こんにちは!
今日は「水源林(すいげんりん)」という言葉について、いっしょに学んでみましょう。ふだんの生活ではあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、じつはとても大切なものなんです😊
「水源」とは、川や池、湖(みずうみ)などに水を送ってくれる「はじまりの場所」のことです。たとえば、山にふった雨や、雪がとけて流れた水が川になって町に流れてくることがありますよね?その雨や雪がたまる場所、それが「水源」です。
水源林というのは、水源の近くにある森のことです。
この森には、大事な役わりがあります。それは、
木の根っこが土をしっかりつかんでいるので、雨がふっても土がくずれにくく、水がゆっくり地中にしみこんでいきます。
土の中をとおった水は、フィルターのように土や石がゴミをこしてくれて、きれいな水になります✨
一気に水が流れこむと洪水(こうずい)になってしまいます。でも水源林があると、雨の水をいったんためて、少しずつ川に流してくれるので安心です。
もし水源林がなくなってしまったら、どうなるでしょう?
だから、水源林は私たちのくらしにとって、とても大切な自然なんです!
水源林には、たくさんの生きものたちがくらしています。
たとえば:
こうした生きものにとっても、水源林はたいせつな「おうち」なんです。
水源林をまもるためには、いくつかのことが大切です。
そして、水や森に感しゃする気もちをもつことも、とてもたいせつです😊
水源林は、わたしたちが安心して水をつかえるように、そしてたくさんの生きものが生きていけるように、がんばってくれている森です。
ふだんはあまり気づかないかもしれませんが、水道の水が出るのも、じつは水源林のおかげかもしれませんね💧✨
これから山や森に行ったときは、「この森も水をまもってくれているんだな」と思ってくれるとうれしいです!
水源林は、川のはじまりとなる場所(上流の山や森)に多くあります。日本では、主に次のような場所が「水源林」として知られています。
多くの水源林は、
たとえば、東京都は山梨県の「小菅村(こすげむら)」や「丹波山村(たばやまむら)」の森を買い取り、水源林として整備しています。これを東京都水道局の水源林と呼んでいます。
つまり「水源林」は特定の1か所にあるわけではなく、日本全国の山の上流部に広く分布しています。特に、人がたくさん住んでいる都市の水道水をまかなうための森が「水源林」として整備・保護されていることが多いです。
私たちが蛇口から使っている水の多くは、山に降った雨や雪がしみ込んでできた水です。
たとえば、東京都の水道水の約4割は、奥多摩などの水源林で育まれた水なんです!
東京都は山梨県の山の一部(多摩川源流部など)を買い取って、水源林として大切に管理しています。
これを「東京都水道局の水源林」といって、他県に自分の水を育てる森を持っているというのは、世界的にもめずらしい取り組みです。
水源林は水を育てるだけでなく、たくさんの動物たちが住んでいる場所でもあります。
水源林の土や落ち葉、根っこなどが、水を自然にろ過(フィルターのように)してくれるため、ダムにたどり着くころにはすでにかなりきれいになっています。
この自然のしくみがあるおかげで、水道局での水処理も効率よくできるのです✨
水源林の木や草は、土をしっかりつかんでくれるので、山崩れを防ぐ役目もあります。
もし水源林がなくなったら、
「水源かん養林(すいげんかんようりん)」という言葉をご存知ですか?
これは、「水を育てるための特別な森」という意味です。日本には約1,000万ヘクタール以上の水源かん養林があり、全森林の約**37%**をしめています。
有名な飲料メーカーや化粧品メーカーなどが、自社で使う水を守るために水源林の保全活動をしています。
「森を育てて水も育てる」という、持続可能な活動の一環です🌿
江戸時代の農村では、「この山を勝手に切ると水が出なくなる」といった言い伝えがあり、**水のための山(禁伐林)**として木を切らずに守っていた村も多かったのです。
水源林は、ただの「山の森」ではなく、
ちょっとした豆知識を知ると、森や水がもっと身近に感じられますね😊✨