ニュースで「利上げ(りあげ)」という言葉を聞くことがあります。むずかしそうに見えますが、やっていることはとてもシンプルです。利上げとは、世の中の「お金を借りるときの値段(=金利)」を上げることです。
この記事では、「金利って何?」「どうして利上げをするの?」「私たちの生活にどう関係するの?」を、できるだけやさしく説明します。
たとえば、だれかに100円を借りたとします。
この「上乗せして返す分」が金利です。
お金を貸した人は、その間お金を使えません。だから、
という意味で、少し多めに返すしくみが金利です。
利上げとは、世の中の金利を上げることです。
「借りるのが少し大変になる」方向の変化、と覚えるとわかりやすいです。
日本では、主に**日本銀行(にっぽんぎんこう)**というところが、 世の中の金利(特に短い期間の金利)に強い影響をあたえます。
日本銀行は、
を見ながら、「金利をどうするか」を考えます。
※ここでいう金利は、私たちが銀行で借りたり預けたりするときの金利にも、少しずつつながっています。
理由はいくつかありますが、子供向けに大事なポイントは次の3つです。
物の値段がどんどん上がると、同じおこづかいでも買えるものが減ります。
こういう状態が続くと、生活が大変になります。
利上げをすると、
ので、物の値段が上がりすぎるのをおさえるねらいがあります。
みんながどんどんお金を借りて、どんどん買い物をすると、世の中が「熱い」状態になります。
利上げは、この熱さを少し冷ます「ブレーキ」の役割をします。
金利が低すぎると、借りるのがとても簡単になり、
ことがあります。
利上げは、世の中のお金の流れを、ちょうどよくするために行われることもあります。
利上げの影響は、すぐに全部が変わるわけではありません。ゆっくり広がっていくことが多いです。
ここでは、身近な例で説明します。
家を買うとき、たくさんのお金を銀行から借りることがあります。それが住宅ローンです。
利上げで金利が上がると、
つまり、同じ家でも、借りるときの負担が大きくなることがあります。
会社も、工場を作ったり新しい機械を買ったりするときに、お金を借りることがあります。
利上げで金利が上がると、
その結果、
といった流れになることがあります。
利上げという言葉は「借りる側」に注目されがちですが、 銀行に預ける側にも関係があります。
金利が上がると、
ことがあります。
ただし、
ということもあるので、「すぐ同じように上がる」とは限りません。
利上げの一番大きな目的は、物価が上がりすぎないようにすることです。
利上げをすると、
ことが期待されます。
ただし、物価は
などでも変わるので、利上げだけで全部が決まるわけではありません。
結論から言うと、良い面も悪い面もあります。
だから、利上げは「万能の魔法」ではなく、 世の中のバランスをとるための道具と考えるとわかりやすいです。
利上げは、車の運転で言うとブレーキに似ています。
というイメージです。
ブレーキを強く踏みすぎると、今度は進まなくなります。 だから、日銀は「ちょうどいい強さ」を考えています。
利上げのニュースを見たら、
を考えると、ニュースがぐっとわかりやすくなります。