エマヌエル・クラセ・経歴
ガーディアンズ・エマニュエル・クラセ(Emmanuel Clase)の人物像
100マイル台の“カッター”で打者を封じ、ア・リーグ屈指のクローザーへ。フランチャイズ記録を塗り替えた男、エマヌエル・クラセの歩みと現在地を、わかりやすく整理します。
概要(Overview)
エマヌエル・クラセ(1998年3月18日生、ドミニカ共和国・リオ・サンフアン出身)は、クリーブランド・ガーディアンズのクローザーとして知られる右投手です。2019年にメジャーデビュー後、超高速カットボール(カッター)と90マイル前後のスライダーを武器に、2021年以降セーブシーンを支えてきました。2024年には**球団通算セーブ記録(150)**を樹立し、ア・リーグ年間最優秀救援投手(マリアノ・リベラ賞)を2022年と2024年に受賞しています。
※エマヌエル・クラセは2025年7月以降、MLBのスポーツベッティング調査に関連してノンディシプリナリーの有給離脱扱いとなり、同年11月に起訴報道が出ています(法的手続き中で無罪推定が原則)。
クイック・プロフィール
- 氏名:Emmanuel Clase(エマヌエル・クラセ)
- 生年月日:1998年3月18日
- 出身:ドミニカ共和国・リオ・サンフアン
- 投打:右投右打
- ポジション:救援投手(クローザー)
- 特徴:最速100マイル超の“カッター”、高速スライダー/低四球率
- 主な受賞:ア・リーグ最優秀救援投手(2022・2024)、オールスター(2022–2024)
- 主な記録:ガーディアンズ通算セーブ数歴代1位(2024年8月に150セーブ到達)
年表(Timeline)
2015年
- サンディエゴ・パドレスと国際FA契約。ドミニカ夏季リーグ(DSL)などで育成を重ねる。
2018年5月
- トレードでテキサス・レンジャーズへ(ブレット・ニコラスの後日指名選手)。同年はA–A+で支配的な投球を見せ、将来の後ろ柱候補に。
2019年8月(MLBデビュー)
- レンジャーズでメジャーデビュー。平均99マイル台のカットボールで話題に。
2019年12月(大型トレード)
- **クリーブランド(当時インディアンス)**へ移籍。コーリー・クルーバー⇔クラセ+デリノ・デシールズJr.のトレードで加入。
2020年(出場停止)
- ボルデノン陽性による80試合出場停止。短縮シーズンと重なり、実戦登板はなし。
2021年(台頭)
- 防御率1点台前半、24セーブ。8月には月間最優秀救援投手を受賞し、クローザーに定着。
2022年(初タイトル&長期契約)
- 開幕前に5年2000万ドル+球団OPの延長契約。シーズンでは42セーブでMLB最多、ア・リーグ最優秀救援投手に選出。オールスター初選出、9回を締めてAL勝利に貢献。
2023年(連覇も課題)
- 44セーブで2年連続MLB最多。一方でブロウン・セーブ増/ERA上昇など課題も露呈。
2024年(極致の支配力)
- 防御率0点台、ア・リーグ最優秀救援投手を再受賞。8月に通算150セーブで球団新記録(従来はコーディ・アレンの149)。ポストシーズンでは被本塁打もあったが、総合的にはリーグ屈指の支配力を示す。
2025年(調査・訴追の年)
- 7月に有給離脱(非懲戒)。9月以降も復帰できず、11月に起訴が報じられる。成績面は24セーブ/ERA3点台前半(レギュラーシーズン)。
ピッチング・スタイル
- カットボール(カッター):平均99マイル前後、時に100マイル超。球速と“動き”を両立させた看板球で、バットを折る、弱い当たりを量産するタイプ。
- スライダー:90マイル前後の高速系。空振りと見極めの難しさで三振・ゴロ双方を生む。
- 制球:高出力ながら四球を抑えるのが強み。終盤の1点差を確実に締めるメカニクスとメンタリティが評価される。
主なハイライト
- ア・リーグ最優秀救援投手(マリアノ・リベラ賞):2022年、2024年
- ア・リーグ救援タイトル(セーブ王):2022年、2023年、2024年
- オールスター選出:2022年、2023年、2024年
- ガーディアンズ通算セーブ1位:2024年8月、150セーブ到達で更新(歴代1位)
人となり・トリビア
- 少年期からマリアノ・リベラに憧れ、クローザー像の原点に。
- メジャー初年度から“カッター最速クラス”として注目。受け手の捕手が「これは“モノ”だ」と形容した逸話も。
- ウマに乗るのが好きで、オフは家族とビーチで過ごすのが定番というエピソードも知られる。
現在地と今後の見通し(2025年11月時点)
- MLBと当局によるエマヌエル・クラセのベッティング関連の調査・起訴が進行中。法廷手続きの推移とリーグ規定に基づく処分の行方が焦点です。競技面では、クラセが築いたフランチャイズ記録と複数回のタイトルが示すとおり、健康かつ出場可能であれば依然トップクラスの抑え投手と評価されます。
※最新動向は流動的です。判決やリーグの最終判断が確定すれば、実績の位置づけや今後のキャリア展望にも影響が及びます。
代表的な成績スナップショット
- MLBデビュー:2019年(レンジャーズ)
- 主な所属:2020–(ガーディアンズ)
- 通算セーブ:180台(2025年シーズン終了時点の公表値ベース)
- 武器球:100マイル級カッター/高速スライダー
※公式記録は年度ごとに更新されるため、最新のリーグ公表値をご確認ください。
まとめ
エマヌエル・クラセは希少な“100マイル台のカッター”を操るクローザーとして、短期間でタイトルと球団記録を手中に収めた現代屈指の救援投手です。一方で、2025年は規律外の有給離脱と起訴報道という難局に直面。キャリアの評価は、法的判断とMLBの最終的な処分によって大きく左右される局面にあります。投球内容そのものは一級品であり、競技的ポテンシャルが高いことに疑いはありません。