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ベンチャー企業の例(日本と世界)

ベンチャー企業の例

日本と海外のベンチャー企業の例をわかりやすく解説!代表的スタートアップ

「ベンチャー企業って、具体的にはどんな会社のこと?」

そう聞かれたとき、ぱっとイメージできる会社名はいくつかあると思いますが、日本と海外の両方を意識して整理しておくと、ニュースやビジネス本がとても読みやすくなります。

この記事では、まず「ベンチャー企業とは何か」を簡単に整理したうえで、

  • 日本のベンチャー企業の具体例
  • 海外(主にアメリカ・中国・ヨーロッパ・東南アジア)のベンチャー企業の具体例
  • ベンチャー企業に共通するポイント

を順番にご紹介します。


ベンチャー企業とは?意味と特徴

ベンチャー企業のざっくりしたイメージ

ベンチャー企業とは、新しい技術やビジネスモデルで急成長を目指す企業のことです。法律上の厳密な定義があるわけではありませんが、次のような特徴を持つことが多いです。

  • ✅ 起業してからの年数が比較的浅い(創業まもない会社が多い)
  • ✅ テクノロジーや新しい発想を軸にしている
  • ✅ 既存の大企業があまり手を出していない分野に挑戦している
  • ✅ ベンチャーキャピタル(VC)などから資金調達をして急成長を狙う
  • ✅ うまくいけば大きく伸びる一方で、失敗するリスクも高い

つまり、「小さく生まれて大きく育つ可能性のある会社」がベンチャー企業だと言えます。

スタートアップとの違いは?

日常会話では「ベンチャー企業」と「スタートアップ」はほぼ同じ意味で使われることが多いです。ただし、ニュアンスとしては次のような違いで説明されることがあります。

  • ベンチャー企業:新しい事業に取り組む中小企業という広いイメージ
  • スタートアップ:世界的なスケールで急成長を目指す、テクノロジー色の強い企業

この記事ではあまり厳密に区別せず、「ベンチャー企業=スタートアップ」として扱います。


日本のベンチャー企業の例

まずは、日本発の代表的なベンチャー企業を幅広く取り上げます。すでに上場して大企業に近い規模になっている会社も含まれますが、「ベンチャーから成長した企業」「いまも成長途上の企業」の両方を、分野別に整理して紹介します。

※企業の規模やフェーズは時期によって変化します。ここでは「日本発で新しい事業モデル・技術で市場を切り拓いた(または切り拓いている)」という観点で“例”として挙げています。


【EC・マーケットプレイス/CtoC】

1. メルカリ(Mercari)

  • 分野:フリマアプリ・EC
  • 創業:2013年
  • 概要:スマホで簡単に不要品を売買できるフリマアプリ。個人同士が気軽に物を売り買いできる仕組みを作り、国内で圧倒的なユーザー数を持つサービスに成長しました。
  • ベンチャーらしさ
    • 個人間取引(CtoC)をアプリでここまで日常化した先駆け
    • 日本発ながらアメリカなど海外展開にもチャレンジ

2. BASE(ベイス)

  • 分野:ネットショップ作成(ECプラットフォーム)
  • 概要:個人や小規模事業者でも、専門知識がなくてもネットショップを作れる仕組みを提供。SNS時代の「小さなブランド」増加と相性がよく、国内のスモールビジネスを支える存在です。

3. ココナラ(coconala)

  • 分野:スキルのマーケットプレイス
  • 概要:イラスト制作、翻訳、相談、動画編集など、個人のスキルを売買できるプラットフォーム。副業や個人事業の広がりを背景に拡大しました。

【会計・人事・業務効率化(BtoB SaaS)】

4. freee(フリー)

  • 分野:クラウド会計・人事労務ソフト
  • 概要:中小企業や個人事業主向けに、会計・給与計算・勤怠管理などをクラウドで一元管理できるサービスを提供しています。
  • ポイント
    • 従来は専門知識が必要だった会計・給与業務を、クラウドと自動化で劇的に簡単にした
    • 中小企業の「バックオフィスDX(デジタル化)」を牽引する存在

5. マネーフォワード(Money Forward)

  • 分野:個人向け家計簿/法人向けバックオフィスSaaS
  • 概要:個人向けの家計管理サービスで認知を広げた後、法人向けの会計・経費・請求・給与などのクラウドサービスへ拡大。個人から法人まで「お金の見える化・自動化」を狙うフィンテック×SaaSの代表例です。

