長期金利とは(わかりやすく)
「長期金利(ちょうききんり)」は、**国や企業がお金を長い期間借りるときの“金利の目安”**のことです。ニュースでよく出る「長期金利が上がった/下がった」は、ざっくり言うと **“世の中のお金の値段(利息)が、長い目線で高くなった/安くなった”**という意味合いになります。
この記事では、長期金利の基本、短期金利との違い、なぜ動くのか、私たちの生活にどう影響するのかを、できるだけ簡単に整理します。
長期金利は何を指す?(日本では何が基準?)
日本のニュースで「長期金利」と言うと、多くの場合は 日本国債(JGB)の利回り、特に 10年国債利回りを指します。
- 国債:国が資金調達のために発行する「借用証書」のようなもの
- 利回り(りまわり):国債を買った人が受け取る利息を、価格と合わせてならした“実質的な金利”
つまり、長期金利=「国が10年くらいの期間でお金を借りるときの金利の目安」と考えると分かりやすいです。
そもそも「金利」とは?
金利は、お金を借りる(または貸す)ときのレンタル料です。
この「レンタル料」が、短い期間か長い期間かで、短期金利/長期金利に分かれます。
短期金利と長期金利の違い
✅ 短期金利
- 期間:数日〜1年程度
- 主な決まり方:中央銀行(日本なら日銀)の政策金利の影響が大きい
- 例:無担保コール翌日物、短期の市場金利 など
✅ 長期金利
- 期間:数年〜10年、20年、30年など
- 主な決まり方:市場(投資家)の売買で動く
- 例:10年国債利回り、20年国債利回り など
短期=日銀の色が濃い、長期=市場の予想が反映されやすい、このイメージが重要です。
なぜ長期金利は動く?(よくある3つの理由)

長期金利が動く最大のポイントは、国債の「価格」と「利回り」の関係です。
- 国債が買われる → 価格が上がる → 利回り(長期金利)は下がる
- 国債が売られる → 価格が下がる → 利回り(長期金利)は上がる
では、国債が買われたり売られたりする理由は何でしょうか。代表的には次の3つです。
1) 物価(インフレ)見通し
- 将来インフレになりそう:お金の価値が目減りするので、投資家は“より高い利回り”を求めやすい → 長期金利が上がりやすい
- 将来デフレっぽい/物価が落ち着きそう:低い利回りでも国債が買われやすい → 長期金利が下がりやすい
2) 景気見通し
- 景気が良くなりそう:企業活動が活発→資金需要が増える→金利が上がりやすい
- 景気が悪くなりそう:安全資産として国債が買われやすい→金利が下がりやすい
3) 金融政策・財政政策の見通し
- 日銀が今後利上げしそう:将来の金利上昇を先取りして長期金利が上がることがある
- 国の借金が増えそう(国債増発):国債がたくさん出る=供給増→価格が下がりやすい→利回りが上がりやすい
長期金利が上がる/下がると何が起こる?(生活への影響)
🏠 住宅ローン
- 固定金利型の住宅ローンは、長期金利の影響を受けやすいです。
- 長期金利が上がると、固定金利ローンの金利が上がりやすく、将来の借り換え条件も厳しくなりがちです。
※変動金利は短期金利の影響が相対的に大きいですが、長期金利の動きが全く無関係というわけではありません。
🏢 企業の資金調達
企業が長い期間でお金を借りたり、社債を発行したりするときの条件に影響します。
- 長期金利↑:借り入れコスト↑ → 設備投資が慎重になることも
- 長期金利↓:借り入れコスト↓ → 投資がしやすくなることも
💱 為替(円高・円安)
金利差は為替の材料の一つです。
- 日本の金利が上がる → 円が買われやすくなる要因
- 日本の金利が下がる → 円が売られやすくなる要因
ただし為替は、海外の金利、景気、リスク要因、貿易収支なども絡むため「金利だけで決まる」わけではありません。
📈 株価
- 長期金利↑:将来利益の割引率が上がり、株の理論価格が下がりやすい(特に成長株に影響が出やすいと言われます)
- 長期金利↓:株に追い風になりやすい
これも必ずそうなるわけではなく、景気の強さが株を押し上げる局面もあります。
よくある誤解:長期金利=日銀が決めている?
長期金利は基本的に「市場で決まる」ものですが、日本では日銀が国債を買ったり、金融政策の枠組みを示したりすることで、結果として長期金利に強い影響を与えてきました。
ただ、ニュースで「市場が日銀の次の一手を織り込んだ」などと言われるときは、市場参加者が先回りして動いている状況を指します。
まとめ
- 長期金利=長い期間のお金の値段(利息)の目安
- 日本では多くの場合、10年国債利回りを指す
- 国債は「価格」と「利回り」が逆に動く
- 国債が買われる → 金利は下がる
- 国債が売られる → 金利は上がる
- 長期金利は、物価・景気・政策見通しなどの「将来予想」が反映されやすい
- 住宅ローン(固定)、企業の資金調達、為替、株価などに影響する
Q&A
Q1. 「長期金利が上がった」って結局どういう意味?
A. 多くの場合、10年国債が売られて利回りが上がったという意味です。市場が「将来の物価上昇」「利上げ」「国債増発」などを意識しているサインとして語られます。
Q2. 長期金利が上がると、預金の利息もすぐ増える?
A. すぐ増えるとは限りません。預金金利は銀行の方針や短期金利の影響が大きいからです。ただ、金利環境の変化が続けば、預金金利にも波及する可能性はあります。
Q3. 長期金利は「良いこと」?「悪いこと」?
A. 一概に決まりません。
- 景気が良くなる見通しで金利が上がるなら、前向きに捉えられることもあります。
- 物価高や財政不安が強まり、負担増として金利が上がるなら、家計や企業には重くなりがちです。