今回は、ニュースでたびたび耳にする「関税25%」という言葉について、わかりやすく解説していきます。特に、2025年7月にアメリカのトランプ大統領が日本製品への25%の関税を課すと発表し、大きな話題になっていますよね。
「関税25パーセントってどういう意味?」
「関税ってそもそも何?」
「25%ってどれくらいの影響なの?」
「どうして関税を上げるの?」
そんな疑問に答えながら、世界の貿易のしくみや経済への影響まで一緒に見ていきましょう!
まず「関税」とは、外国から入ってくる品物にかける税金のことです。英語では Tariff(タリフ) といいます。
たとえば、日本がアメリカから自動車を輸入するとき、日本政府がアメリカ製の自動車に税金をかける。それが関税です。逆に、日本の自動車をアメリカが輸入するとき、アメリカ政府が税金をかけるのも関税です。
関税には主に次の3つの目的があります。
✅ 自国の産業を守る
自国の企業や農家が、外国の安い製品に負けないようにするためです。例えば、安い外国産の農産物が大量に入ってくると、日本の農家が困ってしまいますよね。関税をかけることで、国内産の製品が売れやすくなるのです。
✅ 国の収入を増やす
関税は国にとって大切な収入源のひとつです。特に発展途上国では、関税収入が予算の大きな割合を占めています。
✅ 貿易交渉のカードにする
国と国が交渉をするとき、「うちも関税下げるから、そっちも下げてね」という交渉材料になります。
関税にも色々な種類があります。主なものを紹介しましょう。
輸入する商品の量(kg、ℓなど)に応じてかかる税金です。
例:
輸入する商品の価格に対して何%という形でかかる税金です。今回話題になっている「25%」はこれです。
例:
従量税と従価税を組み合わせたものです。
例:
では、今回のニュースでよく出てくる 「関税25パーセント」 とは具体的にどういうことか、例で考えてみましょう。
仮に、日本からアメリカへ輸出する自動車が1台200万円だとします。
つまり、関税25%になると、アメリカに入るときに製品価格の4分の1もの金額が税金として上乗せされるのです。これはかなり大きい数字ですね!
関税が高くなると、いろいろなところに影響が出ます。
アメリカの企業が日本の自動車を輸入する場合、関税分のコストが上がるため、アメリカの消費者が買うときの値段も高くなりがちです。
例:
もちろん、企業が負担する部分もありますが、最終的に消費者の負担になることも多いです。
値段が高くなれば、当然売れにくくなります。すると輸入の量が減り、日本の自動車メーカーなどは売り上げが落ちる可能性があります。
一方、アメリカ国内で自動車を作っている企業は「これで日本車との価格競争がやわらぐ」と喜ぶかもしれません。アメリカ製の車が相対的に安く見えるからです。
今回のニュースで、アメリカのトランプ大統領は次のように言っています。
「日本の関税や非関税障壁による貿易赤字から脱却する必要がある」
アメリカは日本から多くの製品を輸入していますが、逆にアメリカ製品を日本が買う量は少なめ。こうして輸出より輸入の金額が大きくなると「貿易赤字」と呼ばれます。
こうした思いから、日本製品への関税を高くして、日本がアメリカ製品をもっと買うように圧力をかけようとしているのです。
今回の交渉の大きなポイントは 自動車 です。
アメリカの自動車業界にとって、日本車は強敵。トランプ政権は、日本車がアメリカ市場を圧迫していると考えているため、自動車に25%の関税をかけたいのです。
関税は、国と国が交渉するうえで大きなカードです。
たとえば:
こうした交渉が日米間でも続いており、今回も自動車だけでなく
ニュースを見て「関税なんて関係ない」と思う人もいるかもしれませんが、実は私たちの生活にも影響があります。
もし関税25%が実施されれば、
輸入品が高くなると、最終的には商品価格に上乗せされるからです。
値段が高くなることで、輸入品が減り、選べる商品が減るかもしれません。たとえば、好きな外国車が手に入りにくくなるなどの影響も考えられます。
一方、企業にとっても大きな問題です。
関税は「自国を守る」という目的があっても、別の企業には負担になることも多いのです。
世界では「自由貿易」という考え方が主流です。これは国同士で貿易をスムーズにし、関税を減らすことで経済全体を豊かにしようというものです。
しかし近年は
国ごとに事情があり、一概に「関税は悪い」「自由貿易が正しい」とは言い切れないのが現実です。
今回は「関税25%とは?」について解説しました。まとめると:
ニュースで「関税」「25%」という言葉を見かけたら、ぜひ今回の内容を思い出してみてください。経済ニュースを理解する手がかりになるはずです!