「二次エネルギー」とは、自然界にそのまま存在している一次エネルギー(原油・石炭・天然ガス・水力・太陽光など)を加工・変換して、使いやすい形にしたエネルギーのことです。日常生活で私たちが「使っている」と実感しやすいのは、多くの場合この二次エネルギーです。
この記事では、まず一次エネルギーと二次エネルギーの違いを整理し、そのうえで二次エネルギーの具体例を、家庭・交通・産業など身近な場面からたっぷり紹介します。
ポイントは、**二次エネルギーは「製造される」**ということです。一次エネルギーをそのまま使うより、運びやすい・燃やしやすい・機械に入れやすい・制御しやすい形になっています。
ここからは「二次エネルギーの例」をどんどん並べます。
二次エネルギーの代表格が電気です。
電気は、モーターを回す、光にする、熱にする、情報にするなど、用途が広くて制御しやすいのが強みです。
身近な例
ガソリンは、原油(一次エネルギー)を精製して作られる二次エネルギーです。
身近な例
ガソリンは、液体で運びやすく、エンジンで扱いやすいように調整されています。
軽油も原油(一次)を精製して作る二次エネルギーです。
身近な例
物流や公共交通など「大量輸送」に関わる場面でよく登場します。
灯油は暖房用としておなじみの二次エネルギーです。
身近な例
同じ原油から作りますが、用途に合わせて性質が違うように精製・調整されています。
都市ガスは地域のガス導管で供給される燃料で、多くは天然ガス(一次)を処理して供給されます。
身近な例
「配管で届くので運搬が要らない」という使い勝手の良さがあります。
LPG(液化石油ガス)は、プロパン・ブタンなどの混合で、原油の精製過程や天然ガスの処理で得られます。
身近な例
ボンベで保管・輸送できるのが特徴です。
代表例だけだと「電気とガソリンくらい?」となりがちですが、二次エネルギーには他にもたくさんあります。
重油は工場や船舶などで使われる二次エネルギーです。
身近に見えにくいけれど関係は深い例
「最終的に手元に届く商品」の陰側で活躍しています。
飛行機に入れる燃料も、原油から製造される二次エネルギーです。
身近な例
コークスは、石炭(一次)を蒸し焼きにして不純物を取り除き、鉄を作るために使いやすくした燃料です。
身近な例(間接的)
日常で直接触れませんが、社会を支える“材料”の裏側にあります。
水素は一次エネルギーとして自然界に“そのまま大量に存在”しているわけではないため、一般に**二次エネルギー(エネルギーキャリア)**として扱われます。
作り方の例
身近な例
ただし、水素は「作る方法」によって環境負荷が大きく変わるため、文脈によって説明の仕方が変わります。
工場や発電所などで作った蒸気や温水を配管で届ける仕組み(地域熱供給)がある場合、その「熱」も二次エネルギーとして整理されます。
身近な例
「熱をそのまま運ぶ」という発想です。
木(バイオマス)を焼いて作る木炭も、元の資源を加工して使いやすくした燃料として二次エネルギーの例に入れて説明されることがあります。
身近な例
※授業や資料によっては、木材・薪などを一次扱いにし、木炭を二次扱いにする説明が見られます。
二次エネルギーは便利な反面、一次エネルギーから変換するときに、どうしても**エネルギーのロス(熱として逃げる分など)**が出ます。
つまり、
というセットで理解すると、エネルギーのニュースや電気代の話が読みやすくなります。
電気は自然界に“燃料のように”まとまって存在するものではなく、多くの場合は作って運んで使うため、二次エネルギーに分類されます。
水素は便利ですが、作るのに元のエネルギーが必要です。だから「エネルギー源」というより**エネルギーを運ぶ媒体(キャリア)**として二次エネルギーに入れて説明されることが多いです。
どちらも二次エネルギーですが、供給形態も成分も異なります。
二次エネルギーは、一次エネルギーを加工・変換して、私たちが日常で使いやすくしたエネルギーです。
二次エネルギーの例(代表)
「一次=元」「二次=使いやすい形」と覚えると、ニュースの“エネルギー”の話がスッと頭に入ってきます。