6. Sansan(サンサン)

  • 分野:名刺管理・営業DX
  • 概要:名刺をスキャンしてデータ化し、社内で共有することで、営業活動や人脈管理を効率化するクラウドサービス。
  • ベンチャー企業としての特徴
    • 「名刺」というアナログ資産にデジタルの価値を加えたビジネスモデル
    • 日本ならではの名刺文化を起点にしつつ、法人データ基盤として拡大

7. SmartHR(スマートHR)

  • 分野:クラウド人事労務
  • 概要:入退社手続き、社会保険の書類作成、従業員情報の管理など、人事労務の業務をクラウドでまとめて行えるサービスです。
  • ポイント
    • 紙とハンコだらけだった人事労務の現場を、オンラインで効率化
    • 働き方改革やリモートワークの流れとも相性がよく、急成長

8. Chatwork(チャットワーク)

  • 分野:ビジネスチャット・業務コミュニケーション
  • 概要:中小企業を中心に利用が広がった国産ビジネスチャット。社内外の連絡をメールからチャットへ移し、仕事のスピードを上げる流れを後押ししました。

9. カオナビ(Kaonavi)

  • 分野:タレントマネジメント(人材情報の可視化)
  • 概要:社員のスキルや評価、配置などの人事情報を一元化し、人材活用を促進するクラウド。人材不足が進むほど重要になる領域のSaaSです。

10. Cybozu(サイボウズ)

  • 分野:グループウェア・業務アプリ(kintone など)
  • 概要:いわゆる“ITベンチャーの先駆け”として語られることも多い企業。近年はノーコード/ローコードで業務アプリを作れるkintoneが、現場DXの代表例として注目されています。

【メディア・コンテンツ・広告/クリエイター経済】

11. SmartNews(スマートニュース)

  • 分野:ニュースアプリ
  • 概要:多数のニュースサイトやメディアの記事をAIで整理し、利用者に最適なニュースを届けるニュースアプリ。
  • ベンチャーらしさ
    • アルゴリズム(AI)を活用した情報配信
    • 日本発のメディアテック企業としてグローバルに挑戦

12. note(ノート)

  • 分野:コンテンツ配信・クリエイタープラットフォーム
  • 概要:文章・音声・動画などのコンテンツを発信・販売できるサービス。個人が“自分のメディア”を持つ流れを後押しし、企業のオウンドメディア活用にも広がりました。

13. Gunosy(グノシー)

  • 分野:ニュース/情報キュレーション
  • 概要:スマホでニュースをまとめて読める体験を提供し、レコメンド技術と広告で成長したメディア系スタートアップの代表例。

【モビリティ・配送・物流/リアル産業×IT】

14. ahamo…ではなく(例として)Luup(ループ)

  • 分野:電動キックボード/シェアモビリティ
  • 概要:都市部の短距離移動を、シェアリングで補うサービス。交通・ルール・街づくりと密接に関わるため、規制や安全性への対応も含めた挑戦型ビジネスです。

15. newmo(ニューモ)

  • 分野:タクシー・モビリティ(地域交通の再編)
  • 概要:地域交通の効率化やDXを掲げる新興モビリティ系。タクシー不足など社会課題と直結しやすいテーマです。

16. OpenLogi(オープンロジ)

  • 分野:物流アウトソーシング(物流版SaaS)
  • 概要:EC事業者向けに、倉庫・出荷・在庫管理をまとめて使える物流プラットフォームを提供。ネット販売の増加で需要が高い分野です。

【医療・ヘルスケア/メンタルケア】

17. Ubie(ユビー)

  • 分野:医療AI(症状検索/医療機関向けDX)
  • 概要:症状から受診の目安を案内するサービスや、医療機関向けの業務支援など、医療の入口から現場までの効率化を狙うヘルステック。

18. CureApp(キュア・アップ)

  • 分野:治療用アプリ(デジタルセラピューティクス)
  • 概要:生活習慣改善などを支援する治療用アプリ領域。医薬品とは違う形で“治療”を支える新しい市場として注目されています。

【教育(EdTech)】

19. atama plus(アタマプラス)

  • 分野:AI学習(個別最適化)
  • 概要:学習データをもとに、一人ひとりに合わせた教材・学習計画を提供する仕組み。塾・学校の現場での導入事例も増えています。

20. スタディサプリ(リクルート系だが例として)

  • 分野:オンライン学習
  • 概要:スタートアップというより事業としての成功例に近いですが、EdTechが一般化する流れの中で「学習のデジタル化」を象徴するサービスです。

【AI・ディープテック(研究開発型)】

21. Preferred Networks(PFN)

  • 分野:AI(深層学習)・ロボティクス
  • 概要:産業向けAIの研究開発に強みを持つディープテック企業。製造業などリアル産業との共同開発が多い点も特徴です。

