2025年のメジャーリーグベースボール(MLB)シーズンが開幕し、今年も韓国人メジャーリーガーたちが北米の舞台で躍動しています。KBO(韓国プロ野球)での実績を引っさげてMLBに挑戦する選手たちは、年々その存在感を増しており、打撃・守備・走塁のすべてにおいて高いレベルでのパフォーマンスを発揮しています。
さらに、韓国にルーツを持つアメリカ国籍の選手たちも各球団の主力として活躍しており、「韓国人メジャーリーガー」として多様な背景を持つ選手たちの層が厚くなっています。本記事では、2025年5月5日現在の開幕時点で、メジャーリーグおよびマイナー契約を含むすべての韓国人メジャーリーガーを、最新情報に基づいて紹介します。移籍や降格、成績なども含め、信頼性の高い内容でお届けします。
2025年11月1日時点での韓国人メジャーリーガーおよび韓国系アメリカ人のメジャーリーグ選手、そしてマイナーリーグ所属の韓国人選手について解説します。各選手について、所属球団、現在のステータス(メジャー40人枠/アクティブロースターもしくはマイナー契約)、ポジション、生年月日、そして可能な範囲で2025年の成績を記載します。また、韓国系アメリカ人選手については出自(ルーツ)も明記しています。
2025年のポストシーズン終了時点で、MLBの40人ロースターに在籍していた韓国出身/韓国系米国人の主要選手は次のとおりです(所属は最終所属)。
| 選手名(生年月日) | 最終所属(国籍/出自) | ポジション | 2025年トピック/備考 |
|---|---|---|---|
| イ・ジョンフ(1998/08/20) | ジャイアンツ(韓国) | 中堅手 | フルでレギュラー復帰。最終打率.266、149安打、8本塁打、10盗塁。 |
| キム・ハソン(1995/10/17) | ブレーブス(韓国) | 遊撃/二塁 | 1月にレイズと2年契約→9/1にブレーブスがウエーバーで獲得。シーズン後に2026年のプレーヤーオプトアウト行使。 |
| キム・ヘソン(1999/01/27) | ドジャース(韓国) | 二塁/遊撃/中堅 | 5/3 MLBデビュー。一時IL(肩)を経て復帰し、ポストシーズンでもベンチ入り。 |
| トミー・エドマン*(1995/05/09) | ドジャース(韓国系米国人) | 内外野 | 右足首でIL出入りしつつ終盤に復帰。ユーティリティとして登録維持(オフに右足首手術予定)。 |
| ロブ・レフスナイダー*(1991/03/26) | レッドソックス(韓国系米国人) | 外野 | 対左プラトーン中心に出場。シーズン終了時点はBOS40人枠→オフにFA手続きへ。 |
| デイン・ダニング*(1994/12/20) | ブレーブス(韓国系米国人) | 先発/救援右腕 | シーズン途中にRangers→Bravesへ移籍し40人枠入り。MLBで20.2回、2セーブを記録。 |
| ジャメイ・ジョーンズ*(1997/08/04) | タイガース(韓国系米国人) | 外野手 | 母が韓国出身。2025年:129打数/.287・7本塁打・OPS .937。WBC韓国代表入りの意向を公言し、韓国側も候補として評価。 |
注: *は韓国系米国人(国籍は米国、韓国にルーツ)。
参考:上記はレギュラーシーズン終了〜ポストシーズン終了時点での最終所属・ロースターステータスを基準に整理しています(オフのFA宣言・オプトアウトは備考に明記)。
現在、韓国人メジャーリーガーは何人いるのかという点についてですが、2025年シーズン終了の段階で韓国出身の韓国人メジャーリーガーは3人、韓国系アメリカ人の選手を含めると7人でした。2025年4月4日の段階では韓国人MLB選手はリー・ジョンフただ1人でした。そのためその時点では韓国系アメリカ人の選手を含めても5人でした。
👉 合計:8人が2025年シーズン中にMLBの試合に出場しました。
あわせて、シーズン終了時点(ポストシーズン終了直後)の40人ロースター在籍ベースでは、
→ 計7人が40人枠在籍(※オフのFAやオプトアウト、トレードによる変動は別途注記)。
現時点でマイナー契約となっているか、メジャー40人枠から外れている韓国人選手および韓国系アメリカ人選手を以下にまとめます。これらの選手は開幕時点でメジャー昇格を逃したものの、各球団の傘下(主にAAAやAA)でプレーしています。また、一部は直近でメジャー出場経験があり降格した選手、あるいはMLB他球団を探しているフリーエージェントです。
| 選手名(生年月日) | 所属球団/組織(国籍/出自) | ポジション | 現在のステータスと備考 |
