2025年9月21日現在:
プロ野球選手にとって、一つの球団やリーグでキャリアを終えることは珍しくありません。しかし、近年では日本とメジャーリーグ(MLB)の両方で活躍する選手も増え、彼らのキャリア通算安打数を正確に把握することは簡単ではありません。
この記事では、NPB(日本プロ野球)とMLBのレギュラーシーズンにおける公式戦安打を合算した「日米通算安打ランキング」を独自に集計しました。ポストシーズンやオープン戦、独立リーグなどの記録は除外し、純粋なレギュラーシーズンの安打数に焦点を当てています。
2025年9月21日現在の最新データに基づき、国籍不問の総合ランキングと日本人選手に絞ったランキングをそれぞれご紹介します。日米のトップリーグで安打を積み重ねてきた選手たちの、輝かしい足跡をぜひご覧ください。
順位 | 選手 | 日米通算安打 | NPB | MLB |
---|---|---|---|---|
1 | イチロー(Ichiro Suzuki) | 4,367 | 1,278 | 3,089 |
2 | 青木 宣親(Norichika Aoki) | 2,730 | 1,956 | 774 |
3 | 松井 稼頭央(Kazuo Matsui) | 2,705 | 2,090 | 615 |
4 | 松井 秀喜(Hideki Matsui) | 2,643 | 1,390 | 1,253 |
5 | 福留 孝介(Kosuke Fukudome) | 2,449 | 1,951 | 498 |
6 | 城島 健司(Kenji Johjima) | 2,268 | 1,837 | 431 |
7 | 井口 資仁(Tadahito Iguchi) | 2,254 | 1,760 | 494 |
8 | アンドリュー・ジョーンズ(Andruw Jones) | 2,148 | 215 | 1,933 |
9 | 中村 紀洋(Norihiro Nakamura) | 2,106 | 2,101 | 5 |
10 | アレックス・ラミレス(Alex Ramirez) | 2,103 | 2,017 | 86 |
11 | アダム・ジョーンズ(Adam Jones) | 2,053 | 114 | 1,939 |
12 | 田口 壮(So Taguchi) | 1,983 | 1,601 | 382 |
13 | 秋山 翔吾(Shogo Akiyama) | 1,830 | 1,759 | 71 |
14 | 岩村 明憲(Akinori Iwamura) | 1,585 | 1,172 | 413 |
15 | 新庄 剛志(Tsuyoshi Shinjo) | 1,524 | 1,309 | 215 |
順位 | 選手 | 日米通算安打 | NPB | MLB |
1 | イチロー | 4,367 | 1,278 | 3,089 |
2 | 青木 宣親 | 2,730 | 1,956 | 774 |
3 | 松井 稼頭央 | 2,705 | 2,090 | 615 |
4 | 松井 秀喜 | 2,643 | 1,390 | 1,253 |
5 | 福留 孝介 | 2,449 | 1,951 | 498 |
6 | 城島 健司 | 2,268 | 1,837 | 431 |
7 | 井口 資仁 | 2,254 | 1,760 | 494 |
8 | 中村 紀洋 | 2,106 | 2,101 | 5 |
9 | 田口 壮 | 1,983 | 1,601 | 382 |
10 | 秋山 翔吾 | 1,830 | 1,759 | 71 |
11 | 岩村 明憲 | 1,585 | 1,172 | 413 |
12 | 新庄 剛志 | 1,524 | 1,309 | 215 |
13 | 川崎 宗則 | 1,421 | 1,271 | 150 |
14 | 大谷 翔平 | 1,340 | 296 | 1,044 |
15 | 西岡 剛 | 1,291 | 1,241 | 50 |
イチロー選手の日米通算4,367安打は、プロ野球における最多安打数のギネス世界記録として認定されています。この記録は、ピート・ローズが持つメジャーリーグの通算安打記録4,256本を上回る数字として、日米で大きな話題となりました。