22. Sakana AI(サカナAI)

  • 分野:生成AI(ジェネレーティブAI)
  • 概要:日本発の生成AIスタートアップとして、AIモデルの研究開発を行う企業として注目されています。

23. Spiber(スパイバー)

  • 分野:バイオ素材・サステナビリティ
  • 概要:クモの糸などに着想を得た「構造タンパク質素材」を人工的に生産し、衣料や自動車部品などへの応用を目指すバイオベンチャーです。

24. ispace(アイスペース)

  • 分野:宇宙(月面輸送・月面探査)
  • 概要:月面への輸送や探査ミッションを目指す宇宙スタートアップ。宇宙ベンチャーは、長期投資と技術力が必要な「ディープテック」の象徴的分野です。

25. Astroscale(アストロスケール)

  • 分野:宇宙スタートアップ(スペースデブリ除去)
  • 概要:地球の周りを漂う「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」の除去サービスを目指す宇宙ベンチャー。

【サイバーセキュリティ】

26. GMOサイバーセキュリティ by イエラエ(例として)

  • 分野:サイバーセキュリティ
  • 概要:セキュリティ診断、脆弱性検証、運用支援など、企業の守りを担う領域。セキュリティは景気に左右されにくい重要分野として、スタートアップが育ちやすい土壌があります。

【クライメートテック/エネルギー】

27. Terra Motors(テラモーターズ:例として)

  • 分野:電動二輪・モビリティ
  • 概要:電動モビリティは脱炭素の流れと結びつきやすく、国内外でベンチャーが生まれ続けている領域です。

このように日本だけでも、ベンチャー企業はEC/SaaS/メディア/物流/医療/教育/AI/宇宙/セキュリティなど幅広い分野に存在します。

もし「業界をもっと絞って例を増やしたい」(例:AIだけ、医療だけ、物流だけ、地方発ベンチャーだけ)などがあれば、その方向でも増補できます。


海外のベンチャー企業の例

続いて、海外の代表的なベンチャー(スタートアップ)企業を、こちらも分野別に数を増やして紹介します。海外は国によってエコシステム(投資環境・規制・文化)が違うため、同じ分野でも伸び方が異なるのが面白いところです。


【宿泊・移動・生活インフラ(プラットフォーム)】

1. Airbnb(エアビーアンドビー/アメリカ)

  • 分野:宿泊プラットフォーム
  • 概要:個人が空き部屋や自宅を宿泊施設として貸し出し、旅行者がホテルの代わりに利用できるサービスです。
  • ベンチャーらしさ
    • 「自宅をホテル代わりに貸す」という新しい発想
    • 世界中のホストとゲストをつなぐグローバル・プラットフォーム

2. Uber(ウーバー/アメリカ)

  • 分野:配車アプリ・モビリティ
  • 概要:スマホアプリで車を呼び出せる配車サービス。
  • ポイント
    • 既存のタクシー産業に対するディスラプションの象徴
    • 物流・フードデリバリー(Uber Eats)などにも事業を拡大

3. Lyft(リフト/アメリカ)

  • 分野:配車アプリ
  • 概要:アメリカでUberと並ぶ配車プラットフォーム。地域の規制や利用者の嗜好に合わせ、各都市でサービス最適化を進めた例としても知られます。

4. DiDi(滴滴出行/中国)

  • 分野:配車・モビリティ
  • 概要:中国を中心に成長した配車プラットフォーム。巨大市場とモバイル決済の普及が、成長を後押ししたと説明されることが多い例です。

5. Grab(グラブ/シンガポール・東南アジア)

  • 分野:配車サービス・スーパーアプリ
  • 概要:東南アジア各国で配車アプリとして成長し、フードデリバリー、決済、保険など多機能をまとめた「スーパーアプリ」として展開。

6. Gojek(ゴジェック/インドネシア)

  • 分野:配車・デリバリー・決済(スーパーアプリ)
  • 概要:バイク配車を起点に、生活インフラのように多機能化した代表例。新興国の「スマホで一気に生活が変わる」ダイナミズムが分かりやすい企業です。

【決済・金融(FinTech)】

7. Stripe(ストライプ/アメリカ)

  • 分野:オンライン決済インフラ
  • 概要:オンラインショップやサブスクなどが簡単に決済を導入できるプラットフォーム。
  • ベンチャーらしさ
    • 開発者が使いやすい設計で世界中に普及
    • インターネット上のビジネスインフラを支える存在

