アメリカのアイドル
アメリカのアイドルといえば誰?代表的なスターを時代別に紹介
「アメリカのアイドルって、具体的に誰のこと?」──多くの読者が一番知りたいのは、ここではないでしょうか。
日本では「アイドル」というと、ジャニーズ系グループや48グループ、K-POPアイドルなど、「顔と名前がセットになった存在」がすぐに思い浮かびます。一方で、アメリカの場合は文化やビジネスの成り立ちが少し違うため、
- アメリカのアイドル的存在にはどんな人がいるのか
- 時代ごとに「ティーンの心をつかんだスター」は誰だったのか
- 日本の“アイドル”とのイメージのズレ
といったことが分かりづらくなりがちです。
そこで今回は、「アメリカのアイドルといえばこの人たち!」という形で、具体的なスターの名前を挙げながら、時代別に整理してご紹介します。日本の読者がイメージをつかみやすいよう、簡単な特徴や日本での知名度も交えつつ解説していきます。
1. 大前提:アメリカの「アイドル」は“若者に愛されるスター”全般
本題に入る前に、アメリカにおける「アイドル」という言葉の使われ方を、かんたんに整理しておきます。
- アメリカには、日本のような「アイドル専門の芸能ジャンル」はほぼ存在しない
- その代わり、若い世代に熱狂的に支持されるスターを「teen idol(ティーン・アイドル)」などと呼ぶ
- 歌手・俳優・タレント・ダンサーなど、ジャンルは問わない
つまり、
「アイドル」という“職業”があるわけではなく、 「若者から見て憧れの対象・ポスターになるようなスター」を指すラベル
と考えると分かりやすいです。
この前提を押さえつつ、「アメリカのアイドルといえば誰?」という疑問に、時代を追いながら答えていきます。
2. 1950〜70年代:ロックンロールとテレビが生んだ“元祖・ティーンアイドル”
まずは、アメリカのポップカルチャーが大きく花開いた1950〜70年代から見ていきましょう。
2-1. エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)

アメリカのアイドル的スターを語るうえで、真っ先に挙がるのがエルヴィスです。
- 「ロックンロールの王様(The King of Rock and Roll)」と呼ばれる伝説的歌手
- セクシーな腰の動きや派手な衣装で当時の若者を熱狂させた
- レコード、映画、テレビ出演などあらゆるメディアで大人気に
日本でいう「国民的スター」と「カリスマ・アイドル」を足したような存在で、まさに“元祖ティーンアイドル”といえるでしょう。
2-2. モンキーズ(The Monkees)

- 1960年代にテレビドラマから生まれた4人組グループ
- ビートルズ風のポップな曲とコミカルなイメージで人気に
- テレビで毎週見られる“身近なスター”として、当時のティーンにとってはまさにアイドル的存在
日本の感覚に近づけて言うなら、「ドラマ発のアイドルグループ」に近いイメージです。
2-3. デヴィッド・キャシディ(David Cassidy)など“アイドル俳優”
- テレビ番組『バーニー一家(The Partridge Family)』でブレイク
- 甘いマスクと歌声で10代の女の子たちの人気を独占
この時代は特に、テレビドラマやバラエティ番組から若手スターが生まれ、雑誌の表紙やポスターを飾るというパターンが多く、今でいう「アイドル俳優」「ジャニーズ系タレント」に近い役割を担っていました。
3. 1980〜90年代:MTVとボーイズグループの時代
1980年代以降、音楽専門チャンネルMTVの登場によって、「ミュージックビデオで魅せるスター」が世界的に影響力を持つようになります。
3-1. マドンナ(Madonna)

