モバイルバッテリーやワイヤレスイヤホン、ハンディ扇風機、電熱ベストなど、身の回りの多くの製品にはリチウムイオン蓄電池が使われています。便利な反面、粗悪品や不適切な使用、経年劣化などが重なると発熱・発火につながり、火災やけがの原因になることがあります。
こうした事故が相次ぐ中、経済産業省は、製品安全4法(消費生活用製品安全法/ガス事業法/電気用品安全法/液化石油ガス法)の執行に関する事実確認を進める際、電話やメールで3回以上連絡しても回答が得られない事業者を「連絡不通事業者」として公表しています。
この記事では、(令和7年=2025年12月19日現在の)36社を一覧で掲載しつつ、消費者ができる安全対策や、購入前・購入後のチェックポイントをまとめます。
※このリストに載っていることは「その会社が必ず違法・危険」と断定するものではありませんが、行政が連絡できない状態であること自体が、回収・注意喚起・原因究明などの観点から大きなリスクになります。
形式:No/管轄機関/事業者名
| No | 管轄機関 | 事業者名 |
|---|---|---|
| 1 | 関東 | 株式会社イチノ |
| 2 | 関東 | 合同会社R9 |
| 3 | 関東 | ワールドリンク株式会社 |
| 4 | 関東 | 株式会社アールアップ |
| 5 | 関東 | 合同会社デジットスリー |
| 6 | 関東 | 日本山東物産株式会社 |
| 7 | 関東 | SQグローバル株式会社 |
| 8 | 関東 | 開誠国際株式会社 |
| 9 | 関東 | 株式会社技研 |
| 10 | 関東 | 合同会社shimizu |
| 11 | 関東 | 株式会社味福 |
| 12 | 関東 | 合同会社miyashita |
| 13 | 関東 | 株式会社SKD |
| 14 | 関東 | 株式会社Ra |
| 15 | 関東 | 株式会社エヌイーティー |
| 16 | 関東 | Miright合同会社 |
| 17 | 中部 | 和合芯合同会社 |
| 18 | 関東 | 合同会社hatano |
| 19 | 関東 | 合同会社バークリーズ |
| 20 | 関東 | COLXUS合同会社 |
| 21 | 関東 | 合同会社LIM |
| 22 | 関東 | 株式会社日本ミライワールド |
| 23 | 関東 | 誠実合同会社 |
| 24 | 関東 | REP Japan合同会社 |
| 25 | 九州 | 株式会社ビーネット |
| 26 | 関東 | ユニトリプル株式会社 |
| 27 | 関東 | 昊輝合同会社 |
| 28 | 関東 | 雲集商事株式会社 |
| 29 | 関東 | 創業館合同会社 |
| 30 | 関東 | WEIYE株式会社 |
| 31 | 関東 | 株式会社ICCホールディングス |
| 32 | 関東 | KEN株式会社 |
| 33 | 関東 | サンディクスジャパン株式会社 |
| 34 | 中部 | ハピネス合同会社 |
| 35 | 近畿 | 秀維繊維株式会社 |
| 36 | 関東 | 藤井商事合同会社 |

リチウムイオン電池は、内部で化学反応が暴走すると**熱暴走(thermal runaway)**が起き、短時間で炎が上がることがあります。
特に、出品者情報が薄い商品は、事故時の連絡や回収に結びつきにくいため注意が必要です。
※「膨張しているけど使える」は危険です。膨張は内部劣化・ガス発生のサインで、発火リスクが上がります。
今回、経済産業省が公表した「連絡不通事業者」36社について、具体的な商品名やブランド名は公表されていません。これは情報が欠けているというよりも、現在のモバイルバッテリー流通の構造そのものを反映した結果と言えます。
その結果、
「会社名=ブランド名」にならない
という状況が生まれ、消費者側から見ると **『どのブランドが危険なのか分からない』**状態になっています。
これらは、事故や行政対応の際に追跡されにくい販売形態であり、 今回の「連絡不通事業者」問題と強く結びついています。
今回の公表で分かる最も重要な点は、
「ブランド名が分からない商品」そのものが、 すでに高リスクである
という事実です。
今後は、
といった点を、価格以上に重視することが事故防止につながります。
A. 危険と断定はできません。ただし、行政が事実確認をする上で連絡が取れない状態は重大です。事故時の回収や情報提供が期待できないため、購入や使用は慎重に判断するのが安全です。
A. 価格だけで一概には言えませんが、極端に安い商品ほど「セル品質・保護回路・検品」の面で不安が増えます。販売元の情報、表示の整合性、保証や問い合わせ窓口の有無などを総合的に確認すると安心です。
A. **絶対にやめてください。**内部がショートし、発火する危険があります。使用を止めて回収ルートへ。
モバイルバッテリーは生活必需品になりました。だからこそ、**「安さ」だけで選ばず、出品者の信頼性と安全性をセットで見る」**ことが、いちばん効く事故予防です。