火山の仕組み
1. 火山ってなに?
火山は、地球の中から「熱い岩(マグマ)」やガスが出てくる場所のことです。ふだんは静かな山の形をしていても、地下でマグマが動くと、噴火(ふんか)することがあります。
- 🗻 山の形をしたものが多い
- 🌋 マグマ・火山灰(かざんばい)・ガスが出ることがある
- 🌍 地球の「内側のエネルギー」が関係している
2. 地球の中はどうなっているの?

地球は大きく分けると、外側ほど冷たく、内側ほど熱いつくりです。
- 地殻(ちかく):地面の一番外側。私たちが立っている場所。
- マントル:地殻の下にある、とても厚い層。高温で、ゆっくり動く。
- 核(かく):地球の中心。とても熱い。
このうち、火山に深く関係するのは地殻とマントルです。
3. マグマはどうやってできるの?

マグマは、地下の岩石がとても熱くなって溶けたものです。でも、岩はいつも溶けているわけではありません。
岩が溶けてマグマになりやすいのは、主に次の3つの理由が重なるときです。
- 温度が上がる(地下がより熱くなる)
- 圧力が下がる(岩が押される力が弱くなると溶けやすい)
- 水が加わる(水があると溶けやすくなる岩もある)
特に「水が加わる」は大事です。海のプレートが沈みこむ場所(後で説明)では、水をふくんだ岩が深く運ばれ、マグマができやすくなります。
4. プレートってなに?火山とどう関係するの?
地球の表面(地殻の表面)は、1枚の板ではなく、いくつものプレートという固い板に分かれています。
プレートはゆっくり動いていて、ぶつかったり、離れたり、すれちがったりしています。火山は、プレートの動きととても関係があります。
4-1. プレートがぶつかる場所(沈みこみ)
海のプレートが、陸のプレートの下へ沈みこむところでは、地下でマグマができやすく、火山が多いです。日本はこのタイプが多いことで知られます。
- 🌊 海のプレートが沈む
- 💧 水をふくんだ岩が深く運ばれる
- 🔥 マントルの一部が溶けてマグマができる
- 🌋 火山ができやすい
4-2. プレートが離れる場所(広がる)
プレートが離れていく場所では、地下の岩が上がってきます。上がってくると圧力が下がり、岩が溶けてマグマができやすくなります。
- 🌍 地面が引っ張られる
- ⬆️ 岩が上がる
- 🧪 圧力が下がって溶ける
- 🌋 火山ができる
4-3. ホットスポット(例外の火山)
プレートの境目じゃないのに火山がある場所もあります。地下深くから熱い物質が上がってくるホットスポットの影響だと考えられています。
5. マグマはどうやって地上に上がってくるの?

マグマは岩より軽いことが多いので、上にのぼりやすい性質があります。
- 地下でマグマができる
- マグマが岩の割れ目を通って上へ移動する
- 地下にマグマだまりができることがある
- たまりの圧力が高くなると、出口を見つけて噴火する
マグマの中には、二酸化炭素や水蒸気などのガスもまじっています。マグマが上がると圧力が下がり、ガスがふくらんで、噴火の力になります。
6. 噴火(ふんか)には種類がある

噴火はいつも同じ形ではありません。マグマのねばねば度(粘り気)や、ガスの量で変わります。
6-1. サラサラのマグマ(粘り気が少ない)
- 🟠 ガスがぬけやすい
- 🌋 溶岩(ようがん)が流れやすい
- 🔥 比較的おだやかな噴火になりやすい
6-2. ネバネバのマグマ(粘り気が多い)
- ⚫ ガスがぬけにくい
- 💥 圧力がたまりやすい
- 🌫️ 火山灰や大きな噴石が出やすい
- 🚨 爆発的な噴火になりやすい
※「必ずこうなる」と決まっているわけではありませんが、だいたいこの傾向があります。
7. 火山はどうやって山の形になるの?
噴火で出たものが積み重なると、火山の形ができます。
- 溶岩が流れて固まる → 何度も重なって山になる
- 火山灰や軽石が降って積もる → ふわっとした層ができる
くり返し噴火すると、地面に割れ目ができたり、火口(噴火の出口)が広がったりします。
8. 噴火で出るもの:何が危険なの?
火山の「出るもの」はいろいろあります。危険さもそれぞれちがいます。
- 🌫️ 火山灰:目やのどがつらい。道路がすべって危ない。機械にも入りこむ。
- 🪨 噴石(ふんせき):石が飛んでくる。近い場所はとても危ない。
- 🌊 火砕流(かさいりゅう):高温の灰やガスが一気に流れる。とても速くて危険。
- 🧊 融雪型火山泥流(ゆうせつがた かざんでいりゅう):雪が溶けて泥が流れることがある。
- 🌧️ 火山ガス:体に悪いことがある。風下では注意。
9. 火山が教えてくれること

火山はこわい面もありますが、地球のしくみを知るヒントにもなっています。
- ♨️ 温泉ができる(地下の熱と水の力)
- 🧱 新しい土地ができることがある(溶岩が固まる)
- 🧪 地球の中の成分を知る手がかり(火山灰や岩の研究)
10. まとめ:火山の仕組みを一言でいうと
火山の仕組みは、地球の内部の熱でできたマグマが、プレートの動きなどで生まれ、ガスの力も使って地上に出てくるしくみです。
- ✅ 地球の中は熱い
- ✅ プレートが動くとマグマができやすい場所がある
- ✅ マグマは上へ動き、たまって、圧力で噴火する
- ✅ 噴火のタイプはマグマの粘り気などで変わる
おまけ:覚えておきたい言葉
- マグマ:地下にある溶けた岩
- 溶岩(ようがん):地上に出たマグマ
- 火口(かこう):噴火の出口
- 火山灰(かざんばい):細かい灰
- プレート:地球の表面の固い板