8. Revolut(レボリュート/イギリス)

  • 分野:フィンテック・デジタルバンク
  • 概要:アプリ上で口座管理、外貨両替、決済、投資などを行えるデジタル金融サービス。

9. Wise(ワイズ/イギリス)

  • 分野:国際送金・外貨決済
  • 概要:国際送金の手数料やスピード改善を強みとして広がったサービス。越境取引が増えるほど価値が増す領域の代表例です。

10. Klarna(クラーナ/スウェーデン)

  • 分野:BNPL(後払い決済)
  • 概要:EC購入の「後払い」を手軽にするサービス。消費者の購買体験を変える金融×ECの代表例。

【SaaS・業務ソフト/開発者向け(BtoB)】

11. Salesforce(セールスフォース/アメリカ:元は代表的スタートアップ)

  • 分野:CRM(顧客管理)クラウド
  • 概要:クラウドで業務ソフトを提供するモデルを一般化させた象徴的存在として語られることが多い企業。

12. Atlassian(アトラシアン/オーストラリア)

  • 分野:開発者向けツール(Jira、Confluence など)
  • 概要:ソフトウェア開発の現場に欠かせないツール群を提供。世界中の開発組織に浸透しやすい「水平展開型(業界を選ばない)」のBtoB企業の例です。

13. Shopify(ショッピファイ/カナダ)

  • 分野:ECプラットフォーム
  • 概要:事業者がネットショップを構築・運営するための仕組みを提供。個人ブランドから大企業まで幅広く使われるインフラ型サービス。

14. Zoom(ズーム/アメリカ:成長スタートアップの代表例)

  • 分野:オンライン会議
  • 概要:リモートワーク普及期に急成長した企業として広く知られています。

15. Datadog(データドッグ/アメリカ)

  • 分野:クラウド監視・運用
  • 概要:クラウド時代の“裏方インフラ”を支えるSaaS。派手さはないが、導入が広がると強いタイプの事業です。

【AI・SNS・コンテンツ(Consumer Tech)】

16. ByteDance(バイトダンス/中国)

  • 分野:インターネットサービス・ショート動画
  • 概要:ショート動画アプリ「TikTok」などを展開。AIを活用したレコメンド技術が強み。

17. Snapchat(スナップ/アメリカ)

  • 分野:SNS
  • 概要:若年層のコミュニケーション体験を変えたSNS。ARレンズなど、技術を体験価値に落とし込む発想が特徴です。

18. Spotify(スポティファイ/スウェーデン)

  • 分野:音楽ストリーミング
  • 概要:音楽の聴き方を「所有」から「定額で聴く」へ大きく変えたサービスの代表例。

【宇宙・ハードテック(ディープテック)】

19. SpaceX(スペースX/アメリカ)

  • 分野:民間宇宙開発
  • 概要:ロケットの再利用技術などを武器に、打ち上げコストの低減を進め、衛星通信(スターリンク)も展開。

20. Rocket Lab(ロケットラボ/米国・ニュージーランド)

  • 分野:小型ロケット打ち上げ
  • 概要:小型衛星の打ち上げ需要に合わせた宇宙輸送を提供する企業として知られます。

【バイオ・医療】

21. Moderna(モデルナ/アメリカ:バイオスタートアップ成長例)

  • 分野:バイオテクノロジー
  • 概要:mRNA技術を軸にしたバイオ企業として認知され、研究開発型ベンチャーが一気に世界の注目を集めた例として語られがちです。

22. 23andMe(トゥエンティースリー・アンド・ミー/アメリカ)

  • 分野:個人向け遺伝子検査
  • 概要:消費者向け遺伝子検査で話題になった企業の代表例。データとヘルスケアの関係を考える材料にもなります。

【気候・エネルギー(クライメートテック)】

23. Tesla(テスラ/アメリカ:元は“挑戦的ベンチャー”の象徴)

  • 分野:EV・エネルギー
  • 概要:電気自動車の普及を大きく後押しした企業として有名。成長の過程を含めて“ベンチャーが産業を変える”例として語られることが多い存在です。

