SNSや動画サイトで「シンプソンズが高市早苗氏を“予言”していた」「首相(総理)になる未来を当てた」などの投稿を見かけることがあります。ポップカルチャー×政治の“クロス”は面白い一方で、近年は**生成AIや切り貼り編集による“それっぽい画像・動画”**が増え、真偽が分かりにくくなっています。
この記事では、いわゆる「シンプソンズ×高市早苗」系の投稿が何を指しがちなのか、どこまでが事実でどこからが作り話になりやすいのか、そして拡散を防ぐための見分け方を整理します。
結論から言うと、『ザ・シンプソンズ』本編に「高市早苗」という固有名詞や本人を明確に示す描写が登場し、それが“未来の出来事”として描かれている——という形の「公式に裏付けられた回」があるとは言いにくい状況です。
では、なぜ「予言した」と言われるのか。多くの場合、次のような要素が混ざり合って“もっともらしく”見えてしまいます。

「シンプソンズ予言」系の話で最も引用されやすいのが、**シーズン11 第17話「Bart to the Future(未来のバート)」**です。
この回では、未来の世界でリサがアメリカ合衆国大統領になっているという設定が登場し、国家財政の苦境を立て直そうとします。
ここが重要で、ネットで言われる「予言」の多くは、
といった抽象度の高い部分だけを切り出し、「別の国の政治家(日本の政治家)にも当てはまる」と無理やり重ねる形で作られがちです。
長寿シリーズはエピソード数が非常に多く、社会風刺のネタも幅広いので、どこかが現実と似てしまう確率が上がります。
「女性リーダー」「経済危機」「外交摩擦」などは、世界のどこでも起こり得るテーマです。
そのため、現実の出来事が起きた後に「それっぽい場面」を探して、
と、**“当たっているように見せる”**ことができます。
最近は、
がセットで流れてきます。
こうなると、見た人の側は「回名とシーズン番号まで書いてあるし本物かも」と錯覚しやすくなります。
「シンプソンズ予言」と直接関係がなくても、**政治家の名前や画像は、詐欺広告・偽情報に“利用されやすい素材”**です。
実際に、高市氏を名乗る・または高市氏が投資を勧めているように見せかける偽広告が拡散し、政党側や当局が注意喚起したと報じられています。
この種の事例があると、
という状況になり、真偽の線引きがさらに難しくなります。
ここからは、よくある“それっぽい投稿”の作り方を、手口として整理します。
SNSで見かけたとき、次のチェックを入れるだけでも“だまされる確率”は下がります。
💡特に重要なのは、**「そのカットが“どの回のどの場面か”を、第三者が再現できるか」**です。再現できない“予言”は、だいたい再現できない理由があります。
『シンプソンズ』はニュースや社会現象を先取りすることがあるというより、
を、極端にデフォルメして描く風刺作品です。
そのため、後年に現実が似た形になったとき、
というよりも、
と考える方が、情報リテラシー的には安全です。
「シンプソンズ×高市早苗」は、
が重なって生まれやすいテーマです。
ネタとして楽しむことと、誤情報を信じて広めてしまうことは別問題です。「どの回のどの場面か」を再現できるかを軸に、落ち着いて検証する姿勢がいちばん効きます。