伊東市長選挙候補者
2025年10月31日の市長失職を受け、伊東市長の出直し選が実施されます。選挙日程は告示:12月7日(日)/投開票:12月14日(日)。本記事では、11月中旬時点で出馬表明が報じられている候補者を整理し、主な訴えや経歴、想定される争点をわかりやすくまとめます。あわせて、候補者比較の視点、投票ガイド、デマ対策チェックも追加しました。
この選挙の位置づけ
- 直近の混乱(不信任可決→失職)を経た**“再起動”のための選挙**。
- 市政の信頼回復と行政ガバナンスの再構築が最重要テーマ。
- 観光振興・福祉・財政規律・大型開発(メガソーラー、新図書館等)への態度が再審判される局面。
日程の確認(再掲)
- 告示日:2025年12月7日(日)
- 期日前投票:告示翌日から(市選管案内に従う)
- 投開票日:2025年12月14日(日)
※詳細な投票所や時間、入場券発送などの実務案内は伊東市選挙管理委員会の最新情報をご確認ください。
候補者プロフィール(9人・届け出順)【12/7 告示確定】
1) 利岡 正基(52)|宿泊業/伊東観光協会 理事〔新人〕
- 主な訴え:観光再生、DMO的機能の整備、二次交通・受入環境の再構築。
- 確認ポイント:宿泊税など目的税の設計・使途の可視化、景観・ごみ・騒音対策の運用。
- KPIと工程例:来訪者単価/平均滞在日数/地元調達比率の四半期公表→宿泊税の配分内訳ダッシュボード化→二次交通の本数・遅延の月次監視。
2) 石島 明美(58)|スポーツトレーナー〔新人〕
- 主な訴え:市政の透明化、対話重視、しがらみの是正。
- 確認ポイント:情報公開の範囲とスピード、第三者監査の活用、四半期レビューの定例化。
- KPIと工程例:公文書の公開までの日数中央値/黒塗り比率/第三者勧告履行率を指標化→公開ヒアリングの定例開催→入札・契約情報の一元公開。
3) 小野 達也(62)|元市長(前々市長)〔元職〕
- 主な訴え:市政の早期正常化と危機管理、継続すべき施策の選別。
- 確認ポイント:組織再編・内部統制の再構築、スクラップ&ビルドの工程と財源。
- KPIと工程例:契約の競争性比率/内部監査の指摘件数・改善率/重大案件の工程遵守率→四半期レビュー公表→基金の積み増し・取り崩し基準の明文化。
4) 岩渕 完二(73)|NPO代表〔新人〕
- 主な訴え:「伊東復活」掲げ観光振興、宿泊税導入、(発言・報道上)メガソーラーは容認寄り。新図書館は設計見直しのうえ早期着工。
- 確認ポイント:宿泊税の税率・使途、メガソーラーの安全・景観・防災対策、合意形成プロセス。
- KPIと工程例:宿泊税の税収—使途の四半期残高、来訪者単価/満足度→新図書館の工程表・費用変動幅→メガソーラーのモニタリング項目(雨量・土砂・騒音)。
5) 黒坪 則之(64)|会社役員・薬局チェーン顧問〔新人〕
- 主な訴え:医療・介護・福祉の徹底改善、クルーズ誘致、4年で市民所得倍増、市長退職金廃止。
- 確認ポイント:医療人材確保の実装、クルーズ受入の費用対効果と環境負荷、KPI公開。
- KPIと工程例:医師・看護・介護の充足率/在宅医療の受け皿数→クルーズ寄港数と観光消費の増分把握→**一人当たり所得(中央値)**の年次推移公表。
6) 杉本 憲也(43)|前市議/特定行政書士〔新人(前市議)〕
- 主な訴え:ガバナンス再建、時限的な個人市民税の減税、子育て・教育の重点投資。
- 確認ポイント:減税規模と財源、情報公開・監査の強化、子育てKPIの年度目標。
- KPIと工程例:減税の減収額・補填内訳(基金・歳出見直し)→公文書公開日数/勧告履行率→待機児童・教職員配置・カウンセラー配置など教育KPIの年度目標。
7) 田久保 真紀(55)|前市長〔前職〕
- 主な訴え:混乱の収束と政策の継続・再構築。
- 確認ポイント:失職に至った経緯の説明責任、主要案件(新図書館・観光財源・メガソーラー)の工程と合意形成。
- KPIと工程例:検証報告書と改善計画の公開→主要案件の工程表・費用変動幅・合意形成プロセスの可視化→四半期レビューによる進捗公表。