24. Northvolt(ノースボルト/スウェーデン)

  • 分野:バッテリー(蓄電池)
  • 概要:EV時代のキーとなる電池供給を狙った欧州系スタートアップの代表例として挙げられます。

【地域発ユニコーン・新興国スタートアップ(参考)】

25. Nubank(ヌーバンク/ブラジル)

  • 分野:デジタル銀行
  • 概要:新興国で金融サービスの利便性を上げたフィンテックの代表例。

26. Jumia(ジュミア/アフリカ)

  • 分野:EC
  • 概要:国や地域ごとにインフラ事情が異なる中で、ECを成立させようとする挑戦型ビジネスの例として知られます。

海外の例が増えると、同じテーマ(配車・決済・SaaSなど)でも、

  • 市場規模
  • 規制
  • 決済インフラ
  • 文化や生活習慣

によって、成功パターンが変わることが見えてきます。


日本と海外のベンチャー企業に共通するポイント

ここまで日本と海外の例を増やして見てきましたが、成功している(または伸びる力を持つ)ベンチャー企業にはいくつか共通点があります。


1. 「社会の不便さ」に目を向けている

ベンチャー企業は、日常の小さな不満や、業界の“当たり前”の非効率を見つけるのが得意です。

  • メルカリ:不要品を売りたい・買いたいのに面倒、という不便さ
  • freee/マネーフォワード/SmartHR:会計・人事などバックオフィスが複雑すぎる問題
  • Uber/Grab/Gojek:移動手段が不足・不便/配車がつかまらない問題
  • Airbnb:旅行先で宿が足りない・高いという課題
  • Stripe:ネットで商売したいのに決済導入が難しいという課題

このように、最初は「身近な困りごと」でも、うまく解決すると社会全体に広がっていきます。


2. テクノロジーを“価値”に変えるのが上手い

ベンチャー企業の強みは、AIやクラウドなどの技術を持つことよりも、それを使って使いやすい体験にすることです。

  • クラウド:freee、SmartHR、Sansan、Shopify など
  • スマホアプリ:メルカリ、Uber、Airbnb、Grab、Gojek など
  • AI・レコメンド:SmartNews、ByteDance、Sakana AI など
  • ディープテック:Spiber、Astroscale、ispace、SpaceX など

技術は“裏側”にあり、利用者は「便利になった」「早くなった」「安くなった」を感じる、という設計が多いです。


3. スケーラブル(拡大しやすい)な仕組みを持つ

スケーラブル(scalable)とは、利用者や売上が増えても、コストの増え方がゆるやかで、事業を大きくしやすいという意味です。

  • ソフトウェアやアプリは、追加ユーザーが増えても原価が急増しにくい
  • プラットフォーム型(Airbnb、Uber など)は、参加者が増えるほど便利になり、さらに人が集まりやすい
  • 決済や監視など“インフラ”型(Stripe、Datadog など)は、導入が増えれば増えるほど強くなる

この「伸ばしやすさ」があるからこそ、短期間で急成長できる可能性が生まれます。


4. 資金調達とリスクテイク(挑戦)がセット

ベンチャー企業は、開発・人材・広告などに先行投資が必要です。そのため、

  • ベンチャーキャピタル(VC)
  • 事業会社の出資(CVC)
  • 融資・補助金・助成金
  • クラウドファンディング

などで資金調達を行うことが多いです。

その結果、

  • うまくいけば急成長し、上場やM&Aで大きく伸びる
  • うまくいかなければ撤退や縮小も起こりうる

という、ハイリスク・ハイリターンの構造になりやすい点が特徴です。


これからベンチャー企業を見るときのポイント

ニュースや記事でベンチャー企業の名前を見かけたときには、次のような点に注目すると理解が深まります。

  1. どんな「不便さ」「課題」を解決しようとしているのか?
  2. どんなテクノロジー(クラウド、AI、バイオ、宇宙など)を使っているのか?
  3. ビジネスモデルはスケーラブルか?(ユーザーが増えたときにどう伸びるか)
  4. どの国・地域で伸びているのか?規制や文化は関係しているか?
  5. 資金調達や提携のニュースが出ているか?(誰が応援・後押ししているか)

こうした視点を持って眺めることで、単なる「話題の会社」ではなく、「なぜこの会社にお金や人材が集まるのか」が見えてきます。

まとめ

  • ベンチャー企業とは、新しい技術やビジネスモデルで急成長を目指す、リスクとチャンスの大きい企業のことです。
  • 日本では、メルカリ/BASE/ココナラ/freee/マネーフォワード/Sansan/SmartHR/Chatwork/カオナビ/note/Gunosy/OpenLogi/Ubie/CureApp/atama plus/PFN/Sakana AI/Spiber/ispace/Astroscaleなど、分野をまたいで多くの例があります。
  • 海外では、Airbnb/Uber/Lyft/DiDi/Grab/Gojek/Stripe/Revolut/Wise/Klarna/Atlassian/Shopify/Zoom/Datadog/ByteDance/Spotify/SpaceX/Rocket Lab/Moderna/Nubankなど、産業構造そのものを変える企業が多数あります。
  • 共通点として、社会課題への着目、技術の価値化、スケーラブルな仕組み、資金調達と挑戦が挙げられます。

日本と海外の具体例をセットで知っておくと、「ベンチャー企業」という言葉のイメージが一気に立体的になります。

 

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