地震で外国人(観光客)はどう反応した?
SNS投稿から見えた不安と行動
昨晩の強い地震のあと、英語圏の掲示板や旅行コミュニティでも投稿が急増しました。そこで目立ったのは「大騒ぎ」というより、“情報の取り方”と“次の一手の迷い”が生む不安です。
本記事は、英語圏の公開コミュニティに出た声を、個人が特定されない形で要約し、観光客が困りやすいポイントと対策へ落とし込みます。
※注意:SNSの投稿は体験談であり、地域・宿泊形態・地震経験の有無で反応は変わります。本記事は「傾向」を整理する目的です。
1. 外国人が「揺れ」より迷うのは“次に何をするか”
日本に住んでいる人は、揺れた瞬間に無意識で
- 身の安全を確保
- 速報で震源・津波の有無を確認
- 沿岸部なら高台へ
と動けることが多いです。
一方、観光客は
- 震度の感覚がない
- 津波の優先順位が分からない
- どの情報源が正しいか分からない
という「判断のハードル」が重なりやすく、ここが不安の中心になります。
2. SNSで見られた具体的な反応(昨晩の投稿に多かったもの)
ここからは、昨晩の地震直後に目立った反応を、できるだけ具体的にまとめます。
①「揺れが“ゆっくり長い”=大きい地震?」という体感の共有
- “ゆっくりした揺れが長く続くのは、遠くて大きい地震のサイン”という説明が拡散されました。
- 体感の言語化ができない人が「これって大きいの?」と不安になり、経験者が解説する形です。
②「今の地震どこで確認できる?」(情報源探し)
- “Where to track them online?”(どこで追跡できる?)といった投稿が立ち、
- 地震速報アカウント
- 気象庁や観測機関に相当するページ
- 地震アプリ へ誘導する流れがありました。
③「NERVが鳴らなかった/終わってから鳴った」など、通知への戸惑い
- “NERV didn’t even alert until after it was done”のように、通知が体感とズレたことへの驚きが見られました。
- 早期警報は万能ではなく、場所・震源・通信状況・通知設定で体験が変わるため、ここで不安が増幅しがちです。
④「ホテルの◯階で飛び起きた」「まだ手が震える」系
- “Woke me up on the 13th floor”“I’m still shaking in the hotel”など、 高層階・ホテル滞在者が“揺れの怖さ”を強く語る投稿がありました。
- 旅先で土地勘がない状態だと、同じ揺れでも心理的負荷が上がります。
⑤「警報(カウントダウン)を見て吐きそう」「泣きそう」――“予告”の怖さ
- “2 minute warning”といった表現が出るように、事前警報のカウント表示が逆に恐怖を煽るケースがあります。
- 地震経験が少ない人ほど、数十秒でも“待つ時間”が長く感じます。
⑥「津波って今どこ?自分は対象?」(地名と距離感の壁)
- “Hokkaido / Aomori / Tohoku”と地名が出ても、観光客は距離感が掴めず、 “Tokyo is safe?”のように自分の場所を確認したがる投稿が増えます。
⑦「旅行、キャンセルした方がいい?」がすぐ立つ(来日直前勢)
- “Go ahead with the trip or cancel it?”と、来日予定者がコミュニティに判断を求める投稿が立ちました。
- コメント欄では、
- ジョークで不安を和らげる
- 「日本では地震は珍しくない」
- 「沿岸部の警報と交通情報を見て判断」 という流れになりやすいです。
⑧ 交通が最大のストレス:新幹線・在来線の運休/区間運休情報の共有
- 旅行コミュニティでは、**「どの路線が止まったか」**を箇条書きで共有する投稿が出ました。
- 観光客にとって一番困るのは「揺れ」より「移動が詰む」ことなので、交通情報の需要が非常に高いです。
⑨「英語の一次情報へ辿り着けない」→コミュニティに質問
- 公式情報が“出ていない”のではなく、 英語でまとまった形に辿り着けない(あるいは更新が追えない)ことが不安になります。
⑩ デマ・憶測(地震兵器等)も混ざるが、旅行コミュニティでは“現実対応”が主流
- 陰謀系の話題が混ざることはありますが、旅行者コミュニティでは 「今どこが危険?」「移動できる?」「何を準備?」という現実対応が中心になりやすいです。
3. まとめると:外国人の不安は「揺れ」より“情報のギャップ”で増える
昨晩の投稿を眺めると、外国人観光客の不安はだいたい次の式になります。
不安 =(土地勘のなさ)×(言語の壁)×(交通の不確実性)×(津波の判断)
そして、ここに「ホテルの高層階」「深夜」「単独行動」が加わると、恐怖が跳ね上がります。
4. 観光客向け:地震直後にやること(超短い版)
- 🛡️ 揺れている間:頭を守る/落下物から離れる
- 🌊 沿岸部・川沿いにいる場合:津波警報・注意報が出たらすぐ高い場所へ
- 🔋 落ち着いたら:スマホ充電・モバイルバッテリー確保、靴を履く(ガラス対策)
- 🚆 移動がある場合:路線運行情報(JR・私鉄)を確認してから動く
5. ホテル・観光事業者向け:観光客に“刺さる”案内は長文より短文
外国人観光客が一番欲しいのは、難しい説明より「今、何をすればいいか」です。
そのまま使える短い英語(掲示・放送用)
- “Aftershocks may continue.”(余震が続く可能性があります)
- “Tsunami warning: stay away from the coast.”(津波警報:海岸に近づかないでください)
- “Follow hotel staff instructions.”(スタッフの指示に従ってください)
- “Evacuation route: this way.”(避難経路はこちらです)
さらに効くのは“リンク1つ”
館内掲示に、
- 交通運行情報
- 多言語の災害情報(観光向け)
- 地図(高台・避難場所)
のリンクQRがあるだけで、混乱がかなり減ります。
6.結論
昨晩の地震後、外国人(在住者・観光客)の投稿で目立ったのは、
- 「揺れが長い/怖い」
- 「どこで情報を追える?」
- 「アプリ通知が遅れた・不安」
- 「津波は?自分は安全?」
- 「旅行キャンセルすべき?」
- 「交通が止まった、どう動く?」
という“具体的な困りごと”でした。
つまり「外国人が騒ぐ/弱い」という話ではなく、情報・距離感・導線の段差が不安を生む、という構造です。