スーパーのコーヒー、紅茶、チョコレートなどで見かける「緑のカエル(通称:カエルマーク)」。
SNSではときどき「ビル・ゲイツのマークだ」「ゲイツ財団が操っている」「不買すべき」といった断定がセットで拡散します。
しかし多くは、公開情報の一部だけを切り取り、途中の論理を飛ばして“陰謀っぽく”見せているケースが目立ちます。
一般に「カエルマーク」と呼ばれる表示の多くは、レインフォレスト・アライアンス(Rainforest Alliance)の認証シール(または関連表示)です。
商品の例は次のとおりです。
ポイント:カエルマークが主に示すのは、食品の「安全性保証」ではなく、森林・生態系・労働環境などを含む持続可能性(サステナビリティ)の基準です。
このタイプのデマは、だいたい次の順番で作られます。
カエルマークはパッケージで目立ち、見かける頻度も高いので
「最近よく見る=何か裏があるのでは?」と疑われやすい特徴を持っています。
SNSの陰謀論的な語りでは「有名人」「巨大資本」「財団」「国際機関」などを結び付ける筋書きが好まれます。
その中でもビル・ゲイツは、名前を出すだけで“それっぽい雰囲気”が作れてしまうため、悪役化の接着剤にされがちです。
ここが核心です。ゲイツ関連(財団)のサイトには、過去の助成(grant)の記録が公開されていることがあります。
その中にRainforest Allianceへの助成が含まれているため、これを見た人が
というように、途中を飛ばしてストーリー化しやすくなります。
注意:助成(資金提供)=所有(支配)ではありません。ここを同一視してしまうと、一気にデマが成立します。
混乱しやすいので、三段階で切り分けます。
SNS上で噂が広がった際、レインフォレスト・アライアンスの日本語アカウントは、
「ビル・ゲイツやゲイツ財団の所有ではない」旨の投稿を出しています。
ここが重要:デマの中心は「所有・支配の断定」です。団体側はそこを否定しています。
日本のSNSでは、カエルマークの話がなぜかベルマークや不買運動とセットで語られることがあります。
これは多くの場合、制度が実際に直結しているというより、“身近な仕組みを巻き込むと参加者が増える”という拡散の作法に近いものです。
見分け方:ベルマーク運動とカエルマーク(RA認証)は仕組みが別です。混同がある投稿は、情報の土台が崩れている可能性が高いです。
デマが伸びやすいのは、事実よりも「気持ちに刺さる要素」が揃っているからです。
SNSで「カエルマーク=ゲイツ=危険」のような投稿を見たら、次の順で確認すると判断が安定します。
現実的には、次のように捉えるのが一番ブレません。
結論:過剰に神格化もしないし、過剰に恐れもしない。一次情報に戻るのが最短です。
A. “関係がゼロ”とは言い切れませんが、助成=所有ではありません。
助成があったという事実から「支配」「陰謀」を導くには、追加の根拠が必要です。
A. そうとは限りません。認証の主軸は持続可能性で、無農薬を一括で保証するマークではありません。
A. 不買は個人の選択ですが、判断材料が「噂」だけだと後悔しやすいです。
一次情報に当たってから判断するのが安全です。