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参政党と日本保守党の違い

参政党と日本保守党の違い

その理念・主張・構成・支持層を比較

2020年代に入り、日本の政治の中で急速に注目を集めている2つの新しい政治勢力が存在します。それが「参政党」と「日本保守党」です。両者ともに「保守系」とカテゴライズされがちですが、その背景や主張、支持者層には明確な違いがあります。

この記事では、参政党と日本保守党の違いについて、成り立ち、政治的立場、代表者の特徴、主張の内容、SNS戦略、支持層、選挙戦略など、多角的に比較しながら丁寧に解説していきます。


1.政党としての成り立ちと背景の違い

参政党:市民運動から生まれた“参加型”政党

参政党は2020年に設立された比較的新しい政治団体です。中心人物は元吹田市議であり、教育者でもある神谷宗幣氏です。彼は長年、地方議会での活動や教育活動を通じて、「市民の手で政治を変える」という信念を持ち続けてきました。

参政党は、既存政党への不信感を背景に「国民一人ひとりが政治に参加する」ことを目的とした市民参加型政党として発足しました。「学ぶ」「つながる」「参加する」の三本柱を掲げ、全国で講演会や勉強会を行うことを重視しています。

日本保守党:言論人が結集して作った“強硬保守”政党

一方の日本保守党は2023年に結成されました。代表を務めるのは作家の百田尚樹氏で、副代表はジャーナリストである有本香氏です。両氏は以前からネット上の保守言論界で影響力を持っており、その発信力を政治の場で生かす形で政党が誕生しました。

きっかけは、既存保守政党(自民党など)が「真の保守」の主張をしなくなったという危機感でした。ネット上の「保守論壇」の支持を集めつつ、明確なナショナリズムを前面に押し出しているのが特徴です。


2.主張と政策の違い

参政党の主張

参政党の政策の柱は「教育」「食と健康」「経済の自立」の3つです。具体的には以下のような特徴があります。

  • マスク着用・ワクチン接種への懐疑的姿勢
  • 教育勅語や伝統教育を重視した教育改革
  • 地産地消や有機農業など食の安全を訴える
  • ディープステート(DS)など陰謀論に通じる表現を用いることも

教育や健康を中心に据えた草の根的な主張が多く、「目覚めた人」が政治に参加することを重視しています。

日本保守党の主張

一方で日本保守党は、次のような明快で攻撃的な保守路線を採っています。

  • 憲法改正(特に9条の見直し)
  • 移民政策への強い反対
  • LGBT理解増進法や夫婦別姓への反対
  • 靖国神社参拝や歴史認識の保守回帰
  • 自国中心主義・国益最優先の外交

百田尚樹氏の言論活動を反映した形で「言いたいことをはっきり言う政治」が基盤となっています。


3.代表者の性格とスタイルの違い

代表者 特徴・スタイル
神谷宗幣(参政党) 穏やかで理論的、スピリチュアル志向も強い。講演会を重視し草の根活動を展開。
百田尚樹(日本保守党) 怒りを込めたストレートな物言い。YouTubeなどでの強い言論が支持を集める。

神谷氏は「共感」と「気づき」を重視する思想的指導者である一方、百田氏は「怒り」や「正義感」を前面に押し出すスタイルで熱狂的支持を得ています。


4.ネット戦略とメディア露出の違い

参政党:YouTube講演・街頭演説中心の草の根スタイル

参政党は街頭演説を録画してYouTubeで拡散し、全国の支援者との“つながり”を作ってきました。また、定期的に開催する「参政党学校」やセミナーが特徴的で、まるでカルチャースクールのような側面を持っています。

また、多くの党員が「自らの目で学び、考える」という姿勢を共有しています。

日本保守党:SNSとYouTubeによる言論戦略が中心

日本保守党は、百田尚樹氏が主催する「百田尚樹チャンネル」や、X(旧Twitter)などSNSでの発信力を武器としています。特に「強い言葉で敵を批判する」というスタイルがネット上での拡散力を持ち、多くのフォロワーを引き寄せています。

また、他の政党やメディアに対しても強い批判を行うことが多く、攻撃的な保守層の受け皿となっています。


5.選挙戦略と実績の違い

項目 参政党 日本保守党
初の国政進出 2022年 参院選(比例で1議席獲得) まだ国政選挙に候補を出していない
地方選への関与 全国の地方議会選で候補者を擁立 地方レベルでの活動は現在は限定的
将来的な国政戦略 教育や食の分野からの“草の根変革”を志向 国政への速やかな進出、保守層の結集を目指す

参政党は小さな成功を積み重ねるタイプ、日本保守党は短期間で一気に影響力を強めようとするタイプといえるでしょう。


6.支持者層の違い

特徴 参政党 日本保守党
主な支持層 主婦層・スピリチュアル層・中高年女性 ネット保守層・40〜60代男性・YouTube視聴者
支持の動機 健康や教育に関する不安、国家の未来への危機感 反グローバリズム、既存政治・メディアへの強い不満
SNSでの拡散力 FacebookやLINEでの共有が多い X(旧Twitter)での話題性・拡散力が強い

参政党は人間関係や地域のつながりを重視するタイプの支持者が多く、日本保守党は“怒れる保守”の受け皿として機能している印象があります。


7.陰謀論との関係性

参政党は、ワクチンに関する政府やWHOの発表に懐疑的で、「目覚めよ日本人」といったメッセージを発信することがあります。ディープステート(DS)やグローバリズムの影響を強調する傾向があり、陰謀論的な世界観を共有する支持者も少なくありません。

一方で日本保守党は、百田尚樹氏自身が「陰謀論には与しない」という立場を表明しており、事実に基づく“リアルな危機”を訴えることを優先しています。ただし、結果的に言論が過激化しやすい傾向は否めません。


8.「保守」としての立ち位置の違い

両党とも「保守政党」を自称していますが、同じ保守の中でもベクトルが異なります。

  • 参政党:スピリチュアル志向も含む“新型の保守”
  • 日本保守党:伝統や国体を重視する“古典的保守”

教育や食・健康を重視する参政党は“生活の中の保守”を志向しており、一方で日本保守党は国防や憲法といった“国家の骨格”に関わる部分を重要視しています。


まとめ:

保守と一言で言っても、その中身は多様です。参政党と日本保守党は、どちらも「保守政党」であることに変わりはありませんが、そのアプローチ・思想・支持基盤はまったく異なります。

判断基準 おすすめ政党
教育・健康・生活に基づく変革を求める ✅ 参政党
憲法・防衛・移民問題など国家的課題に関心が強い ✅ 日本保守党
穏やかに共感しながら政治を学びたい ✅ 参政党
はっきりとものを言うリーダーを支持したい ✅ 日本保守党

 

どちらも既存の自民党とは異なる切り口を持った“新しい保守政党”であることは確かです。私たち有権者にとって大切なのは、それぞれの主張を冷静に見極め、自分自身の価値観と照らし合わせて判断することではないでしょうか。

 

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