| 朴 孝俊(パク・ヒョジュン)Hoy Jun Park(1996年4月7日) | オークランド・アスレチックス傘下(韓国) | 内野手(ユーティリティ) | 2024年オフにOAKとマイナー契約。2024年春季キ
ャンプでは打率.488と活躍も開幕メジャー逃す。AAAラスベガスで開幕迎える。ニューヨーク・ヤンキースで2021年にMLBデビュー経験あり。 |
| 高 宇宿(コ・ウソク)Woo-suk Go(1998年8月6日) | マイアミ・マーリンズ傘下(韓国) | 投手(右投リリーフ) | 2024年1月にSDと2年契約で渡米、5月にマイアミへトレード移籍。2025年春は招待選手としてマーリンズキャンプ参加も指の骨折で離脱しAAA送り。2024年はAA28試合8.04ERA、AAA16試合4.29ERA。KBO通算139セーブの抑え投手。 |
| 崔 現一(チェ・ヒョンイル)Hyun-il Choi(2000年5月27日) | ワシントン・ナショナルズ傘下(韓国) | 投手(右投先発) | 元ドジャース傘下の若手投手。2024年マイナーRule5ドラフトでWSHが指名し移籍。同年AAAで14先発を含む15登板、4勝6敗・防御率4.28。開幕はAAAロチェスター所属。韓国の高校から直接米国入りした異色の経歴。 |
| ジャン・ヒョンソクHyun-seok Jang(2004年3月4日) | ロサンゼルス・ドジャース傘下(韓国) | 投手(右投) | 20歳。2023年8月にドジャースが契約金約90万ドルで獲得した有望株。最速155km超の速球と多彩な変化球が武器。2024年はルーキー級デビュー。2025年春は将来有望なプロスペクトとしてキャンプ参加。現在はA+級あたりで育成中と見られる。 |
| ウォンビン・チョWon-Bin Cho(2003年8月8日) | セントルイス・カージナルス傘下(韓国) | 外野手 | 2022年1月にSTLがアマチュアFAで獲得した期待の若手外野手。左打ち。2024年はA級ピオリアでプレー。ケガもあり出場は限定的だったが、高い潜在能力を評価されている。 |
| ノア・ソンNoah Song(1997年5月28日) | ボストン・レッドソックス傘下(韓国系米国人) | 投手(右投) | 父親が韓国系の米国人。海軍勤務を経て2023年にフィリーズからRule5指名も故障で登板なく、2024年2月にレッドソックス復帰。現在はボストン傘下(おそらく2Aポートランド)でリハビリ中。 |
| アリカ・ウィリアムズAlika Williams(1999年3月12日) | ピッツバーグ・パイレーツ傘下(韓国系米国人) | 内野手(遊撃手) | 母親が韓国出身の米国人選手。2023年にTBからPIT移籍しメジャーデビュー。堅実な守備が持ち味。2025年春にDFAされ40人枠を外れるもAAAに残留。 |
| J.J.ウェザーホルトJJ Wetherholt(2002年11月20日) | セントルイス・カージナルス傘下(韓国系米国人) | 内野手(二塁手) | 韓国人の祖母を持つ新人選手。2024年ドラフト1巡目(全体8位)でSTL入団。左打ち巧打者として注目。2025年はマイナー(A級~AA級)でプロ初シーズンを迎える。 |
| 崔 志萬(チェ・ジマン)Ji-Man Choi(1991年5月19日) | フリーエージェント(韓国) | 内野手(一塁手/DH) | MLB通算52本塁打のベテラン打者。2024年はメッツとマイナー契約も開幕メジャー逃し、3Aで打率.191と低迷し5月末に自主契約。現在所属先を探しており、韓国KBO復帰の可能性も報じられる。 |
| 柳 賢振(リュ・ヒョンジン)Hyun-Jin Ryu(1987年3月25日) | フリーエージェント(韓国) | 投手(左投先発) | 韓国が誇る元MLBオールスター投手。2023年にトミージョン手術から復帰しTORで11先発、3勝3敗・防3.46。契約満了でFAとなり、2024-25オフは古巣KBOハンファからのオファーも検討。2025年開幕時点でMLB復帰かKBO復帰か去就注目。 |
注:上記リストには、2025年11月時点でMLBの組織に属する韓国人選手および主要な韓国系選手を網羅しています(メジャー経験のないマイナー下位リーグの選手も含みました)。韓国出身の元MLB選手で現在KBOリーグに復帰している選手(例:金廣鉉など)は除外しています。また、韓国系でも現時点で他スポーツを優先している選手(例:カイラー・マレー〈NFL所属〉)は含めていません。
