※本記事は「パイレーツ・歴代日本人選手」を知りたい人向けに、ピッツバーグ・パイレーツ(Pittsburgh Pirates)に所属した日本人選手を、できるだけ分かりやすく整理したものです。シーズンごとの在籍や役割(先発・中継ぎ・野手など)は、当時の報道・公式発表・記録サイトの表記で揺れが出ることがあるため、本文では「所属した事実」と「在籍期間の骨格」を中心にまとめています。
「パイレーツ(ピッツバーグ・パイレーツ)に在籍した日本人選手」を、在籍の“開始日/終了日”が分かる形で整理すると、主に次の4人が対象になります。
※ここでいう「在籍」は、原則として パイレーツの保有権下(組織)に入った日〜離れた日 を指します。MLBの出場期間(最初にMLB昇格した日〜最後のMLB出場日)とは必ずしも一致しません。
| 選手名 | 英語表記 | 守備/役割 | パイレーツ“在籍開始” | パイレーツ“在籍終了” | 補足 |
|---|---|---|---|---|---|
| 桑田真澄 | Masumi Kuwata | 投手 | 2006-12-19 | 2007-08-17 | 2007-06-09にMLB昇格、2007-08-14にDFA。2007-12に再契約し2008春まで球団保有権下に在籍 |
| 岩村明憲 | Akinori Iwamura | 内野手 | 2009-11-03 | 2010-09-10 | 2010-06-16にDFA→6月下旬にAAAへ。2010-09-10にリリース(公表日・媒体で9/8表記もあり) |
| 高橋尚成 | Hisanori Takahashi | 投手 | 2012-08-24 | 2012-10-29 | エンゼルスからウエーバーで獲得。10月末にリリース |
| 筒香嘉智 | Yoshi Tsutsugo | 外野手/一塁手 | 2021-08-16 | 2022-08-05 | 2021-08-16にMLB契約で加入。2022-08-03にDFA→2022-08-05にリリース |
桑田の場合、ファンが迷いやすいのが「2007年シーズンしか投げていないのに、在籍はいつまで?」という点です。取引記録ベースでは2006-12-19にパイレーツ入り → 2007-08-17にFAがいったんの区切りで、その後2007-12に再契約しています。
岩村は「2010年だけパイレーツ」というイメージになりやすいですが、実際に保有権が移ったのは**2009-11-03(トレード成立)**です。
※リリース日については、媒体やまとめサイトで「9/8」と書かれることもありますが、トランザクションの整理では「9/10」表記も見られます(どちらも“9月上旬にリリース”という大枠は同じ)。
高橋尚成は「2012年途中にパイレーツ入りした左腕」で、在籍期間が短い分、忘れられがちです。ただ“いつからいつまで?”を聞かれたときには、**ウエーバー獲得(8/24)→リリース(10/29)**で比較的はっきり整理できます。
筒香は「2021年途中加入→2022年も在籍」という流れなので、在籍終了を2021年で止めてしまうと誤解が出ます。整理としては、2021-08-16に加入し、2022-08-05に球団を離れたと覚えるのが最も分かりやすいです。
「日本人選手が多い球団」と比べると、パイレーツは日本人選手の在籍人数が多いわけではありません。ここにはいくつかの背景が考えられます。
もちろん近年はMLB全体で国際化が進んでおり、将来的にパイレーツから新たな日本人選手が出る可能性は十分あります。
時期や数え方(招待選手・マイナー契約・傘下での短期在籍)で変わる可能性があります。この記事では「一般的にパイレーツ所属として語られる」選手を中心にまとめています。
MLB全体で日本人選手の評価は高く、投手を中心に国際補強は増えています。球団のスカウティング方針次第で、今後パイレーツ所属の日本人選手が増える可能性はあります。
「Pirates(海賊)」という名前は、1890年代に他球団の選手を“引き抜いた”ことがきっかけです。
当時の新聞が「ピッツバーグは選手を“海賊行為(pirating)”で奪った」と皮肉ったことから、そのまま定着しました。
👉 最初は揶揄だった名前が、公式チーム名になった珍しい例です。
パイレーツは 1887年創設。
MLBでも屈指の歴史を誇り、以下の名門とほぼ同世代です。
シカゴ・カブス(1876年)
セントルイス・カージナルス(1882年)
ピッツバーグ・パイレーツ(1887年)
意外と知られていませんが、パイレーツはワールドシリーズ5回制覇の名門です。
1909年
1925年
1960年(有名なビル・マゼロスキーのサヨナラHR)
1971年
1979年
特に1960年のワールドシリーズは、MLB史上屈指の名勝負として語られます。
パイレーツの本拠地 PNCパーク は、
「MLBで最も美しい球場の1つ」として常に上位評価されます。
特徴:
背景にアレゲニー川とピッツバーグの街並み
黄色い橋(ロベルト・クレメンテ橋)が象徴的
外野席からの景色が観光名所レベル
MLBファンの間では
👉「一度は行くべき球場」
として有名です。
パイレーツ最大のレジェンドが ロベルト・クレメンテ。
通算3000安打
ゴールドグラブ12回
人道支援活動でも評価
1972年、支援物資輸送中の事故で亡くなった後、背番号21は永久欠番になりました。
試合中には、
海賊船風の演出
砲台風の効果音
海賊旗モチーフの演出
など、チーム名にちなんだ演出が多く、ファン体験重視の球場です。
日本人投手の“挑戦の場”になりやすい
マイナー契約からの再起を狙うケースが多い
日本の野球ファンから「通好みの球団」として知られる
派手さはないものの、「野球通が注目する球団」として独特の立ち位置があります。
近年は低迷する時期もありますが、
若手育成力
データ重視の編成
将来性のあるプロスペクトの宝庫
として再評価されています。
パイレーツの黒と金(イエロー)は、
NFLスティーラーズ、NHLペンギンズと共通。
👉 ピッツバーグ全体がこの配色で統一されています。