近年、「2025年7月5日に日本で壊滅的な災害が起こる」「どの県なら生き残れるか?」といった噂がネット上で拡散されています。「2025年7月5日・生き残る県」というフレーズもSNSや動画サイトで検索されるようになり、話題に火がつきました。しかし、これらの情報の多くは科学的根拠に基づいていない単なる憶測やデマです。
最も重要なことは、これらの噂が信頼に足るデータや学術的な裏付けを一切持たないという事実です。この記事では、この噂の発信源とその誤解を解き明かし、万が一の災害に備えて、実際に私たちが何をすべきかを冷静に考えます。
この噂の原点となったのは、漫画家たつき諒氏の著作『私が見た未来』に描かれた「大災難は2025年7月5日」という一文です。このイラストが、インターネット上であたかも未来を予言したかのように拡大解釈され、「その日、日本に大地震や津波が起きる」と信じられるようになってしまいました。
つまり、「2025年7月5日・生き残る県」という話題そのものが、根拠のない都市伝説に過ぎないのです。
それでも、もし仮に大規模災害が発生した場合、相対的にリスクが低い地域はどこなのか?と考えることは無意味ではありません。地理的条件や過去の災害記録から、被害が比較的少ないと考えられる県について見ていきましょう。
ただし、いずれの県も地震・火山・豪雨など、別の災害リスクを抱えています。どこに住んでいても「絶対安全」な県は存在しません。
「生き残る県」を探すよりも、「生き残れる準備」ができているかが命を分けるカギとなります。
2025年7月5日を特別視する必要はありませんが、災害はいつでも、どこでも起こりうるという現実を忘れてはいけません。だからこそ、今こそ落ち着いて、家族や地域で防災を見直す絶好の機会と考えて行動しましょう。
私たちはこれまで数多くの「世界が終わる日」を耳にしてきました。テレビ、書籍、インターネットを通じて流れた数々の“予言”たち。しかし、それらの多くは何の実証もなく、現実には何も起こらずに終わっています。以下は、特に話題になった6つの「終末予言」とその結末です。
噂の内容:
16世紀の予言詩人ノストラダムスは「1999年7月、恐怖の大王が空から来る」との詩を書き残しました。これを“1999年に世界が滅亡する”という意味だと受け取った人々がパニックに。
その後の展開:
実際の1999年7月、世界に壊滅的な事象は発生せず、多くの予言信者が肩透かしをくらう結果に。「予測の解釈ミスだった」といった説明も見られましたが、具体的な根拠は示されていません。
広まった背景:
マヤ文明の暦が2012年12月21日で終わることから、「この日が人類最後の日だ」と考える人が続出。未知の惑星ニビルが地球と衝突するという噂まで登場しました。
実際には:
当日は何事もなく過ぎ、マヤ暦の専門家たちは「単に1つのサイクルが終わっただけで、終末を意味するわけではない」と説明。誤った理解が極端な説に繋がった典型例です。
信じられていたこと:
地球に近づいたヘール・ボップ彗星の後ろに宇宙船がいるという噂が流れ、アメリカの宗教集団「ヘヴンズ・ゲート」は“天に召される”ことを信じ、集団自殺に至りました。
結論:
彗星には宇宙船など存在せず、純粋な天文学的現象に過ぎませんでした。非科学的な信仰が命を奪った、非常に悲しい事例です。
不安視された事態:
コンピューターの西暦表記が「00」にリセットされることで、金融機関や交通、原子力関連設備などが誤作動を起こすと懸念されました。
実際の出来事:
世界中で事前対応が進められたことにより、大規模な混乱は起こらず。少数のシステムに軽微なトラブルは発生しましたが、世界が止まることはありませんでした。
どんな予言だったか:
アメリカのラジオ伝道師、ハロルド・キャンピング氏は「2011年5月21日にキリストが再来し、その後世界は終焉を迎える」と宣言。
結果:
5月21日は何事もなく過ぎ、彼は「計算間違いだった」と釈明。さらに10月21日を“改訂版の終末日”と主張しましたが、こちらも外れています。
どんな理論?:
旧約聖書の文字を一定のルールで並び替えると、未来の事件が隠されているという「聖書の暗号」説。その中に「2006年に第三次世界大戦が起こる」とする解釈がありました。
実際は:
2006年、世界戦争は発生せず、暗号の信頼性が大きく揺らぎました。専門家の間では、こうした暗号解釈は恣意的で、検証不能とみなされています。
これらの事例から明らかなように、“終末の予言”は数多く語られてきましたが、現実の災害とは無関係に終わっています。予言が偶然に似通うことはあっても、一貫して正確な未来予測は人間には不可能です。
大切なのは、出所不明の情報に踊らされるのではなく、信頼性のある機関が発信する情報をもとに、日頃の防災意識を高めること。冷静に、そして理性的に未来と向き合いましょう。