身の回りには、チョコレートやコーヒー、バナナ、Tシャツなど、世界じゅうで作られた品物がたくさんあります。こうした「世界の恵み」を分け合うときに大切な考え方が「フェアトレード」です。
この記事では、フェアトレードとは何か、なぜ大切なのか、そして日常生活の中でどのように関わることができるのかを、やさしい言葉で説明していきます。
「フェアトレード」は、日本語にすると「公正な貿易」「公平な取引」という意味があります。
つまり、フェアトレードとは、作ってくれた人たちにきちんとお金が届くように、正しい値段で取引をする約束ごとのことです。
ふつうの取引では、
といった問題が起きることがあります。フェアトレードは、こうした「不公平な取引」をなくしていこうとする取り組みです。

フェアトレードが必要な理由は、世界にはとても低いお給料で働いている人たちがたくさんいるからです。
特に、
などは、良い物を作っているのに、もらえるお金がとても少なくて、
という状況におかれてしまうことがあります。
フェアトレードは、
といったルールを決めて、働く人たちの生活を守ろうとしています。
スーパーや雑貨店、ネットショップなどで、フェアトレードの商品を見つけることができます。代表的なものをいくつか紹介します。
フェアトレードの商品には、認証マーク(ロゴ) がついていることがあります。国や団体によってデザインは少しずつ違いますが、
「この商品は、一定のフェアトレードの基準を満たしています」
という目印になっています。

フェアトレードは、子どもを守ることにも深く関わっています。
世界には、
がいます。これは、国連が定めた「子どもの権利条約」で守られるべき
に反しています。
フェアトレードのルールには、
が大切な条件として含まれています。つまり、フェアトレードを選ぶことは、世界の子どもたちの未来を守ることにもつながるのです。

フェアトレードは、人だけでなく、地球の環境を守ることも大事にしています。
といったルールがあることが多く、
といった良い効果が期待されています。
フェアトレードは、「人のくらし」と「地球の環境」をいっしょに考える取り組みと言えます。
最近よく耳にする「SDGs(エスディージーズ)」は、世界のみんなで2030年までにめざす目標のかたまりです。
フェアトレードは、特に次のような目標と深く関係しています。
フェアトレードの商品を選ぶことは、SDGsの目標を応援することにもなります。
フェアトレードは、特別な人だけが関わるものではありません。日常の中で、少し意識するだけで参加することができます。
お店やスーパーで、チョコレート・コーヒー・紅茶・バナナ・Tシャツなどを見るとき、
がないか、パッケージをよく見てみると、新しい発見があるかもしれません。
買い物をするときに、
「フェアトレードのチョコレートってなに?」
と話題に出してみたり、
「こういう商品を選ぶと、遠くの国の人を応援できるらしい」
と家族に伝えてみたりすることも、大切な一歩です。
フェアトレードについて、
といった形で学ぶこともできます。身近な例や商品を調べると、世界と自分の生活のつながりが見えてきます。
フェアトレードの商品であっても、そうでなくても、
ことは、作ってくれた人たちや地球の資源を大切にすることにつながります。フェアトレードの考え方と、とてもよく似た心がけです。
フェアトレードは、
を同時に考えたしくみです。
チョコレートを食べるとき、コーヒー牛乳を飲むとき、Tシャツを着るとき。少しだけ「これはどこで、誰が作ったのかな?」と想像してみることで、世界とのつながりを感じることができます。
フェアトレードについて知ることは、「遠くの誰か」を思いやる第一歩です。身近な買い物から、少しずつ世界をよくしていくことができます。