アントワープ王立芸術アカデミー出身の日本人
本記事は、現時点で確認可能な情報を最大限に集約した、 **「アントワープ王立芸術アカデミー(Royal Academy of Fine Arts Antwerp)に関係した日本人の完全リスト」**です。
一般的に語られる「卒業生リスト」や「有名デザイナー一覧」とは異なり、本記事では人数をできるだけ多く含めることを重視し、公開情報・業界慣行・在籍実態を横断的に整理しています。そのため、単なる知名度順やブランド単位の紹介ではなく、「どこまで含めれば“完全”と言えるのか」という定義そのものを明示したうえで構成しています。
ここで言う「完全」とは、以下をすべて含むことを意味します。
- 正式な学士卒業・修士修了が確認されている日本人
- 長期在籍・課程修了・最終課題提出歴が確認されている日本人
- 業界・本人発言・関係者証言などから 「アントワープ王立芸術アカデミー出身」として実務的に認識されている人物
- 個人名が非公開、または公表されていないものの、 在籍・修了の存在が確認されている日本人学生
一方で、短期ワークショップ参加者、数週間〜数か月のみの語学留学、または 別校(Sint-Lucas、La Cambre など)との混同については、 網羅性を損なう要因と判断し、明確に除外しています。
重要な前提
アントワープ王立芸術アカデミーは、1663年創立という長い歴史を持つ一方で、 国籍別卒業生名簿、年度別在籍者リスト、修了者一覧などを 公式には一切公開していません。
とりわけファッション科では、
- 学生本人の意向を尊重する文化
- 卒業後すぐに海外で活動するケースの多さ
- ブランド名義のみでキャリアを構築する慣行
といった事情から、学歴が意図的に前面に出されないことも少なくありません。
日本人学生の場合も、
- 海外拠点での活動
- 匿名名義・ブランド名のみでの発表
- 帰国後に学歴を積極的に公表しない姿勢
といった傾向が顕著です。 そのため、「名前が出ていない=存在しない」ではありません。
こうした現実を踏まえずに「確認できる実名のみ」を並べてしまうと、 実態から大きく乖離したリストになってしまいます。 そこで本記事では、「確認可能な限界点」まで含める網羅主義を採用しています。
区分①|卒業・修士修了が確認できる日本人
ここでは、学士課程卒業・修士課程修了、あるいは首席卒業など、 履修・修了の事実が複数の情報源から確認できる人物を掲載しています。
坂部三樹郎(さかべ・みきお)|MIKIO SAKABE
- 分野:ファッションデザイン
- 課程:ファッション科 マスターコース
- 状態:2006年 首席卒業
- 補足:LVMH Prize セミファイナリストに選出されるなど、アントワープ出身日本人デザイナーの代表的存在として国際的に高く評価されています。
堀内太郎(ほりうち・たろう)|TARO HIRAUCHI
- 分野:ファッションデザイン
- 課程:ファッション科
- 状態:2007年 首席卒業
- 補足:2008年に自身のブランドを立ち上げ、2012年には毎日ファッション大賞新人賞を受賞しています。
福薗英貴(ふくぞの・ひでき)|WEWELL
- 分野:ファッションデザイン
- 課程:ファッション科
- 状態:2002年 卒業
- 補足:TAKEO KIKUCHIのディレクターを務めた後、自身のブランドを設立し、思想性と実用性の両立で評価を得ています。
瀬尾英樹(せお・ひでき)
- 分野:ファッションデザイン
- 課程:ファッション科
- 状態:首席卒業
- 補足:卒業後はアズディン・アライアのもとで経験を積み、国際的なキャリアを築きました。
中里唯馬(なかざと・ゆいま)|YUIMA NAKAZATO
- 分野:ファッションデザイン/オートクチュール
- 課程:ファッション科
- 状態:卒業
- 補足:卒業コレクションが高く評価され、アン・ドゥムルメステールから賞を授与されました。その後、パリ・オートクチュールで活躍しています。
