小学校5年生の国語では、「あなたは、どう考える」という学習で、自分の意見を文章にまとめる活動を行うことがあります。
意見文を書くときに大切なのは、ただ「私はそう思います」と書くだけではありません。自分の立場をはっきりさせたうえで、理由や根拠を示し、読んだ人に「なるほど」と思ってもらえるように書くことが大切です。
しかし、いざ書こうとすると、
ということも多いでしょう。
この記事では、小5国語「あなたは、どう考える」で使いやすい題材例を、学校生活、家庭、社会、地域、ネット・ICTなどの分野に分けて紹介します。あわせて、題材を選ぶときのポイントや、意見文にするための書き方も分かりやすくまとめます。
「あなたは、どう考える」は、自分の考えを相手に伝えるための文章を書く学習です。
たとえば、ある問題について「賛成」か「反対」かを決め、その理由を説明します。そのとき、自分の体験だけでなく、アンケート、資料、身の回りの事実などを根拠として入れると、より説得力のある文章になります。
意見文では、次のような力が必要になります。
つまり、「あなたは、どう考える」の題材は、単に好きなことを自由に書くテーマではなく、自分の意見を持ちやすく、理由や根拠を考えやすいものを選ぶことが大切です。
意見文の題材を選ぶときは、次の条件に当てはまるものを選ぶと書きやすくなります。
意見文に向いているのは、どちらか一方だけが明らかに正しいテーマではありません。
たとえば、「人をいじめてもよいか」という題材は、答えがはっきりしすぎていて、意見文には向きません。一方で、「学校にスマホを持ってきてもよいか」という題材なら、賛成・反対の両方から理由を考えることができます。
自分の体験や身近な出来事を使える題材は、理由を書きやすくなります。
学校生活、家庭での過ごし方、通学路、公園、ゲーム、読書、宿題などは、小学生にとって考えやすい題材です。
意見文では、理由だけでなく根拠も大切です。
根拠には、次のようなものがあります。
「根拠を1つでも入れられるか」を考えて題材を選ぶと、意見文が書きやすくなります。
意見文では、自分と違う考えを持つ人を責める必要はありません。特定の友達、先生、家族を批判するような題材は避けた方がよいでしょう。
「だれかを責める文章」ではなく、「よりよい方法を考える文章」にすることが大切です。
ここからは、「あなたは、どう考える」の意見文で使いやすい題材例を紹介します。気になるテーマがあれば、賛成・反対のどちらの立場で書けそうか考えてみましょう。

学校生活は、自分の体験をもとに書きやすい分野です。クラスメートにも関係する内容なので、アンケートを取って根拠にすることもできます。
| 題材 | 考えやすい視点 |
|---|---|
| 宿題は毎日出すべきか | 学習習慣、自由時間、負担 |
| 長期休みの宿題は多い方がよいか | 復習、計画性、休みの過ごし方 |
| 休み時間をもっと長くすべきか | 体力、気分転換、授業時間 |
| 掃除は毎日必要か | 清潔さ、協力、時間の使い方 |
| 朝読書は続けるべきか | 読書習慣、集中力、好き嫌い |
| 給食の時間をもう少し長くすべきか | 健康、食べ残し、昼休みとの関係 |
| ランドセル以外のかばんで登校してもよいか | 荷物の重さ、安全、学校らしさ |
| 上ばきは必要か | 衛生、準備の手間、床のよごれ |
| 学校に水筒を持ってくることをすすめるべきか | 熱中症対策、健康、管理のしやすさ |
| 係活動や委員会活動は必要か | 責任感、協力、負担 |
家庭生活に関する題材は、自分の経験をもとに考えやすいのが特徴です。ただし、家庭によって事情が違うため、決めつけた書き方にならないよう注意しましょう。
| 題材 | 考えやすい視点 |
|---|---|
| 朝ごはんは毎日食べるべきか | 健康、集中力、生活リズム |
| ゲームの時間は家庭で決めるべきか | 健康、勉強、楽しみ |
| テレビや動画を見る時間を決めるべきか | 目の健康、睡眠、自由時間 |
