※この記事は語の意味を解説する教育目的の内容です。差別・中傷に使う目的ではありません。

日本語のカタカナ語「ビッチ」は、ネットや若者言葉の中で「尻軽」「性的に奔放」寄りの意味で理解されることが多い一方、英語の bitch は、まず辞書の第一義として「メス犬(female dog)」、そしてスラングでは「不快な女性を侮蔑して呼ぶ語(unpleasant な女、意地悪な女、感じの悪い女…)」という使われ方が目立ちます。
つまり、日本語の“ビッチ=性的にだらしない”だけで英語の bitch を理解すると、ニュアンスがズレやすい、というのがポイントです。
ご認識のとおり、英語の bitch は「性格が悪い/意地悪/嫌な感じの女性」を侮辱する語として説明されることが多いです(※非常に攻撃的)。一方で「性的に奔放」の意味に“必ずしも直結しない”点が、日本語の「ビッチ」との大きな違いです。

英語では bitch は本来「メス犬」を指す語です(辞書でもこの意味が明記されます)。
次に有名なのが、女性に対する侮辱語としての bitch です。Oxford Learner’s Dictionaries でも、俗語・攻撃的な用法として「不快だと思う女性を侮蔑的に指す語」と説明されています。
日本語の「ビッチ」は「尻軽」「誰とでも寝る」といった“性的な意味”に寄せて使われる場面を見かけます。学習者向けの解説でも、日本語のビッチは英語の bitch より“淫ら”方向に理解されがちだ、という指摘があります。
意味を正確に言い換えるなら、文脈次第で slut など別語が候補になります(ただしこちらも強い侮辱語です)。
つまり、日本語の「ビッチ」=英語の bitch と機械的に対応させない方が安全です。
ご記載のとおり、英語では son of a bitch(罵倒としては SOB と略されることもあります)が定番の表現です。Merriam-Webster や Cambridge Dictionary でも、嫌な人物に対する攻撃的な罵倒として定義されています。
これもご認識のとおりで、動詞の bitch は「文句を言う」「愚痴を言う(complain)」として辞書に載っています。
たとえば bitch about ...(〜について文句を言う)の形で出ることが多いです。
He's always bitching about his job.(彼は仕事の愚痴ばかり言っている)Don't bitch at me.(私に当たって文句を言わないで)※例文は理解のための用例です。相手を傷つける目的での使用は避けてください。
語源として bitch は Old English(古英語)の「female dog(メス犬)」にさかのぼる説明が一般的です。侮辱語として女性に向けて使われる用法は、歴史的に後から強まっていったとされます。

bitch の基本:①メス犬 ②(攻撃的)不快な女性を罵る語son of a bitch(強い侮辱)bitch:愚痴る・文句を言う(complain)