メジャーリーグベースボール(MLB)のナショナルリーグ東地区に所属するフィラデルフィア・フィリーズは、1883年創設という長い歴史を持つ伝統ある球団です。その歴史の中で、フィリーズのユニフォームをまとい、数々の栄光を築き上げてきた有名選手たちは、今もファンの心に深く刻まれています。
本記事では、フィリーズの歴史を彩る「レジェンド選手」と、現在チームの中心として活躍する「現役のスター選手」に焦点を当て、その魅力をたっぷりとご紹介します。
フィリーズの長い歴史の中で、球団の顔として活躍し、野球殿堂入りを果たした選手は数多く存在します。その中でも特に語り継がれるべきレジェンドをピックアップします。
「史上最高の三塁手」の一人として、多くのファンから愛されるフィリーズの絶対的なレジェンドです。1972年から1989年までフィリーズ一筋でプレーし、そのキャリアを通じて驚異的な成績を残しました。
史上最高の左腕投手の一人として知られ、「リーフ」の愛称で親しまれました。1972年から1986年までフィリーズのエースとして君臨し、特に1972年のシーズンは、チームが最下位にもかかわらず驚異の27勝を挙げ、サイ・ヤング賞を受賞しました。
1950年代のフィリーズを支えた不屈のエース。1948年から1961年まで在籍し、タフなピッチングで知られました。1950年にチームを「ウィズ・キッズ」として知られる1915年以来のリーグ優勝に導いた中心人物です。
2008年にフィリーズに28年ぶり2度目のワールドシリーズ制覇をもたらした黄金時代の選手たちも、フィリーズファンにとって忘れられないスターです。
長い低迷期を経て、近年再び強豪の座に返り咲いたフィリーズ。現在のチームには、MLB全体でもトップクラスの実力を持つスター選手が揃っています。
フィリーズの現役最強の顔であり、球界を代表するスラッガーです。2019年に大型契約で加入して以来、チームの主砲として君臨し、そのリーダーシップとクラッチヒッティングでチームを牽引しています。
2023年に加入した、球界屈指のスピードスター。走攻守の三拍子揃った遊撃手であり、打線の中心を担っています。そのスピードと確実な打撃で、フィリーズの攻撃に多様性をもたらしています。
フィリーズの強力な先発ローテーションを支える二枚看板です。
「ベスト・キャッチャー・イン・ベースボール」と呼ばれる攻守にわたって傑出した捕手です。その強肩と捕球技術はMLBトップクラスであり、打撃でもパンチ力があります。
フィラデルフィア・フィリーズは、マイク・シュミットやスティーブ・カールトンのような伝説的な選手に支えられた豊かな歴史を持ちながら、ブライス・ハーパー、トレイ・ターナーといった現役のトップスターが、再びチームを黄金時代へと導かんとしています。
熱狂的なフィラデルフィアのファンに愛されながら、彼らが今後どのような輝かしい歴史を積み重ねていくのか、その活躍から目が離せません! ぜひ、フィリーズの試合をチェックして、彼らの熱いプレーを体感してください。
フィラデルフィア・フィリーズは、1883年の創設以来、一度もフランチャイズ(本拠地)の都市名と球団名が変わっていない、アメリカのプロスポーツ史上最も長く続いている球団です。
長い歴史の中で、フィリーズは残念ながら多くの敗戦を経験しています。2007年7月15日、フィリーズはセントルイス・カージナルスに敗れ、MLBの歴史で初めて通算10,000敗を記録したチームとなってしまいました。しかし、この屈辱的な記録から約3ヶ月後、チームは14年ぶりに地区優勝を果たし、翌2008年にはワールドシリーズを制覇しています。
フィリーズという名前は長年使われていますが、第二次世界大戦中の1940年代には、短期間だけチーム名が変わったことがあります。1940年代初頭の低迷期の後、新オーナーがファン投票を実施した結果、「フィラデルフィア・ブルージェイズ (Philadelphia Blue Jays)」という名前が選ばれ、1944年と1945年の2シーズン、ユニフォームに「ブルー・ジェイズ」のロゴが入れられました。しかし、成績は変わらず、すぐに元の「フィリーズ」に戻されました。
フィラデルフィアのスポーツ界には、1987年に建設された高層ビル「リバティ・プレイス」が、市庁舎の塔の上にあるフィラデルフィアの創設者ウィリアム・ペン(William Penn)の像の高さ(約167m)を超えてしまったため、「フィラデルフィアのどのプロスポーツチームも優勝できなくなる」という「ウィリアム・ペンの呪い」が信じられていました。
フィリーズの本拠地であるシチズンズ・バンク・パークには、ライトスタンド後方にフィラデルフィアの象徴である「自由の鐘(Liberty Bell)」の巨大なレプリカが設置されています。フィリーズの選手がホームランを打つたびに、この鐘が鳴り響くのが名物となっています。
フィリーズのマスコット「フィリー・ファナティック(Phillie Phanatic)」は、緑色の毛むくじゃらの生物で、MLBで最も有名で、フォーブス誌などによって「スポーツ界で最も人気のあるマスコット」の一つに選ばれたことがあります。その奇抜な行動とユーモラスなパフォーマンスで、フィラデルフィアのファンから絶大な支持を得ています。
1971年6月13日、フィリーズの投手**リック・ワイズ(Rick Wise)**は、シンシナティ・レッズを相手にノーヒットノーランを達成しました。さらに驚くべきことに、この試合でワイズは打者としても活躍し、2本塁打を放っています。これは、MLB史上、ノーヒットノーランを達成した試合で複数本塁打も打った唯一の選手という偉業です。
2019年にブライス・ハーパーがフィリーズと契約した際、契約発表後の48時間で、彼のフィリーズのユニフォームの売上は、当時のスポーツ史上で最も早く100万ドル(約1.5億円)に到達したと報じられました。