Japan Luggage Express
Japan Luggage Express Ltd.

韓国の死刑制度

韓国の死刑制度

韓国(大韓民国)では、法律上は死刑が残っています。一方で、1997年12月30日以降、死刑執行が行われていないため、国際的には「事実上の死刑廃止国(de facto abolitionist)」として扱われることが多い国です。

この記事では、韓国の死刑制度について「いまどうなっているのか」「なぜ残っているのか」「廃止に向かうのか」といった点を、できるだけ体系立てて整理します。


1. 韓国の死刑は「あるが、長年使われていない」

  • 死刑は刑罰として法令に存在(刑法・軍刑法など)
  • 死刑確定者(いわゆる死刑囚)もいる
  • ✅ しかし、1997年以降は執行ゼロ(長期の未執行状態)
  • ✅ そのため「存置(法律)+モラトリアム(運用)」という形

この“ねじれ状態”が、韓国の死刑制度を理解する鍵になります。


2. 歴史:最後の執行は1997年、以後は未執行が継続

2-1. 1997年12月30日の執行

韓国で最後に死刑が執行されたのは1997年12月30日です。以後、政権が交代しても死刑執行が再開されない状態が続いています。

2-2. 「宣言されたモラトリアム」ではない点が特徴

韓国は、法律で公式に「死刑停止」を宣言したわけではなく、長年の運用で結果的に止まっている、という意味で「未宣言のモラトリアム」と説明されることがあります。


3. 現状:死刑囚はいるのか?(人数の目安)

韓国には死刑判決が確定した受刑者が存在します。近年の公表・報告ベースでは、2024年末時点で死刑確定者は約57人(軍刑務所を含むという報告もあります)とされます。

※人数は年によって増減します。最新の政府発表や国際団体の集計で数字が変わることがあります。


4. 法制度:どんな法律に死刑がある?どんな犯罪が対象?

韓国で死刑が規定される代表的な法令は、次のようなものです。

  • ⚖️ 刑法(Criminal Act):殺人などの重大犯罪
  • ⚖️ 軍刑法(Military Criminal Act):戦時・軍事領域の特定犯罪
  • ⚖️ 国家保安法・特別法など:条文上、死刑を含む枠組みが残る領域もある(時期により運用や議論が変化)

4-1. 執行方法

  • 🪢 原則:絞首(hanging)
  • 🎯 軍事領域:銃殺が想定される場合がある(軍刑法関連の説明で言及されます)

5. 司法プロセス:死刑判決はどう確定する?

一般に、死刑事件は審理が重く、上級審まで争われることが多いです。

  • 🧑‍⚖️ 第一審(地裁)控訴審(高裁)上告審(大法院=最高裁)
  • ✅ 大法院で確定すると「死刑確定」となります
  • ✅ ただし、確定=執行ではなく、政府の執行判断が伴います

韓国が長年「確定者がいるのに執行されない」状態にあるのは、この最後の執行判断が事実上動いていないためです。


6. 憲法上の位置づけ:違憲ではないのか?

韓国では、死刑が憲法に反するとして争われたことがあります。

  • 📌 2010年、憲法裁判所が死刑制度を合憲と判断(僅差の判断として知られる)

この判断があるため、制度をなくすには、基本的には

  • 🏛️ 国会での立法(死刑廃止法の成立) が中心戦略になります。

7. なぜ廃止できない?(続く理由を整理)

韓国で死刑廃止が進みにくい理由として、よく挙げられるポイントです。

  • 😡 凶悪犯罪への強い世論:特に性犯罪・殺人などで「厳罰化」感情が高まる局面がある
  • 🗳️ 政治的コスト:廃止法案に賛成すると反発を受ける懸念
  • ⚖️ 司法の姿勢:死刑判決は頻繁ではないが、完全に消えたわけではない
  • 🌏 国際的圧力との綱引き:人権基準の強化と国内世論のバランス

結果として、

  • 「法律は残す(抑止の象徴として置く)」
  • 「しかし執行はしない(国際基準や政治判断)」 という折衷が長期化しやすい構図になります。

8. 廃止に向けた動き:法案は出ている?

韓国では、1999年以降、多くの会期で

  • 🧾 「死刑廃止のための特別法」 のような形で、死刑廃止法案が提出されてきました。

ただし、提出されても成立に至らないケースが続いています。

また、国際条約の面では、韓国は

  • 🌐 ICCPR(自由権規約)は批准
  • しかし、死刑廃止を目的とする
    • 🌐 ICCPR第2選択議定書(Second Optional Protocol) については「未批准」と説明されることが多い状況です。

9. 日本との比較:似ている点・違う点

9-1. 似ている点

  • 🔎 「世論」「凶悪犯罪」「被害者感情」などが制度議論に大きく影響

9-2. 大きな違い

  • 🇰🇷 韓国:死刑はあるが、1997年以降執行なし
  • 🇯🇵 日本:死刑があり、執行も行われている

この違いが、国際的な評価(“de facto”かどうか)に直結します。


10. 今後どうなる?(見通しの立て方)

韓国の死刑制度の今後は、次の要素で動きやすいと考えられます。

  • 🧑‍⚖️ 憲法裁判所・大法院の判断の方向性
  • 🏛️ 国会での廃止法案の成立可能性
  • 📊 世論(凶悪事件の発生、被害者支援、再犯防止策の議論など)
  • 🌏 国際的な人権枠組み(国連勧告、人権団体の提言)

現実的には、

  • 「突然の執行再開」
  • 「一気の廃止成立」 のどちらかよりも、**“未執行を続けながら、廃止へ向かう条件を整える”**という漸進的なシナリオが語られやすい状況です。

11. Q&A(よくある疑問)

Q1. 韓国は死刑廃止国ですか?

A. **法律上は廃止していません。**ただし、1997年から執行がないため「事実上の廃止国」と呼ばれます。

Q2. 死刑囚はいますか?

A. **います。**近年の報告では、2024年末時点で約57人という数が言及されています(年により変動)。

Q3. どうして執行しないのに制度を残すのですか?

A. 世論・政治判断・国際基準のバランスの結果、象徴として残しつつ、実際には執行しない形が固定化したと説明されます。

Q4. 死刑が復活(執行再開)する可能性は?

A. ゼロとは言い切れませんが、長期未執行が続いているため、再開には政治的・社会的な大きなきっかけが必要になりやすいと考えられます。

Q5. 韓国で死刑廃止が成立する条件は?

A. 国会の多数形成と、世論の納得(代替策:終身刑、被害者支援、再犯防止など)をどう作るかが鍵になります。


12. 小ネタ(制度を理解するためのトリビア)

  • 🧩 「死刑がある国=必ず執行している国」ではない(韓国はその代表例)
  • 🧩 “モラトリアム”は法律で明文化されなくても、運用として続くことがある
  • 🧩 国際社会では「何年執行がないか」が、制度評価の重要な基準になる

Leave a Reply