クレジットカード決済代行会社「全東信」が破産手続きに入ったことで、加盟店や飲食店の間に大きな不安が広がっています。特に気になるのが、「これまで使っていた全東信の決済端末はまだ使えるのか」「カード決済を続けても大丈夫なのか」「店舗は今すぐ何をすべきなのか」という点です。
結論から言うと、全東信の決済代行サービスは中止されており、全東信のクレジット端末機は今後使用できないと考えるべきです。仮に端末が物理的に起動したとしても、通常通り決済・入金されるとは限りません。
そのため、全東信の端末を利用していた店舗は、すぐに利用を停止し、未入金の売上確認、代替決済手段の確保、顧客への案内、資金繰りの見直しを進める必要があります。
この記事では、全東信の決済端末が使えるのか、店舗側にどのような影響があるのか、そして今すぐ行うべき対応をわかりやすく整理します。
全東信の破産手続き開始により、同社が提供していたクレジットカード決済代行サービスおよび付帯サービスは中止されています。
そのため、全東信の端末を使ってカード決済を受け付けることは避けるべきです。端末の電源が入る、画面が表示される、カードを読み取るように見える、といった状態であっても、それだけで決済サービスが正常に継続しているとは判断できません。
カード決済は、端末が動くだけで完了するものではありません。端末、決済ネットワーク、決済代行会社、カード会社、入金処理がつながって初めて成立します。全東信のサービスが停止している以上、店舗側は「端末が動くから使える」と判断しない方が安全です。
店舗としては、全東信の端末による新規のカード決済受付を停止し、別の決済手段に切り替える必要があります。

一部の店舗では、全東信の端末がまだ起動する可能性があります。しかし、端末が起動することと、決済が正しく処理されることは別問題です。
仮にカード決済が通ったように見えたとしても、後から売上データの処理ができない、入金されない、取り消しや返金処理が複雑になる、といったトラブルにつながるおそれがあります。
特に問題になるのは、お客様との間では「支払いが終わった」と見えているのに、店舗側では売上金を受け取れない可能性がある点です。
このような状態になると、店舗側だけでなく、利用者側にも混乱が生じます。二重請求、決済取り消し、返金対応、別決済への切り替えなど、後処理が複雑になる可能性があります。
そのため、全東信の端末については「使えるかどうか試してみる」のではなく、「使用を止める」という判断が必要です。
全東信を利用していた可能性がある店舗は、まず次の点を確認してください。
特に大切なのは、未入金の売上を把握することです。カード売上が発生していても、全東信からまだ入金されていないものがある場合、その金額が店舗の資金繰りに大きく影響する可能性があります。
売上伝票、決済明細、管理画面のデータ、入金明細、銀行口座の履歴などを確認し、未入金額をできるだけ正確に集計しておきましょう。
全東信を通じたカード売上のうち、まだ店舗に入金されていないものについては、通常通りの期日に入金されない可能性があります。
破産手続きに入った場合、未払いの売上金は、一般的には破産手続きの中で債権として扱われることになります。つまり、これまでのように「何月何日に入金される」という通常の取引とは異なり、破産管財人の管理のもとで整理されることになります。
ここで重要なのは、「必ず全額戻る」とも「絶対に戻らない」とも簡単には言い切れないことです。回収できるかどうか、どの程度戻るか、いつ支払われるかは、破産手続きの進行や財産状況によって変わります。
店舗としては、まず未入金額を正確に確認し、必要書類を保存しておくことが大切です。契約書、売上明細、伝票、入金予定表、全東信とのやり取り、メール、通知文などは削除せずに保管しておきましょう。
全東信の端末が使えない場合でも、店舗がクレジットカード決済を続ける方法はあります。別の決済代行会社やカード決済サービスと新たに契約し、端末やアプリを導入する形です。
代表的な選択肢としては、店舗向けのカード決済サービス、POSレジ連携型の決済サービス、QRコード決済、電子マネー対応サービスなどがあります。
ただし、新しい決済サービスは、申し込めばすぐに使えるとは限りません。審査、本人確認、店舗確認、端末発送、初期設定などに時間がかかる場合があります。
そのため、店舗はできるだけ早く代替サービスの申し込みを進める必要があります。特にカード決済比率が高い店舗では、数日間カード決済が止まるだけでも売上に影響する可能性があります。
新しいカード決済サービスが使えるようになるまでの間、店舗は一時的な代替手段を用意する必要があります。
現実的な対応としては、次のような方法があります。
飲食店や対面サービスの場合は、現金とQRコード決済の併用が現実的です。法人向けサービスや高額取引の場合は、銀行振込や請求書払いも選択肢になります。
大切なのは、来店したお客様が会計時に困らないよう、店頭や予約ページ、SNS、Googleビジネスプロフィールなどで早めに案内することです。
カード決済が一時的に利用できない場合、店頭にはわかりやすい案内を出しておくと混乱を防げます。
たとえば、次のような文面です。
現在、決済代行会社のサービス停止に伴い、当店では一時的にクレジットカード決済をご利用いただけません。お支払いは現金または対応可能なQRコード決済にてお願いいたします。ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承ください。