| おこづかいは定額制がよいか、お手伝い制がよいか | お金の使い方、努力、家庭の考え方 |
| 家の手伝いは毎日するべきか | 家族の協力、責任感、時間 |
| 寝る時刻は決めた方がよいか | 健康、成長、生活リズム |
| 休日にも勉強時間を作るべきか | 学習習慣、休息、遊び |
社会のルールやマナーに関する題材は、賛成・反対の理由を考えやすく、意見文に向いています。公共の場での体験を根拠にしやすいのも特徴です。
| 題材 | 考えやすい視点 |
|---|---|
| 電車やバスの優先席は必要か | 思いやり、公平さ、使いやすさ |
| 公共の場所で動画の音を出してもよいか | マナー、周りの人への配慮、楽しみ方 |
| 自転車に乗るときはヘルメットを必ずかぶるべきか | 安全、自由、面倒さ |
| ポイ捨てを減らすために罰金は必要か | 環境、ルール、注意の仕方 |
| 公園でボール遊びを禁止するのはよいことか | 安全、遊ぶ場所、地域のルール |
| ペットを飼う人のルールをもっと厳しくすべきか | 責任、近所への配慮、動物の命 |
| 図書館ではもっと静かにするべきか | 公共の場、学習、会話の必要性 |
地域に関する題材は、総合的な学習ともつなげやすい分野です。自分の住んでいる町の様子を観察したり、家族に聞いたりすることで根拠を集めることができます。
| 題材 | 考えやすい視点 |
|---|---|
| 通学路に信号や横断歩道を増やすべきか | 安全、交通量、費用 |
| 地域の公園をもっと増やすべきか | 遊び場、自然、土地の使い方 |
| 町に木や花を増やすべきか | 景観、暑さ対策、手入れ |
| バスの本数を増やすべきか | 便利さ、利用者数、費用 |
| 観光客を増やすことはよいことか | 地域のにぎわい、混雑、マナー |
| 地域のごみ拾い活動に参加するべきか | 環境、地域とのつながり、負担 |
ネットやICTは、今の小学生にとって身近なテーマです。ただし、学校や家庭によってルールが違うため、「使ってよいか、悪いか」だけでなく、「どのような使い方ならよいか」と考えると書きやすくなります。
| 題材 | 考えやすい視点 |
|---|---|
| 小学生はSNSを使ってよいか | 交流、危険、年齢に合った使い方 |
| 宿題にインターネットを使ってもよいか | 調べ学習、正確さ、自分で考える力 |
| AIチャットを宿題に使うのはよいか | 便利さ、学習、自分の考え |
| 学校行事の写真をSNSにのせてもよいか | 思い出、個人情報、許可 |
| ネットのうわさを信じる前に確認するべきことは何か | 情報の正確さ、発信者、複数の資料 |
| タブレット学習をもっと増やすべきか | 便利さ、目の疲れ、ノートとの違い |
環境に関する題材は、社会科や理科ともつなげやすいテーマです。自分たちの生活と関係づけて書くと、説得力のある意見文になります。
| 題材 | 考えやすい視点 |
|---|---|
| ペットボトルを減らすためにマイボトルを使うべきか | ごみ、便利さ、習慣 |
| 給食の食べ残しを減らすために何ができるか | 食品ロス、健康、好き嫌い |
| ごみの分別をもっと細かくするべきか | 環境、手間、リサイクル |
| エアコンの使い方にルールを決めるべきか | 快適さ、電気代、環境 |
| 学校で節水をもっと進めるべきか | 水の大切さ、手洗い、掃除 |
題材が多すぎて迷う場合は、次の10個から選ぶと書きやすいでしょう。どれも小学生に身近で、賛成・反対の両方を考えやすいテーマです。
学校生活に関係するため、多くの子どもが自分の経験をもとに書けます。
賛成の例:毎日少しずつ勉強することで、学習習慣が身につく。
反対の例:習い事や休息の時間も大切なので、毎日出す必要はない。
根拠の例:自分の生活、家族への聞き取り、クラスアンケート。
学校での過ごし方に関わるため、理由を考えやすい題材です。
賛成の例:体を動かす時間が増え、授業にも集中しやすくなる。