- 1980年代を代表するポップクイーン
- 「Like a Virgin」「Material Girl」など数々のヒット曲
- ファッション、メイク、ダンス、ステージ演出すべてがティーンの憧れに
日本で言えば「歌姫+ファッションアイコン+カリスマ」を全部のせしたような存在で、「アイドル」という言葉を超えた象徴的スターです。
3-2. ボーイズグループ:NKOTB、バックストリート・ボーイズ、イン・シンク
New Kids on the Block(NKOTB)
- 1980年代後半〜90年代前半にかけて人気を博したボーイズグループ
- 日本でいえばSMAPや光GENJI的なポジション
- 当時のティーンの部屋にはポスターが貼られ、雑誌の切り抜きが集められました
*Backstreet Boys / NSYNC
- 1990年代〜2000年代初頭を代表するボーイズグループ
- 日本でも知名度が高く、「アメリカ版ジャニーズ」のように見られることも
これらのグループはまさに、
「歌って踊れてイケメンが集まった“アメリカ版アイドルグループ”」
として、今でも世代によっては「青春そのもの」と語られる存在です。
3-3. ブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)

- 1999年のデビュー曲「…Baby One More Time」が世界的大ヒット
- 制服風衣装やダンスが話題となり、ティーンのファッションアイコンに
- 2000年代初頭の“世界で最も有名なポップアイドル”の一人
日本の「ソロ女性アイドル」でここまで世界的に知られている存在は少ないため、「アメリカのアイドルといえば?」と聞かれて真っ先にブリトニーを挙げる人も多いです。
4. 2000年代:ディズニーチャンネルと『アメリカン・アイドル』出身スター
2000年代に入ると、アメリカの「アイドル的スター」のルートはさらに多様になります。その中でも日本の読者に分かりやすいのが、
- ディズニーチャンネルのドラマ・映画出身のスター
- オーディション番組『American Idol』出身のシンガー
です。
4-1. ディズニー発アイドル的スター
マイリー・サイラス(Miley Cyrus)
- ディズニーチャンネルのドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』主演
- 創作上の“普通の女の子+人気ポップスター”という二重生活設定で爆発的人気
- 劇中歌やアルバムも大ヒットし、ティーンのカリスマに
セレーナ・ゴメス(Selena Gomez)
- ディズニーチャンネルのドラマ『ウェイバリー通りのウィザードたち』でブレイク
- 歌手としても活動し、若い世代のロールモデル的存在に
ジョナス・ブラザーズ(Jonas Brothers)
- ディズニー系映画・ドラマ出演をきっかけに人気が急上昇した3兄弟バンド
- 甘いルックスとキャッチーなポップロックで、ティーンから支持を集めた
これらのスターたちは、日本でいう「NHKの子ども番組や学園ドラマからブレイクした若手タレント」が、そのまま世界的ポップスターになってしまったようなイメージです。
4-2. 『American Idol』出身のスター
2002年にスタートしたオーディション番組『American Idol』は、まさに“夢をつかむ一般人”を次々にスターに押し上げました。
代表的な出身者としては、
- ケリー・クラークソン(Kelly Clarkson)
- キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)
などが挙げられます。
彼女たちは、
- 圧倒的な歌唱力
- 感情豊かなバラード
- 親しみやすいキャラクター
で、多くの視聴者から「自分たちの世代のアイドル」として支持されてきました。
5. 2010〜2020年代:ポップスターとSNS時代の“新しいアイドル”
最近のアメリカでは、従来のテレビやラジオに加え、SNSやストリーミングサービスが人気の中心になっています。その中で、「アイドル的存在」として世界的に知られているのが次のようなアーティストです。
5-1. テイラー・スウィフト(Taylor Swift)

- カントリー歌手としてデビューし、その後ポップスへシフト
- 恋愛や人生の悩みを等身大の歌詞でつづり、世界的な共感を集める
- ツアーは各国で即日ソールドアウト、ファンは“Swifties(スウィフティーズ)”と呼ばれる
「アイドル」というより「スーパースター」ですが、
同世代の女性たちの気持ちを代弁し、ファッションや生き方にも大きな影響を与えている
という意味で、現代アメリカを代表する“アイドル的存在”と言えるでしょう。
5-2. ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)