ポイントは、特定の会社名を大きく出して不安をあおるよりも、「一時的にカード決済が使えない」「利用できる支払い方法は何か」を明確に伝えることです。
また、スタッフ間でも説明内容を統一しておきましょう。スタッフによって説明が違うと、お客様の不信感につながります。
すでに全東信の端末でカード決済を受け付けたものの、店舗側に入金されるか不明な場合、「お客様にもう一度支払ってもらってよいのか」と悩むケースもあるかもしれません。
この点は慎重に考える必要があります。お客様のカード明細上で決済が成立している場合、店舗側の事情だけで二重に請求すると、トラブルになる可能性があります。
まずは、その取引がカード会社側でどのように処理されているのか、取消や返金が可能なのか、全東信側・カード会社側・新しい決済会社側のどこに確認すべきかを整理する必要があります。
高額取引や多数の顧客に関わる場合は、独断で再請求するのではなく、専門家に相談した方が安全です。
飲食店、宿泊業、サービス業、物販店などでは、予約キャンセル、返品、返金、売上取消が発生することがあります。
全東信の端末や管理画面が使えなくなると、これまで通りの返金・取消処理ができない可能性があります。
この場合、店舗は次の点を確認しておく必要があります。
返金対応は、店舗の信用に直結します。処理が遅れる場合でも、顧客には状況を丁寧に説明し、記録を残して対応することが重要です。
全東信のサービスを利用していた店舗にとって、もっとも深刻なのは資金繰りです。
カード売上の入金を前提に、仕入れ、人件費、家賃、光熱費、リース料、借入返済などを予定していた店舗では、入金遅れがすぐに経営に響く可能性があります。
そのため、今後1〜2か月の資金繰り表を作り直すことが大切です。
確認すべき項目は次の通りです。
資金が不足する可能性がある場合は、早めに金融機関、税理士、弁護士、商工会議所などに相談した方がよいでしょう。支払いが迫ってから動くよりも、早い段階で相談する方が選択肢が多くなります。
新しい決済サービスを選ぶ際には、単に「すぐ使えるか」だけでなく、次の点を確認することが重要です。
特に、今回の問題で資金繰りに不安を感じた店舗は、入金サイクルを重視すべきです。月1回入金なのか、週1回入金なのか、翌日入金に対応しているのかで、資金繰りは大きく変わります。
また、飲食店の場合は、レジや予約システムとの連携も重要です。端末だけを急いで導入した結果、会計処理や売上管理が複雑になることもあります。
全東信の破産を受けて、「やはり現金だけの方が安全なのでは」と感じる店舗もあるかもしれません。
確かに、現金払いであればその場で売上が手元に入るため、入金遅れの問題はありません。資金繰りの面では、現金決済には大きなメリットがあります。
しかし、現在はクレジットカードやQRコード決済を前提に来店するお客様も多く、完全に現金のみへ戻すと、売上機会を逃す可能性があります。
特に観光地、繁華街、外国人客が多い店舗、高額商品を扱う店舗では、カード決済が使えないことが大きなマイナスになる場合があります。
そのため、現金の重要性を見直しつつも、信頼できる決済サービスに切り替えてキャッシュレス対応を続けるのが現実的です。
今回の件は、全東信の加盟店だけの問題に見えるかもしれません。しかし、他社の決済サービスを利用している店舗にとっても、重要な教訓があります。
店舗は、自分がどの決済代行会社と契約しているのか、入金サイクルはどうなっているのか、売上金はどの会社を経由して入金されているのかを確認しておくべきです。
普段は端末を使っているだけで、裏側の契約関係を意識していない店舗も少なくありません。しかし、決済代行会社は店舗の売上金を扱う重要な取引先です。
今後は、手数料の安さや入金の早さだけでなく、会社の信用力、サポート体制、契約内容、トラブル時の対応も確認することが大切です。
混乱時には、焦って誤った対応をしてしまうことがあります。全東信の件で店舗が避けるべき対応は次の通りです。
特に、顧客への再請求や返金対応は慎重に行う必要があります。売上金が入らないからといって、すでにカード決済したお客様へ安易に再支払いを求めると、二重請求トラブルになる可能性があります。
全東信の端末を利用していた店舗は、次の順番で対応するとよいでしょう。
この中でも、最初に行うべきなのは「端末の使用停止」と「未入金額の確認」です。カード決済の再開は大切ですが、それ以上に、現在どれだけの売上金が未回収なのかを把握することが重要です。
全東信の破産により、同社の決済代行サービスは停止され、全東信のクレジット端末機は今後使えないと考えるべきです。
端末が起動したとしても、決済が正常に処理される保証はありません。店舗側は、新規のカード決済受付を停止し、現金やQRコード決済などの代替手段を案内する必要があります。
また、すでに発生しているカード売上のうち、未入金分がある場合は、通常通りの期日に入金されない可能性があります。未入金額を集計し、関連資料を保存し、必要に応じて専門家に相談することが大切です。
今回の問題は、キャッシュレス決済の便利さの裏側にある「決済代行会社への依存」と「入金サイクルのリスク」を浮き彫りにしました。
店舗にとって重要なのは、慌てて噂に振り回されることではなく、事実を確認し、端末を止め、未入金を把握し、新しい決済手段へ切り替えることです。
利用者側も、一部店舗で一時的にカード決済が使えない場面が出るかもしれません。個人店や飲食店を利用する際には、しばらく現金や別の決済手段を用意しておくと安心です。