ユリ・クボ氏の経歴
NASA日系宇宙飛行士候補プロフィール
「日系の宇宙飛行士候補」と聞くと、どんな人物なのか、どんな道のりでNASAに選ばれたのかが気になるところです。ユリ・クボ氏は、電気工学の専門性を武器に、民間宇宙企業SpaceXで実務とマネジメントを積み重ね、NASAの宇宙飛行士候補(Astronaut Candidate)に選ばれました。ここでは、公開されている情報をもとに、ユリ・クボ氏の経歴を時系列でわかりやすく整理します。
基本プロフィール
- 氏名:ユリ・クボ(Yuri Kubo)
- 出身:米国インディアナ州コロンバス
- 専門:電気工学/電気・コンピュータ工学
- 現在:NASA 宇宙飛行士候補(2025年クラス)
経歴まとめ(時系列)
1985年
- 誕生(公表プロフィールでは「1985年生まれ」とされる)
学生時代(〜2008年)
- パデュー大学(Purdue University)で電気工学を学ぶ
- 学部課程を修了(学士号)
パデュー大学について
- 所在地:米国インディアナ州ウェストラファイエット(West Lafayette, Indiana)
- 特徴:工学・理系分野で世界的に評価の高い州立大学。航空宇宙工学・電気工学分野で特に著名。
- 多くのNASA関係者や宇宙産業の技術者を輩出してきたことで知られる。
2008年前後:NASA関連の実務経験(学生Co-op)
- 学生としてNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で複数回の実務ローテーション
- Orion(オリオン宇宙船)
- 国際宇宙ステーション(ISS)
- スペースシャトル計画 などに関連する支援業務を経験
2010年代:SpaceXでのキャリア形成(約12年)
- パデュー卒業後、SpaceXに入社
- 初期:打上げ拠点(現在のヴァンデンバーグ宇宙軍基地)に関わるエンジニアとして従事
- Falcon 9を支える地上インフラ(データ/制御/低電圧電気設備など)の設計・構築・試運転・運用に関与
- 発射台、着陸パッド、格納庫、輸送システム、ペイロード処理施設など、拠点全体の基盤領域を担当
- 中期〜後期:現場と指揮系統の両面で役割を拡大
- **Falcon 9の打上げにおけるローンチディレクター(Launch Director)**など、運用の中枢を担う
- プログラム横断のマネジメント領域へ移行
- 後期:管理職・ディレクター級として複数領域を統括
- Starshieldプログラムのアビオニクス(航法・電子系)ディレクター
- Ground Segment(地上系)ディレクター などの肩書が公表されている
2015年
- パデュー大学で修士号(電気・コンピュータ工学)を取得
- 社会人としてキャリアを継続しながら学位を得た形とされる
2024年
- パデュー大学工学部の表彰「38 by 38」受賞(若手卒業生の功績表彰として公表)
2025年9月22日:NASA宇宙飛行士候補に選抜
- NASAが2025年の宇宙飛行士候補(Astronaut Candidate)10名を発表
- ユリ・クボ氏は8,000人超の応募者から選ばれた一人として紹介される
2025年9月:NASAで任務開始(初期訓練へ)
- NASAジョンソン宇宙センター(テキサス州ヒューストン)で候補者として正式に着任
- **約2年間の初期訓練(Basic Training)**に入る
- 宇宙船システム、ISS運用、サバイバル訓練、船外活動(EVA)基礎、ロボティクス、飛行訓練などが一般に含まれる
2026年1月30日:共同通信インタビュー(抱負)
- オンライン取材で、**「日本のルーツを生かし、NASAとJAXAの間に強い絆を築きたい」**という趣旨の抱負を述べたと報じられる
年表(一覧で見たい人向け)
| 年 |
出来事 |
| 1985 |
誕生 |
| 〜2008 |
パデュー大学で電気工学(学士) |
| 2008前後 |
NASAジョンソン宇宙センターで学生Co-op(Orion/ISS/シャトル関連) |
| 2008〜 |
SpaceXに入社、地上インフラ・打上げ運用などに従事 |
| 2015 |
パデュー大学で修士(電気・コンピュータ工学) |
| 2024 |
パデュー工学部の表彰「38 by 38」受賞 |
| 2025/9/22 |
NASA宇宙飛行士候補(2025年クラス)に選抜 |
| 2025/9〜 |
NASAで約2年間の初期訓練を開始 |
| 2026/1/30 |
共同通信インタビューで日米(NASA-JAXA)連携への抱負 |
どこが強み?経歴から見える特徴
1)「地上インフラ」×「打上げ運用」×「マネジメント」の三点セット
宇宙飛行士候補の経歴というと軍のテストパイロットや研究者のイメージも強いですが、クボ氏は**民間宇宙企業での実務(しかも打上げの最前線)**を軸にしています。拠点インフラから運用指揮、さらにディレクター級の管理まで経験している点は、複雑な宇宙ミッションの現場で強みになり得ます。
2)「NASAの現場」を学生時代から知っている
学生Co-opとしてNASAジョンソン宇宙センターでのローテーション経験が公表されており、NASAの開発・運用の文化やプロセスに、比較的早い段階で触れていたことがうかがえます。
3)日系ルーツを“協力の橋”にしたいという明確な意志
2026年1月のインタビュー報道では、日系としてのルーツを意識しつつ、NASAとJAXAの連携を強めたいという方向性が示されています。今後、ISSや月探査(Artemis計画)などで日米協力が続く中、こうした姿勢は注目点です。
今後の見通し(訓練後はどうなる?)
NASAの宇宙飛行士候補は、初期訓練を終えると「宇宙飛行士」として任務割り当ての対象になっていきます。割り当て先としては、
- 国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッション
- 月探査計画(Artemis)関連
- 将来の深宇宙探査 などが想定されます。
もちろん、具体的な搭乗ミッションは今後の計画や本人の専門性・タイミングによって決まるため、現時点では「訓練中/任務待ち」という整理になります。
よくある疑問(Q&A)
Q1. 「宇宙飛行士候補」と「宇宙飛行士」は違う?
A. 違います。宇宙飛行士候補(Astronaut Candidate)は、NASAの初期訓練段階にある立場です。訓練を修了してから、宇宙飛行士として任務にアサインされていきます。
Q2. 日系宇宙飛行士“候補”という意味は?
A. 国籍は米国で、日系のルーツ(家系的背景)を持つ、という意味で報じられています。
まとめ
ユリ・クボ氏は、電気工学を土台に、SpaceXで12年規模の実務とマネジメントを積み、2025年にNASA宇宙飛行士候補へ。2026年1月には「日本のルーツを生かしてNASAとJAXAの絆を強めたい」との抱負が報じられました。今後は初期訓練を経て、ISSや月探査などのミッションに向けた道が開かれていきます。