8) 大野 恭弘(58)|元会社員(兵庫県伊丹市在住)〔新人〕
- 主な訴え:商店街活性化、観光客増、中心市街地の回遊性向上。
- 確認ポイント:県外在住の行政把握・常駐体制、空き店舗対策の工程と財源。
- KPIと工程例:空き店舗率の推移/来街者カウント/回遊導線(二次交通・歩行者空間)の改善度→常駐体制や連絡窓口の明確化。
9) 鈴木 奈々子(52)|漫画家/日本大和党 公認〔新人〕
- 主な訴え:大型開発・メガソーラーの見直し・中止、環境・景観の優先。
- 確認ポイント:計画見直しの費用・工程・代替案、住民合意(説明会・パブコメ)の指標化。
- KPIと工程例:代替案の提示→費用対効果の比較→住民合意の到達度(説明会回数・回答公開・修正履歴)の定期公表。
よくある論点(争点の俯瞰と“質問例”)
- 市政の信頼回復・透明性:不信任・失職の経緯を受け、最重要。
- 質問例:情報公開の範囲/決裁文書・契約の公開プロセス/第三者委員会の活用設計。
- 観光と財政:宿泊税の是非、クルーズ誘致、イベント戦略、観光収入の地元還元。
- 質問例:宿泊税の配分ルール/観光インフラ投資の優先順位/民業圧迫回避策。
- メガソーラー問題:環境影響・景観・防災・経済効果の折衝。
- 質問例:環境アセス・土砂災害対策・避難計画/住民合意形成。
- 新図書館計画:立地・規模・設計見直し、地元業者参画、運営費の妥当性。
- 質問例:建設・運営コスト/機能配置/デジタル化・交流機能の導入。
- 医療・介護・福祉:高齢化対応、人材確保、地域医療体制の強化。
- 質問例:医療人材の確保施策/在宅・訪問支援の拡充/介護離職防止策。
デマ対策・ファクトチェックのすすめ
- 発信源の明示がない情報は保留。一次情報(候補者公式、選管、議会資料、条例、記者会見録)で照合。
- 切り取り動画・画像は元データを確認(前後関係のチェック)。
- AI生成物の可能性を念頭に、複数の独立ソースで裏どり。
投票ガイド(実務)
- 投票入場券:未着でも投票可のケースあり(身分確認等)。詳細は市選管へ。
- 期日前投票:仕事・学業・育児・介護・旅行・天候不良など理由に該当すれば利用可能。
- 不在者投票:療養・施設入所・長期出張等の場合は手続き要。早めに確認。
- 公報の読み方:スローガンだけでなく、**財源・工程・指標(KPI)**の有無を確認。
参考:前回(2025年春)との違い
- 春の選挙では学歴詐称問題が大きな争点となり、結果として現職が不信任・失職に至りました。今回は**“やり直し”の市政再建選挙**という位置づけで、候補者の顔ぶれ・訴えも再編が進んでいます。
- 今回は行政ガバナンスと説明責任がより明確に問われ、メガソーラー・新図書館・観光財源の使途など制度設計レベルの具体論が争点化。
立候補を取りやめ・見送りに関する話題
- 一部で名前が取り沙汰された立花孝志氏については、11月上旬の逮捕報道を受け、今回の伊東市長選への出馬は見込めない状況です。
前市長の動向(田久保真紀氏)
- 最新状況(11/14報道):11月13日に出馬の意向を固め、翌週にも正式表明へとの報道がありました。正式な立候補届出は**告示日(12/7)**以降に確定します。
- 確認先:本人の公式発表・記者会見録、伊東市選挙管理委員会の公示情報。
用語メモ(要旨)
- 宿泊税:自治体が導入する法定外目的税の一つ。税率設計と使途の透明性が重要。
- 選挙公報:候補者の政策要旨が掲載される公式冊子。配布・掲示・Web公開等で閲覧可。
- 供託金制度:一定の得票に達しない場合に返還されない制度。詳細は公職選挙法の規定参照。
更新履歴
- 11/12:出馬表明済みの5氏を掲載。争点・投票ガイド・用語メモを追記。
- 11/16:田久保真紀氏について、11/14付報道(11/13に出馬意向固め、翌週正式表明方針)を反映。候補者一覧に追加し、動向セクションを更新。
- 告示日以降:正式立候補者名簿(届け出順)、選挙公報の要旨、公開討論の要点を追記予定。
免責:公的情報は伊東市選挙管理委員会の最新発表が最終的な基準です。報道・本人会見に基づく内容は、今後の発表で修正される場合があります。