キヤノンは2026年1月29日、小川一登(おがわ かずと)取締役副社長(グローバル販売戦略推進本部長)を、代表取締役社長COOへ異動する人事を発表しました。就任予定日は2026年3月27日とされています。これはキヤノンにとって、グローバル事業の中核を担ってきた人物がトップに就く、象徴的な人事とも言えます。
小川一登氏の経歴・学歴はどのようなものだったのかをみていきましょう。
小川氏は「海外駐在29年」という非常に長いグローバル経験を持つ経営者であり、キヤノンの中でも屈指の“海外現場型”リーダーとして知られています。英語も十分に話せず、パスポートすら持っていない状態から社会人生活をスタートさせたにもかかわらず、アジア・北米の主要拠点を渡り歩き、販売戦略、組織運営、人材マネジメントを現場の最前線で担ってきました。
海外市場で成果を出し続けてきた実績に加え、多文化環境での調整力や統率力が高く評価され、次期トップとして白羽の矢が立った形です。グローバル売上比率が高いキヤノンにおいて、小川氏のような経歴を持つ人物が社長COOに就任する意義は小さくありません。
この記事では、小川一登氏の学歴と入社後のキャリアを軸に、国内時代から海外駐在、経営幹部への登用、そして社長COO就任に至るまでを、時系列で丁寧に整理します。また、単なる年表にとどまらず、その時々で担ってきた役割や、キャリアの意味合いについても分かりやすく解説します。
文学部出身という点は、理工系や経済・経営系出身者が多い大企業経営陣の中では、やや異色に映るかもしれません。しかし、言語力や文化理解力、論理的思考力、そして人の心理や価値観への感受性を重視する学問的背景は、その後の長い海外勤務において大きな強みになったと考えられます。
特に海外拠点のトップとして、多国籍の社員をまとめ、現地の商習慣や価値観を尊重しながら組織を率いるためには、単なる数値管理能力だけでなく、「人を理解し、人を動かす力」が不可欠です。小川氏の文学部という学歴は、そうしたグローバルマネジメントにおける土台を形成した要素の一つといえるでしょう。
以下は、公開されている情報をもとに整理した年表です。国内時代と海外時代を分けて見ていくことで、小川氏のキャリアの特徴や一貫性がより明確になります。
入社後しばらくは国内部門でキャリアを積み、製品知識、営業の基本、社内制度などを一通り学んだ時期と考えられます。日本市場での経験を通じて、キヤノンというメーカーの強みや、品質重視の企業文化、販売体制の考え方を体得したことが、その後の海外勤務の重要な土台となりました。
ここから、小川氏の本格的な海外キャリアが始まります。シンガポールはアジア地域統括の要所であり、販売戦略やマーケティング、各国拠点との調整業務を担う重要な拠点です。初の本格的な海外勤務は、語学や文化の壁に直面しながらも、グローバルビジネスの基礎を体で学ぶ時期だったと考えられます。
香港や中国本土は、急成長する市場である一方、価格競争や現地企業との競合が非常に激しい地域です。この環境での経験は、単なる販売拡大だけでなく、現地事情を踏まえた戦略立案や、リスク管理、組織運営の難しさを学ぶ機会となりました。中国市場での経験は、その後の経営幹部としての視野を大きく広げたとみられます。
販売子会社の社長として、売上や利益だけでなく、人材育成、組織づくり、現地法人のガバナンスまでを包括的に任される立場となります。アジアと北米という性格の異なる市場でトップを務めた経験は、グローバル経営者としての対応力と柔軟性を大きく高めました。
この時期から、小川氏は個別拠点の運営だけでなく、より広い視点でグループ全体を見渡す経営判断を求められる立場になります。特に中国事業を統括する役割は、キヤノンのグローバル戦略において極めて重要なポジションでした。
北米市場はキヤノンにとって最大級の収益基盤であり、競争も激しい市場です。この地域でトップを務め、事業の立て直しや組織改革に取り組んだ経験は、経営者としての評価を一段と高める結果につながりました。
個別地域の責任者から、全社横断で販売戦略を統括する立場を経て、社長COO就任へとつながっています。この流れからは、小川氏が段階的に経営中枢へと登用されてきたことが読み取れます。
小川氏のキャリア最大の特徴は、圧倒的な海外経験の長さと質にあります。単なる駐在ではなく、現地法人トップとして意思決定を行い、結果責任を負ってきた点は大きな強みです。
その強みは、次の3点に整理できます。
早稲田大学 第一文学部を卒業しています。
2026年3月27日付で代表取締役社長COOに就任する予定です。
シンガポール、香港、中国本土、カナダ、米国など、アジアと北米の主要拠点を幅広く経験しています。