Japan Luggage Express
Japan Luggage Express Ltd.

美人局・読み方・なぜ「つつもたせ」

美人局・読み方・なぜ「つつもたせ」

「美人局」の意外な正体と恐ろしい手口を徹底解説

駅の看板や時代劇、あるいは小説などでたまに見かける「美人局」という四字熟語。皆さんはこれ、なんと読んでいますか?

「びじんきょく」? 残念! 実はこれ、**「つつもたせ」**と読むのが正解なんです。多くの人が漢字の見た目から想像する読み方とは全く異なる、この独特な響き。一体なぜ「つつもたせ」と読むのでしょうか?そして、「美人局」とは具体的にどんなことを指すのでしょうか?今回は、この言葉の謎とその背後にある恐ろしい手口について、その歴史的背景から現代の手口、そして万が一の対処法まで、詳しく深掘りしていきます。

なぜ「美人局」と書いて「つつもたせ」と読むの?その語源を紐解く

この非常にユニークな読み方には、主に二つの有力な語源説が関係していると言われています。それぞれの説が絡み合い、現在の「美人局(つつもたせ)」という言葉が形成されたと考えられています。

1. 「筒持たせ(つつもたせ)」からの転用

まず一つ目の説は、日本語固有の言葉である**「筒持たせ(つつもたせ)」**に由来するというものです。もともと「筒持たせ」とは、サイコロ賭博などで筒に細工をして、出目を操作するようなイカサマ行為を指す言葉でした。筒の中にサイコロを入れ、特定の結果が出るように細工を施すことから、この名前がついたとされています。

この「筒持たせ」という言葉が、次第に賭博の世界を超え、広く一般的に「人を騙したり、いんちきをしたりする行為全般」を指すようになりました。特に、男女が共謀して第三者から金品を騙し取る、いわゆる「色仕掛け」を使った詐欺や恐喝の手口に対して使われるようになったのです。ここには、巧妙な仕掛けや計画性が含まれるという共通点が見られます。

2. 中国の古典「武林旧事」との融合

もう一つの説は、中国の古典に登場する漢字「美人局」との結びつきです。古い中国の書物、特に南宋時代の「武林旧事(ぶりんきゅうじ)」という書物には、遊女を妻や妾と偽り、少年を騙して金品を奪う犯罪が**「美人局(びじんきょく)」**として登場します。ここでの「局」は「策略」や「計画」といった意味合いで使われており、「美人を使った策略」というニュアンスになります。

この中国由来の「美人局」という漢字が日本に伝わった際、先に述べた日本語の「筒持たせ」という、「騙し」を意味する言葉の読みが、その漢字に当てはめられたと考えられています。つまり、中国の「美人局」という漢字が示す犯罪行為の内容と、日本の「筒持たせ」という言葉が持つ「騙し」の意味合いが非常に近かったため、互いに融合し、「美人局(つつもたせ)」という独特な読み方の言葉が生まれたというわけです。

漢字の見た目と、実際に使われる言葉の意味、そしてその読み方が複雑に絡み合って形成された、非常に興味深い言葉と言えるでしょう。

「美人局(つつもたせ)」の恐ろしい手口とは?その巧妙な罠と被害の拡大

では、「美人局(つつもたせ)」とは具体的にどのような犯罪行為を指すのでしょうか?その手口は非常に巧妙で、被害に遭った男性が抵抗しにくい心理的な側面を突いてきます。

基本的な構図としては、**男女が共謀し、女性がターゲットとなる第三者の男性を誘惑することから始まります。**具体的には、以下のような段階を踏むことが多いです。

女性による誘惑

共犯の女性が、出会いの場(バー、クラブ、最近ではマッチングアプリやSNSなど)で男性に接近し、恋愛感情を抱かせたり、親密な関係に持ち込もうとします。

密会や親密な関係の形成

誘惑に乗った男性と女性は、ホテルなどで肉体関係を持つことが多く、これが後の恐喝の「証拠」として利用されます。

共犯男性の登場と脅迫

関係を持った直後、あるいは後日、共犯の男性(女性の夫や恋人、あるいは兄などを装うことが多い)が突然現れます。男性は不貞行為を働いたとして、被害者男性を激しく非難し、世間に暴露すると脅したり、職場や家族に連絡すると言い放ったりします。

