を義務づけるきっかけとなりました。

② ロナルド・メイスは車いすユーザーだった

👉 ユニバーサルデザインを提唱した建築家ロナルド・メイス自身も、幼少期に病気で車いす生活となり、社会の不便さを実感していました。

③ ユニバーサルデザインの発祥地はアメリカ・ノースカロライナ州

👉 ノースカロライナ州立大学内に設けられた「センター・フォー・ユニバーサルデザイン」が世界的な研究拠点となりました。

④ 日本では東京オリンピックが転機となった

👉 1964年大会で初めて多目的トイレやスロープが公共施設に整備され、バリアフリーの概念が広まりました。

⑤ エスカレーターはもともとユニバーサルデザインではない

👉 車いすやベビーカーでは使えないため、ユニバーサルデザインとは言えません。エレベーターの併設が必要です。

⑥ 点字ブロックは日本発祥

👉 1965年、岡山県の三宅精一氏が考案。今では世界各国で使われています。

⑦ バリアフリー対応の自動販売機がある

👉 一部の飲料自販機には、車いすの高さでもボタンが押しやすいよう、ボタンや取り出し口が低く設計されています。

⑧ カラーユニバーサルデザインも存在する

👉 色覚に個人差があることを考慮し、識別しやすい色の組み合わせや形状で補助する工夫がされています。

⑨ 「誰でもトイレ」は名称変更が進んでいる

👉 誤解や差別を避けるため、「多機能トイレ」「みんなのトイレ」など、呼び方の見直しが行われています。

⑩ 通信機器もユニバーサルデザインの対象

👉 スマートフォンでは、音声読み上げ機能、拡大文字、ジェスチャー操作などが標準装備されており、多様な人が使えるよう工夫されています。

⑪ バリアフリーとユニバーサルデザインは法制度上も別概念

👉 バリアフリーは主に建築基準法などで規定されており、ユニバーサルデザインは民間主導の設計思想として広まっています。

⑫ 家庭にもバリアフリー化が進んでいる

👉 玄関に手すりを設置したり、段差をなくす住宅リフォームが増えています。高齢者だけでなく子どもにも安全です。

⑬ エレベーターのボタン配置もユニバーサルデザイン

👉 よく使われる階(例:1階、2階、屋上)を大きく表示する、または突起をつけるなどの工夫がされています。

⑭ バリアフリーは「部分的」、ユニバーサルデザインは「全体的」

👉 例えば入口だけスロープにするのがバリアフリー。最初から館内全体を誰でも移動しやすく設計するのがユニバーサルデザインです。

⑮ 「共用品」という概念もある

👉 ユニバーサルデザインと似ていますが、特に製品の分野で「誰もが同じものを使えるようにする」考え方です。共用品推進機構という団体も存在します。


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