メジャーリーグ単独での通算2,000本安打を達成した日本人選手は、イチロー選手と青木宣親選手の2人だけです。
「日米通算」という考え方が広く知られるようになったのは、イチロー選手がメジャーリーグに移籍し、ピート・ローズの持つ記録に迫る過程でメディアが盛んに報道したことがきっかけです。それまでは、NPBとMLBの記録を合算して評価することは一般的ではありませんでした。
2人とも日米両方で活躍しましたが、安打数の内訳が対照的です。イチロー選手はMLBでの安打が圧倒的に多く、松井選手はNPBとMLBでの安打数がほぼ同じくらいになっています。これは、イチロー選手がメジャーで長期間にわたってプレーし、キャリア晩年まで主力選手として活躍したことの表れです。
アレックス・ラミレス選手は、メジャーリーグでの安打数がわずか86本ですが、NPBでは2,017安打を放ち、外国人選手として史上初のNPB通算2,000本安打を達成しました。日米通算安打数も2,103本に達しており、日本でいかに卓越した打者であったかがわかります。
ランキングを見ると、青木宣親選手が2位に位置しています。イチロー選手の日米通算4,367安打はまさに「レジェンド級」の記録であり、2位の青木選手との差は歴然です。このことからも、イチロー選手の記録がいかに偉大であるかがわかります。
イチロー選手がピート・ローズのメジャー通算安打記録4,256本を日米通算で上回った際、ローズ本人は「NPBの記録とMLBの記録は同列ではない」という主旨の発言をしました。これに対し、多くのMLB関係者やファン、そしてイチロー選手自身も「記録は記録として尊重し、プレーを評価すべき」という立場を取りました。この一件は、日米の野球文化や記録に対する考え方の違いを浮き彫りにした出来事として、今でも語り継がれています。
福留孝介選手は、メジャーリーグでのプレー後、日本のプロ野球に復帰しました。いわゆる「逆輸入」選手として、日本球界で再び活躍し、安打数を積み重ねて引退しました。特に、阪神タイガース時代にチームの精神的支柱として若手を引っ張り、ベテランとしての役割を果たしたことは、彼のキャリアを語る上で欠かせないエピソードです。
大谷翔平選手が日米通算ランキングに加わったことは、野球界の記録の解釈に新たな視点をもたらしました。これまでの「野手」としての安打数とは異なり、投手として登板しながら打者としても安打を積み重ねるという、類を見ないキャリアだからです。この「二刀流」の成功により、今後、MLBやNPBの記録集計方法がさらに多様化する可能性も示唆されています。
日本の野球界には「名球会」という、NPBでの通算安打2,000本以上、または通算勝利数200勝以上、または通算セーブ数250セーブ以上の選手だけが入会できる団体があります。日米通算安打数はこの名球会の入会資格とは直接関係ありませんが、多くの日米通算安打ランキング上位の選手が、NPB単独の安打数でも名球会入りの資格を満たしています。例えば、イチロー選手はNPB単独では名球会入りしていませんが、松井秀喜選手はNPBでの活躍で名球会入りしています。この違いも、各選手のキャリアのユニークさを物語っています。
ランキングに名を連ねる川崎宗則選手は、メジャーリーグでは多くの安打を記録したわけではありませんが、その明るいキャラクターとひたむきなプレーで、日米両方のファンから「ムネリン」として愛されました。メジャーのロッカールームでチームメイトを笑顔にしたり、常に全力疾走でプレーしたりする姿勢は、安打数だけでは測れない、彼独自の価値を築きました。
あくまで大胆な予測ですが、彼の生涯安打数は日米通算3500本前後と予想されます。
この予測には、いくつかの仮定と根拠があります。
この大胆予測は、以下のシナリオに基づいています。
もちろん、怪我やコンディションの変動など、予測を難しくする要因は数多くあります。しかし、大谷選手の持つ野球への飽くなき探求心、そして天性の打撃センスを考えると、日米通算3500安打という数字は、決して夢物語ではないと考えられます。
この数字は、日米通算安打ランキングにおいて、イチロー選手に次ぐ2位に位置する偉大な記録となります。