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メジャーリーグ・カナダのチーム

メジャーリーグ・カナダのチーム

はじめに

メジャーリーグ(MLB)はアメリカ合衆国のプロ野球リーグとして知られていますが、実は唯一、アメリカ国外で活動する球団が存在します。それがカナダの「トロント・ブルージェイズ」です。さらに、かつては「モントリオールBLICajj교・エクスポズ」という球団も存在していました。本記事では、カナダに本拠地を置くMLB球団の歴史、文化的な背景、アメリカとの違い、日本人選手との関係など、多角的に詳しく解説していきます。

カナダのメジャーリーグ球団一覧

● トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)

Bluejays

  • 所属リーグ:アメリカンリーグ東地区(AL East)
  • 本拠地:カナダ・オンタリオ州トロント
  • 創設年:1977年
  • 本拠地球場:ロジャース・センター(旧スカイドーム)
  • ワールドシリーズ優勝:1992年・1993年(MLB史上初のアメリカ国外チームによる優勝)

ブルージェイズはカナダ唯一の現存するMLB球団であり、トロントの象徴的なスポーツチームとして、カナディアンフットボール(CFL)やアイスホッケーと並び高い人気を誇ります。球団は特に1990年代初頭に全盛期を迎え、強力な打線と安定した投手陣によってワールドシリーズを連覇しました。

● モントリオール・エクスポズ(Montreal Expos)

Montreal Expos

  • 所属:ナショナルリーグ東地区(NL East)
  • 活動期間:1969年〜2004年
  • 本拠地:ケベック州モントリオール
  • 移転後の名称:ワシントン・ナショナルズ(2005年〜)

エクスポズはカナダ初のMLB球団として1969年に創設されました。当初は多くのファンに愛されましたが、老朽化したオリンピック・スタジアム、資金不足、観客減少などの問題により、2004年を最後にワシントンD.C.へ移転しました。現在のワシントン・ナショナルズがその後継球団となります。

トロント・ブルージェイズの魅力と特徴

● ロジャース・センターと開閉式屋根

ロジャース・センターは世界初の完全可動式屋根を備えた球場として知られています。カナダ特有の寒冷な気候や雨天にも対応できるため、年間を通じて快適な試合環境が提供されます。また、球場の隣にはトロントの象徴「CNタワー」がそびえ立ち、夜間にはライトアップされた都市景観と野球観戦を同時に楽しむことができます。

● 国歌が2曲演奏される特別な球団

ブルージェイズのホームゲームでは、試合開始前に「カナダ国歌(O Canada)」と「アメリカ国歌(The Star-Spangled Banner)」の両方が演奏されます。これは、アメリカ国外を本拠とする唯一の球団であるブルージェイズならではの伝統です。

● 通貨・税金・選手生活の違い

選手の給与は主にアメリカドルで支払われますが、生活費や税金はカナダドルで管理されます。そのため、為替レートの変動やカナダ特有の税制度は選手の生活や契約内容に大きく影響します。また、遠征のたびに国境を越える必要があるため、パスポートやビザの管理も重要なプロセスとなっています。

モントリオール・エクスポズの歴史と移転理由

モントリオール・エクスポズは、MLB史上初のアメリカ国外球団として1969年に誕生しました。1970〜80年代にはアンドレ・ドーソン、ティム・レインズなどのスター選手が活躍し、一時はワールドシリーズ優勝候補と目されるほどの戦力を持っていました。しかし、1994年のストライキによりチャンスを逃し、その後は以下の問題が深刻化します:

  • 観客動員数の低迷と収益悪化
  • 球場(オリンピック・スタジアム)の老朽化と立地の問題
  • 経営資金の不足と親会社の撤退

これらの理由により、球団は2004年を最後に活動を終了し、翌年からワシントン・ナショナルズとして再出発しました。

カナダの球団ならではの特徴

特徴 内容
国歌 カナダ・アメリカ両国の国歌が試合前に演奏される
通貨 選手はUSDで契約、生活費はCADで支払い
税金 州税・連邦税が発生し、アメリカとは税制度が異なる
国境移動 遠征時にパスポート・入国審査が必要になる場合もある
スポーツ文化 カナダではアイスホッケーが最も人気が高いが、野球も安定した支持を持つ