金銭の要求

これらの脅迫によって被害者男性を精神的に追い詰めた上で、示談金や慰謝料、あるいは口止め料といった名目で、高額な金銭を要求してきます。

被害者男性は、自分の不貞行為が公になることを恐れたり、トラブルに巻き込まれたくないという心理が強く働くため、要求されるがままに大金を支払ってしまうケースが少なくありません。家族や仕事への影響を考えると、警察に相談することすらためらってしまう人もいるでしょう。

昔から存在する古典的な手口ではありますが、その形は時代とともに変化しています。インターネットの普及により、出会いの場が多様化した現代では、マッチングアプリやSNSを悪用した**「ネット美人局」**も深刻な問題となっています。写真やメッセージのやり取りで巧妙に罠を仕掛け、直接会う段階で金銭を要求したり、性的な動画を盾に脅迫したりするケースも報告されており、その手口はますます巧妙化し、潜在的な被害が拡大しています。

もし「美人局」に遭ってしまったら?冷静な対処と適切な相談先

万が一、このような悪質な「美人局」の罠にかかってしまった場合は、焦らず冷静に対応することが何よりも重要です。パニックになり、相手の要求に安易に応じてしまうと、さらなる被害に繋がりかねません。

安易に金品を渡さない

最も重要なのは、相手の要求にその場で応じたり、安易に金品を渡したりしないことです。一度お金を払ってしまうと、相手は味を占めてさらなる要求をしてくる可能性があります。冷静に「今すぐには用意できない」「弁護士に相談してから連絡する」などと伝え、時間を稼ぎましょう。

すぐに警察や弁護士に相談する

一人で抱え込まず、すぐに専門家へ相談してください。美人局は、恐喝罪や詐欺罪に該当する明白な犯罪行為です。

  • 警察:脅迫を受けている場合は、躊躇なく警察に相談しましょう。地域の警察署の生活安全課やサイバー犯罪相談窓口などが対応してくれます。
  • 弁護士:法律の専門家である弁護士に相談すれば、法的な観点から適切なアドバイスを受けられ、交渉の代理や被害回復のための手続きを進めてもらうことができます。

可能な限り証拠を残す

もし可能であれば、相手とのやり取りの録音(スマートフォンの録音機能など)、メッセージのスクリーンショット、LINEやSNSの履歴、女性と会った場所や時間、金銭を要求された際の具体的な内容など、証拠になりうるものをできるだけ記録しておきましょう。これらの証拠は、警察への届け出や弁護士への相談時に非常に役立ちます。

個人情報を安易に教えない

相手に氏名、住所、電話番号、勤務先などの個人情報を安易に教えないようにしましょう。もしすでに教えてしまっている場合でも、今後の対処法について専門家と相談することが大切です。

まとめ

「美人局(つつもたせ)」という言葉は、その独特な読み方と漢字表記の由来からして非常に興味深いものです。しかし、その実態は人の心理的な弱みにつけ込み、巧妙に金銭を巻き上げる悪質な犯罪行為にほかなりません。

現代においては、出会いの手段が多様化し、インターネットを活用した新たな手口も横行しています。こうした犯罪から身を守るためには、言葉の意味や手口を正しく理解し、冷静に対処する知識と心構えが不可欠です。

万が一被害に遭ってしまった場合も、慌てずに専門家へ相談し、証拠をしっかりと残すことが重要です。この記事が皆さんの防犯意識を高め、万一の時に役立つ一助となれば幸いです。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *