SDGs16:自分たちにできること
「平和と公正をすべての人に」
SDGs(エス・ディー・ジーズ)は、2030年までに世界を少しずつ良くしていくための目標です。その中の**16番(SDGs16)**は、
- 平和(争いを減らす)
- 公正(フェアで正しい)
- だれもが安心して暮らせる社会(ルールや仕組みがちゃんとしている)
を目指します。
「世界の大きな問題みたいで、自分にはむずかしい…」と思うかもしれません。けれどSDGs16は、**毎日の生活の中での“ちょっとした行動”**がとても大事です。
SDGs16って、どんなこと?(やさしく説明)

SDGs16は、ひとことで言うと、
「だれもが安心して、納得できるルールの中で暮らせる世界をつくろう」
という目標です。
たとえば、こんなことが関係します。
- いじめや暴力がない(または減っていく)
- うそやだましが少ない
- 困っている人が助けを求めやすい
- きちんと話し合って解決できる
- ルールが守られていて、だれかだけが損をしない
なぜSDGs16が大切なの?
平和や公正がないと、学校も地域もこわくなってしまいます。すると、
- 勉強や部活動に集中できない
- 友だちを信じにくくなる
- 困っていても相談できない
- だまされる人が増える
といったことが起こります。
SDGs16は、ほかの目標(貧困を減らす、教育を受ける、健康に生きるなど)にもつながる、土台のような目標です。
自分たちにできること(今日からできる行動)
ここからは、すぐに始められる行動を、場面ごとにまとめます。
1)学校でできること

✅ いじめの“芽”を見つけたら、止める行動をする
いじめは、大きな暴力だけではありません。
こうしたことも、心を傷つけます。
できる行動
- 🗣️「それ、やめよう」と言う(むずかしいときは大人に相談でもOK)
- 🤝ひとりになっている人に声をかける
- 👂話を聞いてあげる
- 🧑🏫先生や保護者に伝える(“チクる”ではなく“守る”行動)
✅ ルールを守る(小さな公正をつくる)
ルールを守ることは、みんなが安心できる土台になります。
例
- 🧹掃除当番をさぼらない
- 🧾順番を守る
- 🧍廊下を走らない
- ⏰時間を守る
「自分ひとりくらい…」が増えると、ルールがこわれてしまいます。
2)家でできること
✅ 家の中で“フェア”を考える
家でも「公正」は練習できます。
できる行動
- 🍽️手伝いの分担を話し合う
- 📺テレビやゲームの時間を、納得できる形で決める
- 🧩兄弟姉妹がいるなら「年齢に合った役割」を考える
「公平(同じ)」と「公正(それぞれに合う)」は、少しちがいます。
✅ ニュースを一緒に見る・話す
世界の争いや災害、法律のことなどは難しく見えますが、 家族と一緒に“なぜ起きたのか”を話すだけでも大切です。
話し合いの例
- 「どうしたら争いが減るんだろう?」
- 「だまされないために、何を気をつける?」
- 「困っている人がいたら、どう助けられる?」
3)ネット・SNSでできること(とても重要)

SDGs16は、ネットの使い方とも深く関係します。
✅ うわさやデマを広めない
ネットには、うそやまちがいも混ざっています。
できる行動
- 🔍すぐに信じない(“びっくりする話”ほど注意)
- 🧠一つの投稿だけで判断しない
- 📰できれば別の情報でも確かめる
- 🚫あやしい情報は拡散しない
✅ ひどい言葉を言わない・書かない
画面の向こうにも「人」がいます。
できる行動
- ✍️送る前に「これ、言われたら自分はどう思う?」と考える
- 🧊イライラしたときは、すぐ返信しない
- 🙅悪口のグループや流れに乗らない
✅ 個人情報を守る(自分も友だちも)
個人情報が広がると、トラブルや犯罪につながることがあります。
気をつけること
- 🧾本名・住所・学校名・顔写真の扱い
- 📍位置情報(写真に場所が出ることも)
- 📸友だちが写る写真は勝手に出さない
4)地域でできること
✅ あいさつ・思いやりで“安心”を増やす
地域が安心になると、トラブルが減りやすくなります。
できる行動
- 🙂あいさつをする
- 🧓困っていそうな人がいたら声をかける(大人に相談しながら)
- 🚯ごみを捨てない、拾う
- 🚲自転車のルールを守る
✅ 地域の行事やボランティアに参加する
地域の清掃、募金活動、防災訓練などは、 みんなで協力して安全をつくる練習になります。
5)「話し合い」で解決する力をつける
争いをなくすために大切なのは、暴力ではなく対話です。
✅ けんかのとき
- 🧩「相手が悪い!」より「自分はどう感じたか」を言う
- 🗣️大きな声や悪口をやめて、落ち着いて話す
- 🤝「どうしたら次はうまくいくか」を一緒に考える
たとえば、
- 「勝手に使われていやだった」
- 「先に言ってくれたらよかった」
- 「次は借りる前に一言言ってほしい」
のように言うと、解決に近づきます。
ちょっとだけ言葉の説明(覚えておくと便利)
- 平和:争いがなく、安心できる状態
- 公正:だれか一人だけが得したり、損したりしない“フェアさ”
- 権利:人が人らしく生きるために大切にされるべきこと(例:安心して学ぶ、命を守る)
- 差別:見た目や考え方の違いで、ひどい扱いをすること
- 対話:たたかうのではなく、話してわかり合うこと
まとめ:SDGs16は「身近な平和づくり」
SDGs16は、世界のニュースだけの話ではありません。学校、家、ネット、地域など、自分のいる場所で平和と公正を増やすことが、そのままSDGs16につながります。
最後に、今日からできることを3つだけ選ぶなら、これがおすすめです。
- ✅ 🗣️いじめや悪口の流れに乗らず、止める・相談する
- ✅ 🔍ネットの情報をすぐ信じず、広めない
- ✅ 🤝相手の気持ちを考えて、話し合いで解決する
小さな行動でも、続けば「安心できる空気」をつくれます。まずは、身近なところから一歩ずつ始めてみましょう。