反対の例:授業時間が短くなり、学習が進みにくくなる。
根拠の例:休み時間の過ごし方、先生や友達への聞き取り。
国語の学習とも関係が深く、意見文にしやすい題材です。
賛成の例:本を読む習慣がつき、言葉を知る機会が増える。
反対の例:読書が苦手な人には負担になり、別の学習の方がよい場合もある。
根拠の例:読書量の変化、好きな本、クラスの意見。
安全とトラブルの両面から考えられる題材です。
賛成の例:災害時や緊急時に家族と連絡できる。
反対の例:授業中に気が散ったり、友達とのトラブルが起きたりする可能性がある。
根拠の例:学校のきまり、家庭のルール、ニュースや資料。
地域のルールと子どもの遊び場について考えられる題材です。
賛成の例:小さい子や高齢者に当たると危ない。
反対の例:子どもが自由に体を動かせる場所が少なくなる。
根拠の例:近くの公園のルール、実際に見た様子、家族の意見。
思いやりや公共マナーについて考えられる題材です。
賛成の例:必要な人が座りやすくなる。
反対の例:優先席でなくても、必要な人に席をゆずればよい。
根拠の例:電車やバスでの体験、家族への聞き取り。
多くの家庭で話題になりやすく、自分の生活と結びつけて書けます。
賛成の例:時間を決めることで、勉強や睡眠に影響が出にくくなる。
反対の例:自分で考えて時間を管理する練習も必要である。
根拠の例:自分の生活リズム、家庭のルール、家族の意見。
環境問題と生活の手間の両方を考えられる題材です。
賛成の例:リサイクルしやすくなり、環境を守ることにつながる。
反対の例:分け方が難しくなると、続けにくくなる。
根拠の例:家庭のごみ分別、地域のルール、環境に関する資料。
学校でICTを使う機会が増えているため、身近に考えやすい題材です。
賛成の例:調べ学習や発表資料づくりがしやすくなる。
反対の例:目が疲れたり、書く力が弱くなったりする心配がある。
根拠の例:授業で使った体験、ノート学習との違い、友達の意見。
賛成・反対だけでなく、解決策を考える意見文にも向いています。
意見の例:食べ残しを減らすために、苦手なものでも少しずつ食べる工夫をするべきだ。
別の意見の例:無理に食べさせるのではなく、量を調整できる仕組みが必要だ。
根拠の例:給食の様子、食品ロスの資料、クラスの意見。

題材が決まったら、すぐに文章を書き始めるのではなく、まず考えを整理しましょう。意見文は、次の流れで書くと分かりやすくなります。
意見文の形に迷ったら、次の型を使うと書きやすくなります。
私は、「____」について、____だと考えます。
理由は二つあります。
一つ目の理由は、____だからです。
たとえば、____ということがありました。
二つ目の理由は、____だからです。
たしかに、____という意見もあると思います。
しかし、____なので、私は____だと考えます。
この型に当てはめると、主張、理由、根拠、反対意見、まとめを自然に入れることができます。
ここでは、「休み時間を長くすべきか」という題材を使って、短い意見文の例を紹介します。
私は、学校の休み時間を今より少し長くした方がよいと考えます。
理由は二つあります。
一つ目の理由は、休み時間に体を動かすことで、次の授業に集中しやすくなるからです。私のクラスでも、外で遊んだ後の授業では、気分がすっきりして話を聞きやすいと感じることがあります。
二つ目の理由は、友達と話したり遊んだりする時間も、学校生活では大切だからです。休み時間が短いと、トイレに行ったり次の授業の準備をしたりするだけで終わってしまうことがあります。
たしかに、休み時間を長くすると、授業時間が短くなるという心配もあります。しかし、しっかり休むことで授業に集中できるなら、学習にもよい影響があると思います。
だから私は、休み時間を今より少し長くすることに賛成です。
この例文では、「主張」「理由」「体験にもとづく根拠」「反対意見」「まとめ」が入っています。長く書くことよりも、考えの流れが分かりやすいことが大切です。