橋本祐樹(はしもと・ゆうき)|YUKI HASHIMOTO
- 分野:ファッションデザイン
- 課程:学士課程修了+修士課程修了
- 状態:2011年進学/修了
- 補足:ラフ・シモンズやマルジェラ系ブランドで経験を積んだ後、2018年に自身のブランドを立ち上げ、東京コレクションでも高い評価を受けています。
区分②|修了・長期在籍・最終課題提出が確認されている日本人
本区分には、卒業表記こそ明確ではないものの、 課程修了、最終コレクション提出、複数年在籍などが確認され、 教育内容を実質的に修了したと判断できる人物を含めています。
村上亮太(むらかみ・りょうた)
- 分野:ファッションデザイン
- 状態:課程修了/長期在籍
- 補足:素材実験や構造研究を重視した制作で知られ、業界内ではアントワープ出身デザイナーとして認識されています。
吉田拓巳(よしだ・たくみ)
- 分野:ファッション/アート横断
- 状態:在籍・修了歴が確認されています
- 補足:ファッションと現代美術の境界領域を横断する作風が特徴です。
鈴木健太(すずき・けんた)
- 分野:テキスタイル/素材研究
- 状態:修了
- 補足:素材研究を軸に、衣装・舞台・空間演出など多分野で活動しています。
中村圭佑(なかむら・けいすけ)
- 分野:ファインアート/ビジュアルアート
- 状態:修了
- 補足:写真やインスタレーションを中心に、欧州での展示実績を重ねています。
区分③|在籍・留学・課程履修が確認されている日本人学生(匿名層)

2010年代
- 毎年1〜2名程度の日本人学生が在籍していたことが、 教員・卒業生ネットワークから確認されています
- ファッション科への集中が顕著です
2020年代
- ファッション科を中心に、 日本人学生の継続的な在籍が確認されています
- プライバシーや活動方針により、 名前非公開のケースが多数存在します
QUI掲載|アントワープ王立芸術アカデミー出身・関連ブランド詳説
ここでは、ファッションメディア「QUI」などで紹介されてきた、 アントワープ王立芸術アカデミー出身、または同校での学修経験を背景に持つ日本人デザイナーズブランドについて、 ブランドごとに背景・思想・位置づけを詳しく整理しています。
AKIRA NAKA(アキラ ナカ)
アントワープ在学中から国際的な評価を受け、 帰国後に本格的なブランド展開を行っています。 立体裁断やテキスタイルを重視した表現は、 アントワープ的思想を日本市場に適応させた代表例と言えます。
kudos(クードス)
中退という経歴ではありますが、 アントワープ的な思考方法を実質的に修得した重要な事例です。 違和感や構造のズレを肯定する姿勢が、ブランドの個性となっています。
TELMA(テルマ)
素材研究や伝統技術への関心を軸に、 静かな思想性を持つ服作りを行っています。
TSTS(ティーエスティーエス)
- デザイナー:佐々木拓也/井指友里恵
- 設立:2023年
実験性と日常性を併せ持つ表現は、 アントワープ的思考が次世代的に更新された例と言えます。
分野別まとめ

- ファッションデザイン:圧倒的多数
- テキスタイル/素材研究:少数
- ファインアート/写真:少数
年代別傾向
- 1990年代:日本人在籍の明確な記録は確認されていません
- 2000年代:初期の日本人卒業・修了者が登場します
- 2010年代:在籍者が増加し、匿名・非公開ケースが多くなります
- 2020年代:継続的に日本人学生が存在しています
まとめ
アントワープ王立芸術アカデミー出身の日本人は、 人数自体は決して多くありませんが、
- 強い思想性と批評性
- 商業主義から距離を取る姿勢
- 国際的な活動拠点とネットワーク
といった共通点を持ち、日本のファッション・アート界に 独自の影響を与え続けています。
本記事は、 2026年時点で到達可能な最大限の網羅リストとして、 今後新たな日本人卒業生・在籍者が判明し次第、 随時更新されることを前提とした 「生きた完全リスト」です。