各選手の所属や成績は今後も移籍や昇格により変動する可能性があり、最新動向に注意が必要です。
2025年シーズン終了時点(2025年10月)
打者成績(主要選手)
| 名前 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| イ・ジョンフ | 560 | 149 | 8 | 55 | 10 | .266 |
| キム・ハソン | 171 | 40 | 5 | 17 | 6 | .234 |
| キム・ヘソン | 161 | 45 | 3 | 17 | 13 | .280 |
| トミー・エドマン* | 346 | 78 | 13 | 49 | 3 | .225 |
| ロブ・レフスナイダー* | 182 | 49 | 9 | 30 | 3 | .269 |
| ベ・ジファン | 20 | 1 | 0 | 0 | 4 | .050 |
| ジャメイ・ジョーンズ* | 129 | 37 | 7 | 23 | 2 | .287 |
投手
注: は韓国系米国人(韓国にルーツを持つ米国籍の選手)です。

これらの選手たちは、2024年のMLBシーズンにおいて韓国の野球を世界に示す顔となっています。彼らの活躍は、韓国野球のレベルの高さを証明するとともに、世界中の野球ファンに感動とインスピレーションを与えています。
韓国人で初のメジャーリーガーは朴賛浩(パク・チャンホ)です。彼は1994年にロサンゼルス・ドジャースでメジャーリーグデビューを果たしました。朴賛浩は特に1990年代後半から2000年代初頭にかけて活躍し、韓国出身の野球選手としては非常に成功したキャリアを築きました。彼の成功はその後の多くの韓国人選手に影響を与え、メジャーリーグでの道を切り開くきっかけとなりました。
朴賛浩選手がメジャーリーグにデビューしたのは1994年ですので、野茂英雄選手よりも少し早く、1995年にロサンゼルス・ドジャースでメジャーリーグデビューを果たしています。そのため、野茂選手の方がメジャーリーグでプレーしたのは後になります。
**朴賛浩(パク・チャンホ, Chan Ho Park)**は、1994年にロサンゼルス・ドジャースでデビューし、韓国人初のMLB選手となった。彼はアジア人投手としてもMLBで成功を収め、124勝を挙げている(アジア人投手のMLB最多勝記録)。
**金炳賢(キム・ビョンヒョン, Byung-Hyun Kim)**は、2001年のアリゾナ・ダイヤモンドバックスでワールドシリーズ優勝を経験し、韓国人初のワールドシリーズリング獲得選手となった。ただし、ワールドシリーズではヤンキース相手に2試合連続でサヨナラ本塁打を打たれるという厳しい経験もしている。
2002年にボストン・レッドソックスでデビューした徐在応(ソ・ジェウン, Jae Weong Seo)が最初の野手と思われがちだが、実際に韓国人打者として最初にMLBで打席に立ったのは李鍾範(イ・ジョンボム, Jong Beom Lee)。彼は1998年のスプリングトレーニング中にアナハイム・エンゼルス(当時)で出場し、公式戦には出なかったが、事実上「MLBで打席に立った最初の韓国人」となった。ちなみにイ・ジョンボムは「韓国のイチロー」とも呼ばれた選手。
2004年にシアトル・マリナーズでデビューした**白嗟承(ペク・チャスン, Cha Seung Baek)**は、MLBで投手として活躍したが、彼は韓国で高校時代、二刀流の選手だった。打撃能力も高く、MLBで本塁打を記録したこともある。
秋信守(チュ・シンス, Shin-Soo Choo)は、2018年に韓国人選手として初めてMLBオールスターに選出された。彼は通算218本塁打を放ち、韓国人最多本塁打記録を保持している。
秋信守(チュ・シンス)は、MLBで2回のサイクルヒットを達成。これはアジア人選手としては最多記録。2015年にテキサス・レンジャーズで達成した際は、韓国でも大きな話題になった。
韓国のプロ野球(KBO)ではバットフリップ(バット投げ)が文化として定着しているが、MLBでは不文律として「相手投手への挑発」と見なされることがある。そのため、多くの韓国人選手がMLB移籍後に「バットフリップを控えるように指導を受けた」と語っている。
KBOで活躍した後、再びMLBで成功した例として**金河成(キム・ハソン, Ha-Seong Kim)**が挙げられる。彼はサンディエゴ・パドレスで2023年にゴールドグラブ賞を受賞し、守備の名手として高く評価されている。