2025年、テスラやスペースX、そしてX(旧Twitter)のCEOとして世界的に注目を集める実業家イーロン・マスク氏に対して、違法薬物の使用疑惑が浮上しました。アメリカの複数のメディアがこの件を報じ、世界中で大きな反響を呼んでいます。イーロン・マスク本人は麻薬疑惑を明確に否定していますが、報道内容や証言の数々により議論は広がりを見せています。
この問題は、マスク氏が世界のテクノロジー業界に与える影響力が非常に大きいため、単なるゴシップでは片付けられません。テスラの株価、スペースXの契約、そしてXの社会的役割すらも、このようなイーロン・マスクの麻薬疑惑により揺らぐ可能性があるのです。
イーロン・マスクの麻薬に関する疑惑が報じられるきっかけとなったのは、2024年のアメリカ大統領選挙の期間中。マスク氏はトランプ陣営と密接に関わっており、政策面やPR戦略の一端を担っていたとされています。そのさなか、マスク氏が頻繁にケタミン、マジックマッシュルーム、MDMA(エクスタシー)、アデロールなどの薬物を使用していたという内部告発が出されたのです。
この情報を取り上げたのは、『Vanity Fair』や『The Daily Beast』などの大手報道機関で、いずれも匿名の複数の証言者による情報提供や、関連写真を根拠としています。また、報道によれば、関係者の間ではマスク氏の精神状態について以前から懸念が出ていたともされています。
ある記事では、マスク氏が選挙イベントの前後で「明らかに様子が違っていた」と語る関係者のコメントが掲載されています。顔色の変化や口調の急変、極端に速い発言ペースなどがその兆候として挙げられ、薬物の使用と関連づける見方が増えてきました。
さらには、薬物の使用がマスク氏の公的な発言や行動、特に企業経営やSNSでの突飛な投稿に影響を与えているのではないかという分析も見られます。一部報道では、「企業の株価を揺るがす発言が薬物の影響下で行われたのでは」といった指摘もあります。
これに対してマスク氏は、自身のSNSアカウント(X)で「薬物を使用していない」と断言し、報道内容を全面的に否定しました。ただし、過去にうつ病治療のため医師から処方されたケタミンを使用した経験があることは認めています。
「少量のケタミンを医師の管理下で使用したことはあるが、今は使用していない」
また、マスク氏の広報チームも公式にコメントを発表し、「違法薬物の使用は一切ない」と明言。本人は健康であり、必要があれば薬物検査にも応じる用意があるとしています。しかし、実際に薬物検査が実施されたか、あるいは政府関係の役職に就いていた際に検査が行われたかどうかは明らかにされていません。
さらに、彼の医療履歴や精神的健康に関する情報は非公開であるため、疑惑を払拭するには限界があります。マスク氏は過去にも精神的ストレスや不眠症に悩まされていると公言しており、その治療法に薬物が関与していた可能性も取り沙汰されています。
マスク氏の薬物疑惑が注目された理由の一つが、トランプ氏とのホワイトハウス会談時に撮影された写真です。その写真には、マスク氏の目の周囲に痣のような影が映っており、「薬物の副作用ではないか」とSNS上で憶測が飛び交いました。
この件に関連して、一部メディアでは「眼窩周囲の痣はケタミンやその他の薬物を長期間使用した場合に生じることがある」とする専門家の意見も報じられています。実際の医学的根拠がどこまであるかは不明ですが、視覚的なインパクトは大きく、世論への影響は無視できません。
また、マスク氏が推進していた「DOGE(政府効率化省)」という組織でも、彼の不可解な発言や行動が指摘されていました。例えば、無理のあるコストカット策や、突如変わる方針、会議中に飛び出す突飛な提案などが関係者の証言として挙がっており、それらが薬物使用と関連しているのではという見方が広がっています。
さらには、「DOGEの内部では緊張感が常に漂っていた」「マスク氏の気分の上下が激しく、対応に苦慮した」という証言もあります。こうした行動は、精神的な不安定さや薬物の影響の可能性を連想させる要素として、注視されています。
報道が拡大する中、トランプ大統領はマスク氏の麻薬疑惑について質問を受けた際、「彼は素晴らしい人物だ」と述べるにとどまり、薬物使用については具体的なコメントを避けました。
一部では「トランプ氏は報道内容を知っていたが、関係性を壊さないためにあえて沈黙したのでは」との指摘も上がっています。実際、マスク氏はトランプ氏の再選戦略においてSNS活用や支持層への訴求という面で大きな役割を果たしており、簡単に切り捨てられない存在となっていたことが背景にあるとされています。
また、マスク氏の影響力は経済界にも及んでおり、共和党の主要ドナーたちの一部が彼の存在を「資産」と見なしているという情報も出ています。政治とビジネスが複雑に絡み合うアメリカにおいて、こうした関係性が疑惑の追及を鈍らせているとの批判も出ています。
マスク氏が経営するテスラ、スペースX、X(旧Twitter)はいずれも世界的に注目される企業です。今回の薬物疑惑の浮上によって、これらの企業の株主や取引先にも不安が広がっているとされます。
特にESG(環境・社会・ガバナンス)投資を重視する機関投資家からは、「倫理的なリスク管理の観点から問題視すべきではないか」との声が出ています。また、マスク氏の言動が今後の企業評価にどのように影響するか、証券取引委員会(SEC)が調査に乗り出す可能性も報じられています。
また、海外市場における信頼性にも影響を与える可能性があります。例えば、欧州やアジアの政府系ファンドや大手機関投資家がマスク氏の企業から距離を置くような動きが見られれば、それは企業価値に直接的なダメージとなるでしょう。
加えて、政府契約や防衛関連事業への影響も懸念されます。スペースXはNASAや国防総省との取引があり、経営者の信用が重要視される業界だけに、この疑惑が長引けば実務面にも支障をきたす恐れがあります。
現時点では、マスク氏が違法薬物を使用したという確固たる証拠は提示されていません。しかし、
といった観点から、今後の展開が注目されます。仮に証拠が明るみに出た場合、企業責任だけでなく、政治的信用、さらには個人の法的責任にまで波及する可能性もあります。
また、本人が率先して薬物検査を受け、その結果を公開することで疑惑の払拭につながるかもしれません。さらには、企業内の倫理監査や第三者による調査を導入することも、信頼回復への第一歩となるでしょう。
マスク氏の発言力と影響力は世界的規模であり、その一挙手一投足がメディアや市場に即座に影響を与える存在です。ゆえに、この疑惑の解明と今後の透明性の確保は、単なる個人の問題ではなく、国際的な関心事項とも言えるのです。