マイナンバーカード・保険証登録しないとどうなる？

マイナンバーカードと保険証の一体化

2024年12月に「紙の健康保険証」は原則廃止され、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への移行が進められています。

しかし、マイナンバーカードの保険証登録をしないとどうなるのか？という不安や疑問を抱えている方も多いはずです。

この記事では、マイナンバーカードの保険証利用登録をしない場合に起きること、例外的措置、そして今後の注意点について、分かりやすく解説します。

✅ 登録しないとどうなる？

1. 紙の保険証は原則廃止に

2024年12月以降、新たに紙の保険証は交付されなくなります。しかし完全に廃止されるわけではなく、登録していない人のために「資格確認書」という代替措置が用意されます。

2. 自動的に“資格確認書”が発行される

登録しなかった場合でも、保険証が使えなくなることはありません。その代わり、健康保険組合などが「資格確認書」を発行します。この書類を医療機関で提示することで、従来の保険証と同様に医療を受けられます。

ただし、

• 有効期間が短い（基本的に1年更新）
• 一部の医療機関では手続きに時間がかかる可能性あり
• マイナ保険証利用者限定のサービス（薬剤情報の共有など）が使えない
• 紛失時の再発行にも手間がかかる
• 自治体によっては発行までに日数を要する

という 不便さ があります。

3. 医療機関での受付がスムーズにいかない場合も

マイナ保険証が普及する中で、医療機関のシステムもそれに対応しています。資格確認書を使うと、確認に時間がかかる、もしくは窓口で再確認を求められることがあり、待ち時間が延びる可能性も。

また、マイナ保険証によって情報が自動で確認できる医療機関では、紙の資格確認書を提示することで一部のサービスに制限がかかる可能性もあります。

🔍 登録しない人が多い理由とは？

登録をためらう人が多い理由には以下のようなものがあります：

• 情報漏洩への懸念
  過去にシステムトラブルや誤登録の事例が報道されたことから、不安を感じる人も多いです。
• メリットが分かりづらい
  薬剤情報の共有などの利便性がピンと来ないという声も。
• 手続きが面倒そうに見える
  スマホやパソコンでの申請方法が分かりづらいという意見もあります。
• 個人情報が一括管理されることへの警戒
  マイナンバーと医療情報の紐づけに抵抗を感じる人も。
• 高齢者やデジタル機器に不慣れな層の申請困難
  本人確認やパスワード管理が難しいという声もあり、家族が代行する場合の手続きも煩雑です。

💡 登録しないままでも問題ないのか？

一応、医療は受けられます

資格確認書がある限り、医療サービスは従来通り受けられます。ただし、上記のような手間や制限があるため、将来的には登録を検討した方が便利です。

今後の制度変更の可能性にも注意

現在は移行期間として猶予が設けられていますが、将来的には資格確認書の取り扱いも制限される可能性があります。政府としては最終的にマイナ保険証への一本化を目指しており、今後の法改正などで制度が厳格化されることも考えられます。

また、マイナ保険証を活用したオンライン資格確認システムが拡大すれば、紙の資格確認書を使う人が一部の医療機関で診療を受けられないケースも出てくるかもしれません。

Q&A：よくある質問

Q. 登録は強制ですか？

A. いいえ、強制ではありません。あくまでも任意の登録です。しかし、政府は「全世代型社会保障改革」の一環としてマイナ保険証の普及を強く推進しており、実質的には登録を促す方向へ制度が設計されています。たとえば、マイナ保険証の利用を条件にした医療費控除の拡大や、一部の医療機関での迅速な受付など、利便性の差が生まれています。

今後、医療現場での標準がマイナ保険証になっていく中で、登録していないことが結果的に「選択的な不便さ」を生む可能性が高まるでしょう。したがって、「強制ではないが、事実上の推奨登録」と言っても過言ではありません。

Q. マイナンバーカード自体が無い場合は？

A. まずはマイナンバーカードの取得が前提になります。カードの申請はオンライン、郵送、または市区町村の窓口で行えます。申請から交付までは通常2〜3週間程度かかります。取得には本人確認書類（運転免許証やパスポートなど）が必要で、暗証番号の設定も必要となるため、特に高齢者には家族のサポートが有効です。

カードを取得した後、保険証として利用するには別途「マイナポータル」や医療機関の窓口、または一部のコンビニ設置端末（マルチコピー機）などから利用登録を行う必要があります。登録は一度すれば継続して有効です。

Q. 登録したら何が便利になるの？

A. 登録によって得られる具体的なメリットは多岐にわたります：

• 薬剤・検診情報の共有（医療機関や薬局間で情報連携され、重複投薬や検査の回避につながる）
• 窓口での保険証忘れリスクなし（カード1枚で完結）
• 高額療養費制度の即時適用（限度額適用認定証の事前申請が不要）
• 就職・転職・転居時の保険証切り替えがスムーズに（事業所や自治体間での手続きが簡素化）
• 医療費通知の電子化（マイナポータル上で確認可能）
• 家族の医療費もまとめて管理（扶養者の情報も統合可能）
• 災害時や旅行中でも全国どこでも利用できる（避難先でも保険証利用が可能）

これらの機能により、従来の紙の保険証では実現できなかった「一元管理」と「迅速な情報共有」が実現され、結果的により安心で合理的な医療環境につながります。

📝 結論：登録しないと困るわけではないが、徐々に不便に

マイナンバーカードの保険証登録は、現時点では義務ではないものの、登録しないと徐々に不便になる可能性が高いです。とはいえ、国も移行の混乱を避けるため、しばらくは資格確認書などの措置を続ける方針です。

将来的な利便性や制度の安定性を考慮すると、できるだけ早めにマイナ保険証に登録しておくのが安心です。

不安がある場合は、周囲の医療機関や自治体の窓口でしっかり相談し、自分の状況にあった選択をするのがベストです。