日本人選手とカナダ球団の関係

カナダのMLB球団には複数の日本人選手が所属し、現地ファンと強い絆を築いてきました。

  • 川崎宗則(ムネリン):2013〜2015年にブルージェイズで活躍し、明るい性格と独特な英語で大人気となりました。
  • 吉井理人:1999年にモントリオール・エクスポズへ移籍し、日本人初のカナダ球団所属選手となりました。
  • その他の選手:今後も千賀滉大などの日本人投手の移籍候補として名前が挙がることもあり、注目が続いています。

カナダに新球団は誕生するのか?

近年、MLBでは球団拡張構想が議論されており、その候補都市としてモントリオールが再び注目されています。近年、投資家グループによる新球場計画やファンによる署名活動も行われています。また、バンクーバーも候補に挙がることがありますが、市場規模や放映権、球場建設費など課題は多く、実現にはまだ時間がかかると予想されます。

まとめ

  • カナダに本拠地を置くMLB球団は現在「トロント・ブルージェイズ」のみ。
  • かつては「モントリオール・エクスポズ」が存在し、現在のワシントン・ナショナルズの前身となっている。
  • 国歌、税制度、通貨、移動など、アメリカ球団にはない特有の文化や制度が存在する。
  • 日本人選手との関係も深く、今後も注目される地域である。
  • 将来的にモントリオールやバンクーバーが新球団を獲得する可能性もあるが、実現には課題が多い。

カナダのMLB球団は数こそ少ないものの、その歴史は奥深く、アメリカと異なる文化・環境の中で独自の野球文化を育んできました。今後のカナダ野球界にも、大きな期待が寄せられています。

カナダのメジャーリーグチームに関するトリビア

1. ブルージェイズの「青い鳥」の名前の由来

トロント・ブルージェイズの「ブルージェイ (Blue Jay)」とは、北米に生息するアオカケスという美しい鳥のことです。この名前は、カナダの国鳥ではありませんが、チームカラーの青と白が、オンタリオ州の自然を象徴しているとも言われています。また、かつてのオーナー企業であったラバット・ブリューワリーズ(ビール会社)のブランドカラーでもありました。

2. モントリオール・エクスポズの愛称

モントリオール・エクスポズの「エクスポズ (Expos)」は、1967年にモントリオールで開催された**モントリオール万国博覧会(Expo 67)**に由来しています。この万博はモントリオールが世界的な都市として認知されるきっかけとなった一大イベントであり、チーム名はその栄光と都市の活気を象徴していました。

3. ロジャース・センターの「ホテル」機能

ブルージェイズの本拠地、ロジャース・センター(旧スカイドーム)には、球場と一体化したホテルが存在します。このホテルの一部の客室からは、開閉式の窓を通して直接フィールドを見下ろすことができ、宿泊しながらMLBの試合を観戦できるという世界でも珍しいユニークな体験を提供しています。

4. ブルージェイズと「レジェンド」の意外な共通点

トロント・ブルージェイズは、MLBで唯一、アメリカ国外の都市に本拠地を置くチームであると同時に、1992年・1993年のワールドシリーズ連覇時、全試合を天然芝ではない人工芝の球場(当時はスカイドーム)でプレイして優勝した唯一のチームでもあります。

5. エクスポズ移転後の「幻のラストイヤー」

エクスポズの最終年である2004年、球団のワシントンD.C.への移転がすでに決まっていたため、チームは極端な財政難に陥っていました。その結果、ホームゲームの一部をモントリオールではなくプエルトリコのサンフアンで開催するという異例の措置が取られました。これは、MLBにおける「国際的」なチームの複雑な状況を象徴する出来事でした。

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