ステルスマーケティング(ステマ)の例
見抜き方と法律(景表法)までわかる解説
「それ、ただの口コミだと思っていたのに、実は広告だった…」——そんな“気づきにくい広告”として問題になってきたのが**ステルスマーケティング(ステマ)**です。SNSや動画、ブログ、レビューサイトなど、日常的に触れる情報の中に紛れ込みやすいのが特徴で、判断を間違えると、消費者は不要な支出をしたり、誤った情報を信じたりすることがあります。
この記事では、ステマの基本から、具体例(よくあるパターン)、見抜き方、そして日本でのルール(景品表示法の「ステマ規制」)まで、まとめてわかりやすく解説します。
ステルスマーケティング(ステマ)とは?
ステルスマーケティングとは、広告・宣伝であることを分かりにくくして、あたかも第三者の「中立な感想」「自然な評判」のように見せるマーケティング手法です。
ポイントは次の2つです。
- ✅ 広告主(企業など)が関与している(依頼、提供、報酬、便益など)
- ✅ それなのに、広告であることが消費者に分かりにくい(表示がない/目立たない)
「広告は悪」と言いたいのではなく、問題なのは広告だと分からない形で判断材料を操作する点にあります。
ステマの例(よくあるパターン)
ここからは「これが典型」という例を、ジャンル別に紹介します。ブログ記事のネタとしても使いやすいよう、できるだけ“あるある”寄りでまとめます。
例1:SNSで“偶然バズった風”の投稿(実はPR)
- 📌 例:
- 「これ、たまたま買ったんだけど神…!」「人生変わった」などの投稿
- 実は企業から依頼を受けており、報酬や商品提供がある
- でも投稿内に**#PR #広告 #提供**などがない
SNSは拡散力が強いぶん、広告が混ざると影響も大きくなります。
例2:#PR が“見えにくい位置”に小さく書かれている
- 📌 例:
- ハッシュタグが大量に並び、末尾に「#PR」が埋もれている
- フォントが極小/背景と同化/ストーリーで一瞬だけ表示
「表示はあるからOK」という考え方だと、ここがグレーになりがちですが、消費者が気づける形かが重要になります。
例3:レビューサイト・ECの“やらせレビュー”
- 📌 例:
- 報酬やポイントと引き換えに高評価レビューを書かせる
- 不自然に⭐5が集中/同じ言い回し/短時間に大量投稿
- 競合商品だけ⭐1を投下する「ネガティブ工作」もある
口コミは購入判断に直結するため、ステマの温床になりやすい領域です。
例4:インフルエンサーが“友達のおすすめ”のように語る
- 📌 例:
- 「これ、知り合いの会社が作ってて…」と自然に紹介
- 実は案件で、ギャラが発生している
- “個人の好み”に見せる演出が強い
案件自体は問題ではなく、いま広告であると分かるようにするのが本筋です。
例5:ブログ記事が「比較・ランキング」に見えて、実は広告
- 📌 例:
- 「おすすめ〇選」「比較してみた」の体裁
- 実際は特定企業から依頼されていて、結論が最初から決まっている
- 広告表記がない/あっても著しく分かりにくい
検索で上位に出てくるランキング記事ほど、読者は「中立」と思い込みがちです。
例6:YouTube・ショート動画で“提供”が曖昧
- 📌 例:
- 動画内で商品が不自然に登場する
- 「今回は○○さんから頂きました」程度で終わる
- 概要欄の下部にだけ小さく記載
動画は視聴テンポが早く、表示が流れてしまうので、視聴者が気づける出し方が重要です。
例7:店舗の“サクラ投稿”で評判を演出
- 📌 例:
- 飲食店の口コミに、似た写真・似た文章が並ぶ
- オープン直後に絶賛レビューが連打される
- 常連っぽい書き方なのに、投稿者の履歴が薄い
店舗の場合は、地域での集客に直撃するため、トラブルが起きやすいです。
例8:アフィリエイトを隠して「自腹レビュー風」にする
- 📌 例:
- 実はリンク経由で報酬が出るのに、その説明がない
- 「忖度なし」「案件じゃない」と断言しつつ、収益構造の説明なし
アフィリエイト自体は一般的ですが、読者が利害関係を理解できる形が望まれます。
ステマかどうかを見抜くチェックリスト
読み手としては、次の観点で冷静に確認すると、ひっかかりにくくなります。
- ✅ 「提供」「PR」「広告」「タイアップ」などの明示があるか
- ✅ 不自然に褒めすぎていないか(欠点ゼロ、過剰な断言)
- ✅ 比較が公平か(競合が雑に扱われていないか)
- ✅ 具体性があるか(使用期間・条件・デメリットが書かれているか)
- ✅ 投稿タイミングが不自然でないか(発売直後に絶賛が集中など)
- ✅ 似た文面が大量にないか(テンプレ感)
「ステマだ!」と決めつけるより、判断の材料を増やす意識が大切です。
日本のルール:景品表示法の「ステマ規制」とは
日本では、景品表示法(景表法)の運用の中で、いわゆる**ステマ(広告であることを隠す表示)**が問題視され、ルールが明確化されています。
ここで重要なのは、
- 企業などの「事業者」が表示内容に関与している
- それなのに「広告だと分からない」
という状態が、消費者に誤認を与える表示として扱われ得る点です。
※法令の細部は運用や個別事情で変わるため、実務では消費者庁の公表資料やガイドライン確認が推奨されます。
企業・発信者側が気をつけるべきポイント(炎上予防)
ステマは「やった側」も「頼んだ側」も信用を失いがちです。予防としては次が基本です。
- ✅ PR表記を分かりやすい位置に置く(冒頭、目立つ形)
- ✅ 表記は統一する(#PR/広告/提供など)
- ✅ 誇大な断言を避ける(効果効能を言い切らない)
- ✅ 比較記事は評価基準を開示する
- ✅ レビュー収集のインセンティブ設計を慎重にする
「短期の売上」より「長期の信頼」が重要、というのが結局いちばん効きます。
まとめ:ステマの例を知ると、情報に強くなる
ステマは「見た目が自然」な分、気づきにくいのが厄介です。ただ、典型パターンを知っておくと、情報の受け取り方が変わります。
- 📌 ステマは「広告なのに広告だと分からない」状態
- 📌 SNS、レビュー、ランキング、動画など、身近な場に起きやすい
- 📌 見抜くには、表記・利害関係・不自然さをチェック
最後に一言: 広告は悪ではありません。悪いのは“隠すこと”です。