スーパーのコーヒー、紅茶、チョコレート、バナナなどで、緑のカエルが描かれたマークを見かけることがあります。SNS上では、このマークについて「危険」「陰謀」「不買」などの“強い断定”が拡散することもありますが、まずはこのカエルマークが何を意味するのかを落ち着いて整理することが大切です。
本記事では、一般に「カエルマーク」と呼ばれがちなマークの正体、よくある誤解、そしてデマの見分け方をまとめます。
カエルマークとは何なのでしょうか?
いわゆるカエルマークの多くは、レインフォレスト・アライアンス(Rainforest Alliance)の認証マークです。これは、農園やサプライチェーン(流通~加工など)が、森林・生態系・労働環境などに関する一定の基準に沿っていることを示すものとして、認証製品に付けられます。
見かけやすい商品例:
※マークのデザインは時期や表示形式により多少異なります(「Rainforest Alliance」「People & Nature」などの表記が入る場合もあります)。
SNSでよくある誤解の一つが、
のように、健康リスクや食品安全と直結させる断定です。
この認証は主に、
といった「持続可能性(サステナビリティ)」の観点が中心です。
つまり、
この“目的の違い”を理解しておくと、極端な噂に振り回されにくくなります。
カエルは、環境の変化に影響を受けやすい生き物として、環境の健全性を測る「指標(生物指標)」として扱われることがあります。レインフォレスト・アライアンスがカエルを象徴にしているのは、自然環境の健全さを示すシンボルとして分かりやすいから、という説明がよく紹介されます。
ここからは、SNSで見かけやすい主張を「何が事実で、どこが飛躍か」という観点で整理します。
結論から言うと、
一方で、世の中の非営利団体と同様に、
など、複数の資金源で活動することがあります。
ここで重要なのは、「助成(グラント)が出たこと」=「所有・支配」ではないという点です。
SNSでは「関係がある」→「だから支配されている」→「だから危険」へと、根拠の薄い飛躍が起きやすいので、主張の“つなぎ目”をよく見る必要があります。
海外のファクトチェックでも「ビル・ゲイツは人口削減など様々な陰謀論の題材にされやすい」と指摘されています。
なので、何かのマークや制度を「悪の黒幕」に結びつけたい人が、ゲイツ名を貼り付けやすいと言えます。
「ベルマーク」と「カエルマーク」は、まず見た目からして別です。
ベルマーク運動は、対象商品のベルマークを集めて点数化し、学校の備品購入などに活用し、その購入金額の一部が教育援助に回る、という仕組みで理解されます。
したがって、
といった主張が出回っている場合でも、少なくともマークの同一視は誤りになりやすく、事実関係の確認が必要です。
海外でも、同様の陰謀論的主張が流行することがあります。
ただ、こうした投稿には共通して、
という特徴があります。
また、仮に何らかの問題提起があるとしても、
論点を混ぜると、結論が過激になりがちです。
カエルマークを見かけたときに、現実的には次のように捉えるのが分かりやすいです。
認証は「万能の保証」ではありませんが、サプライチェーンが長い商品ほど、何らかの基準や監査の枠組みを導入すること自体に意味がある、という見方もあります。
SNSで「不買」「危険」「裏がある」が出てきたら、次の順で確認すると落ち着いて判断できます。
カエルマークは、多くの場合レインフォレスト・アライアンス認証を指し、森林や生態系、労働環境などに配慮した原料調達・生産の枠組みを示すものです。
一方、SNS上の話題では、
がセットで拡散し、事実関係が歪むことがあります。
マークは小さくても、背景は意外と複雑です。だからこそ、
この3点を押さえるだけで、誤情報に強くなります。