- カナダ出身のシンガーで、YouTubeにアップされた動画をきっかけにスカウトされた“ネット発”スター
- 10代前半でデビューし、「Baby」などのヒット曲で世界中の同世代から熱狂的な支持を集めた
- ファンは“Beliebers(ビリーバーズ)”と呼ばれ、髪型やファッションを真似する人が続出
日本でいう「典型的なティーンアイドル像」に最も近い存在の一人で、
「アメリカのアイドルといえば? → ジャスティン・ビーバー」
と答える人も多いほどです。若くして成功したがゆえのスキャンダルや葛藤も含めて、まさに“Z世代以前のティーン文化を象徴するスター”と言えるでしょう。
5-3. アリアナ・グランデ(Ariana Grande)
- もともとは子ども向けチャンネルNickelodeonのドラマ出身
- 伸びやかな高音とパワフルな歌声で世界的ポップスターに
- ポニーテールやメイクも含め、ビジュアル面での影響力も大きい
日本の感覚から見れば、「超実力派の歌唱力を持つアイドル」といったポジションです。
5-4. ビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)、オリヴィア・ロドリゴ(Olivia Rodrigo)など
ビリー・アイリッシュ
- ダークで内省的な世界観と低めのウィスパーボイスが特徴
- 従来の“キラキラしたアイドル像”とは真逆のスタイルだが、若者に絶大な支持
オリヴィア・ロドリゴ
- ディズニープラスのドラマ出身
- 失恋や葛藤を歌った楽曲が大ヒットし、Z世代の象徴的存在に
彼女たちは、
「かわいい」「明るい」だけではない、等身大の悩みや葛藤を持つ若者
として、現代的な“アイドル像”を体現しています。
6. 日本のアイドルとの違い:誰にとっての“アイドル”なのか
ここまで具体的な名前を挙げてきましたが、「日本のアイドル」と比較すると、アメリカのアイドル的スターには次のような違いがあります。
6-1. 「完成されたアーティスト」か「成長を応援する存在」か
- アメリカのアイドル的スター:
- デビュー時点から歌・ダンス・演技のレベルが非常に高い
- 「アーティスト」「シンガーソングライター」として見られる
- 日本のアイドル:
- まだ未完成な部分も含めて“成長を見守る”楽しみ方が強い
6-2. 「会える」距離感の違い
- 日本のアイドル:握手会・チェキ会・お話し会など、“会える仕組み”がビジネスの中心
- アメリカのスター:ライブやイベントはあるものの、日常的にファンと直接会う文化は少ない
その代わりに、
- SNS(Instagram, X, TikTok)
- YouTube や配信ライブ
などを通じて、ファンはスターの日常を覗き見し、「身近さ」を感じています。
7. まとめ:アメリカのアイドル=時代ごとの“若者の象徴”
この記事では、「アメリカのアイドルといえばこの人たち」という形で、代表的なスターを具体名とともにご紹介しました。
- 1950〜70年代:エルヴィス・プレスリー、モンキーズ、デヴィッド・キャシディ など
- 1980〜90年代:マドンナ、New Kids on the Block、Backstreet Boys、*NSYNC、ブリトニー・スピアーズ など
- 2000年代:マイリー・サイラス、セレーナ・ゴメス、ジョナス・ブラザーズ、ケリー・クラークソン、キャリー・アンダーウッド など
- 2010〜2020年代:テイラー・スウィフト、アリアナ・グランデ、ビリー・アイリッシュ、オリヴィア・ロドリゴ など
アメリカでは、日本のように「アイドル」という職業がはっきり分かれているわけではありません。その代わり、時代ごとに、若者たちが心から憧れ、ポスターを貼り、真似をしたくなるスターたちが存在してきたと言えます。
日本のアイドル文化と比べながら、「自分にとってのアメリカのアイドルは誰か?」を考えてみると、音楽や映画、ドラマの楽しみ方が一段と広がるかもしれません。