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Ride on time・意味

Ride on time・意味

🌊 時代を乗りこなせ!山下達郎「RIDE ON TIME」が問いかける和製英語

1980年にリリースされて以来、日本の音楽シーンにおいて、爽やかさとグルーヴの象徴として輝き続けている山下達郎さんの「RIDE ON TIME」。この曲が持つ圧倒的な躍動感は、リリースから40年以上が経過した今も、多くのリスナーを魅了し続けています。Ride on timeってどういう意味なのでしょうか?

実は、このタイトル「RIDE ON TIME」は、英語圏ではほとんど通じない**和製英語(ジャパニーズ・イングリッシュ)です。

今回は、この伝説的なフレーズが持つ意味、そして楽曲が生まれた背景を深掘りし、山下達郎さんの音楽が持つ独創性について考えていきます。


1. 「RIDE ON TIME」の響き

結論から述べると、「RIDE ON TIME」は、ネイティブスピーカーにとって非常に不自然な表現です。

本来、英語で「時間通りに」や「間に合う」といった時間を守る表現には、「on time」や「in time」といった前置詞を使い分けます。

  • “On time”: 定刻に、予定通りに(電車が時間通りに来るなど)
  • “In time”: (期限などに)間に合って(会議に間に合うなど)

一方で、「ride on」という表現は「〜に乗る」「〜に頼る」といった意味合いがありますが、これに「time」を続けた「RIDE ON TIME」という表現は、「時間に乗る」という直訳になり、文法的な意味よりも、詩的なイメージを優先した言葉と言えます。

つまり、山下達郎さんは、英語としての正確さよりも、このフレーズの持つ**「時を駆けるようなスピード感」や「時代の波を乗りこなす躍動感」**といった、聴覚的なインパクトと視覚的なイメージを追求したのです。

2. 制作背景に見る「時代の波」との共鳴

この楽曲が誕生した背景を知ると、「RIDE ON TIME」という言葉の重みがさらに増します。

「RIDE ON TIME」は、元々、日本航空(JAL)の沖縄キャンペーンCMソングとして書き下ろされました。このタイアップは、山下達郎さんにとって、シュガー・ベイブ時代からの活動を経て、初めての大きなヒットをもたらすことになります。

当時の山下さんは、制作費の捻出などに苦心する状況から、このヒットによって一気に**「心置きなく創作活動に打ち込める」**環境を手に入れます。

まさに、この曲の歌詞にある「僕の輝く未来 さあ回り始めて」は、山下達郎さん自身のキャリアと未来が大きく動き出した瞬間を象徴しているとも言えるでしょう。

「RIDE ON TIME」というタイトルは、単なる時間厳守の意味ではなく、

  • 「時代の潮流に乗る」
  • 「自分の人生の時を自らコントロールして進む」
  • 「この瞬間を逃さず駆け出す」

という、若々しくエネルギッシュなメッセージを内包しているのです。

3. 日本独自のグルーヴを生んだリズムセクション

「RIDE ON TIME」を語る上で欠かせないのが、その強烈なグルーヴです。

この曲が収録された同名のアルバム『RIDE ON TIME』は、ドラムの青山純さん、ベースの伊藤広規さんという強力なリズム隊が全編参加した初のアルバムであり、彼らが作り出す生き生きとしたファンク・ビートが、日本語のポップスと見事に融合しました。

正確にはディスコ・サウンドとは一線を画す、**「ファンク・ビートが日本語と出会った」**山下達郎さんならではのポップ・ミュージックがここに誕生したのです。この練り上げられたリズムの躍動感が、「RIDE ON TIME=時を乗りこなす」というテーマを音楽的に体現しています。

4. まとめ:和製英語が切り開いた表現の可能性

山下達郎さんの「RIDE ON TIME」は、英語のルールにとらわれず、音の響きとイメージの力を最大限に引き出した和製英語の成功例です。

言葉の正確さよりも、聴く人の心にダイレクトに響く**「感覚的な表現」**を追求した結果、この曲は時代を超えた名曲となりました。この独自の感性こそが、日本のシティポップが世界中から注目を集める要因の一つと言えるでしょう。

次にこの曲を聴くときは、その和製英語のフレーズに込められた「時を乗りこなす力強い意志」と、それを支える圧倒的なグルーヴをぜひ感じてみてください。


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