意見文では、自分の考えを自由に書くことが大切です。しかし、どんな題材でもよいわけではありません。次のような題材は、学級や家庭でトラブルになりやすいため注意が必要です。
「あの先生の授業はよいか」「あの友達の行動は正しいか」のように、特定の人を取り上げる題材は避けましょう。
意見文では、人を責めるのではなく、問題について考えることが大切です。
おこづかい、習い事、家庭でのルールなどは書きやすい題材ですが、家庭によって事情が違います。
書く場合は、「こうすべきだ」と強く決めつけるのではなく、「私の家庭では」「一つの考えとして」という形にするとよいでしょう。
体型、容姿、運動能力などに関する題材は、からかいや傷つけにつながることがあります。意見文の題材としては避けた方が安全です。
「人に暴力をふるってもよいか」のように、答えが明らかな題材は、意見文として広がりにくくなります。
意見文には、賛成・反対の両方に理由があり、考えを深められる題材を選びましょう。
子どもが意見文の題材で迷っているとき、保護者がすべて決めてしまう必要はありません。大切なのは、子ども自身が「自分はどう考えるか」を言葉にできるように手助けすることです。
いきなり「何について書くの?」と聞くと、子どもは困ってしまうことがあります。
次のように聞くと、題材を見つけやすくなります。
意見文は、子ども自身の考えを書く学習です。大人が正解を教えるよりも、「どうしてそう思うの?」「反対の人は何と言うかな?」と問いかける方が効果的です。
子どもは、理由と根拠を混同しやすいことがあります。
たとえば、「休み時間を長くした方がよい」という意見の場合、
というように分けて考えると、文章にしやすくなります。
授業で扱う場合は、最初から完全に自由な題材にすると、題材決めだけで時間がかかってしまうことがあります。まずは先生がいくつか候補を示し、その中から選ばせる形にすると進めやすくなります。
題材を多く出しすぎると、かえって選びにくくなることがあります。授業では、クラスの実態に合わせて7〜10個程度に絞るとよいでしょう。
たとえば、次のような組み合わせにすると、さまざまな立場で考えやすくなります。
小5の意見文では、次の4点を見ると分かりやすくなります。
特に大切なのは、「主張」「理由」「根拠」がつながっていることです。根拠が弱い場合は、体験、アンケート、資料、聞き取りなどを追加できないか考えさせるとよいでしょう。
まずは、学校生活や家庭生活など、自分に身近な分野から考えるとよいでしょう。「困っていること」「変えた方がよいと思うこと」「友達と意見が分かれそうなこと」を探すと、題材が見つかりやすくなります。
正しい答えを選ぶ必要はありません。自分が理由を説明しやすい方を選びましょう。迷ったときは、理由を2つ以上書ける方を選ぶと文章にしやすくなります。
必ずしも資料である必要はありません。自分の体験、家族への聞き取り、クラスアンケート、学校のきまりなども根拠になります。ただし、体験だけでなく、ほかの人の意見や資料も入れると、より説得力が増します。
自分と反対の立場の人になったつもりで考えてみましょう。「もし反対する人がいたら、どんな心配をするだろう」と考えると、反対意見が見つかりやすくなります。
長さよりも、内容の分かりやすさが大切です。主張、理由、根拠、反対意見、まとめが入っていれば、短くてもよい意見文になります。
小5国語「あなたは、どう考える」で意見文を書くときは、題材選びがとても大切です。
よい題材とは、賛成・反対の両方が考えられ、自分の生活に関係があり、理由や根拠を集めやすいものです。学校生活、家庭、公共マナー、地域、ネット・ICT、環境などの中から、自分が本当に考えやすいテーマを選ぶとよいでしょう。
意見文を書くときは、次の流れを意識すると分かりやすくなります。
「あなたは、どう考える」という学習で大切なのは、正解を探すことではありません。自分の考えを持ち、その理由を相手に分かるように伝えることです。
身近な題材から考え始めれば、意見文はぐっと書きやすくなります。