SDGs15 私たちにできること
(陸の豊かさも守ろう)|毎日の行動で自然を守る実践ガイド
**SDGs15(陸の豊かさも守ろう)**は、森林・土・水辺・生き物(生物多様性)を守り、土地の劣化を止め、自然と人が長く共存できる社会を目指す目標です。
「自然を守る」と聞くと、遠い森や絶滅危惧種を想像しがちですが、実は私たちの買い物・食事・暮らし方が、森や生き物の未来に直結しています。
この記事では、SDGs15のポイントを押さえつつ、今日からできる具体的な行動を、生活の場面別にわかりやすく整理します。
この記事でわかること
- SDGs15が何を目指しているのか
- 「陸の豊かさ」が失われると、私たちの生活に何が起きるのか
- 私たちにできること(買い物・食・ごみ・旅行・地域活動など)
- すぐ実行できるチェックリストと30日チャレンジ
SDGs15とは?(陸の豊かさも守ろう)

SDGs15は、ざっくり言うと次のようなテーマを扱います。
- 🌲 森林を守る(違法伐採や無理な開発を減らす)
- 🐾 生物多様性を守る(動植物の絶滅を防ぐ)
- 🏜️ 土地の劣化を止める(砂漠化・土壌流出・荒廃の防止)
- 🐛 外来種問題に向き合う(生態系のバランスが崩れるのを防ぐ)
- 🔎 密猟・違法取引を減らす(象牙や希少動植物の売買など)
SDGs15は「自然が大事」というスローガンではなく、暮らしと経済の仕組みを、自然と両立できる形に変える目標です。
なぜSDGs15が大切?(私たちに返ってくる“困りごと”)
陸の自然が壊れると、困るのは自然や動物だけではありません。私たちの暮らしにも“分かりやすく”影響が出ます。
- 🌧️ 災害が増えやすくなる:森が減ると土砂崩れや洪水のリスクが上がります
- 🍎 食べ物が不安定になる:受粉(ハチなど)や土の力が弱ると、農作物の収量・品質が落ちます
- 💧 水が汚れやすくなる:森や湿地は“天然の浄水場”の役割も持っています
- 🦟 感染症リスクが高まりうる:生態系の乱れは病原体の拡大に関係することがあります
- 🧯 地域の産業が弱る:林業、農業、観光など自然と関わる仕事がダメージを受けます
つまりSDGs15は、自然を守る=生活を守るでもあります。
「私たちにできること」を考えるコツ(3つの視点)

SDGs15の行動は、次の3つの方向が分かりやすいです。
- 🛒 買い物で選ぶ(環境負荷の小さい商品・サービスへ)
- 🥗 食べ方を変える(無駄を減らし、調達の背景に目を向ける)
- 🏡 暮らし方を整える(ごみ・紙・水・移動・庭・ペットなど)
「全部やる」ではなく、できるところから優先順位をつけるのが続くコツです。
SDGs15 私たちにできること【すぐできる行動リスト】

ここからは、具体的な行動を場面別にまとめます。
1)買い物でできること(“森と生き物に優しい選択”)
買い物は、毎日の投票みたいなものです。選ばれた商品が増え、選ばれない商品は減っていきます。
✅ ポイントは「原材料」と「認証」
- 🧻 紙製品は“森林に配慮”のものを選ぶ
- 🪵 木製品(家具・箸・まな板など)も“由来”を見る
- 極端に安い木製品には、違法伐採が紛れている可能性もあるため注意
- 🍫 チョコ・コーヒー・パーム油(菓子・洗剤など)に目を向ける
- 熱帯林の開発と関わることがあるため、環境・生産者配慮の取り組みがある商品を選ぶ
📝 今日からの小さな行動
- 🛍️ レジ袋より前に、買いすぎを減らす(そもそもゴミを出さない)
- 📦 過剰包装の少ないものを選ぶ
- 🧴 詰め替え・量り売り・リフィルがある商品を選ぶ
2)食でできること(“森を削らない食べ方”)
食の選択は、森林破壊や土地利用とつながりやすい分野です。
✅ 食でできる基本行動
- 🍚 食べ残しを減らす(最も確実なSDGs行動のひとつ)
- 🧊 冷蔵庫を整理して、期限切れ・重複購入を減らす
- 🥬 地産地消や旬の食材を増やす(輸送・保管の負荷を減らしやすい)
✅ “森との関係”が深い食品を意識する
- 🥩 肉(特に牛)を「量ではなく頻度」で見直す
- いきなりゼロにせず、週1回だけ別メニューにするなど現実的に
- 🍫 カカオ(チョコ)・コーヒーは背景に森林問題があることがある
- 🍪 パーム油は多くの加工食品に入る(=森の開発とつながることがある)
食を「我慢」にすると続きません。 **“減らしすぎない工夫”**が大事です。
- 🍗 肉の量を少し減らして、豆・卵・魚・野菜を増やす
- 🍛 ひき肉料理は「豆・きのこ」でかさ増しする
- 🥣 たんぱく質は分散して摂る(特定の食材に偏らない)
3)ごみ・資源でできること(“捨てないほど自然が守られる”)
ごみの多さは、資源の採掘・伐採・土地利用の増加に直結します。
✅ すぐできること
- 🧃 マイボトル、マイカップで使い捨てを減らす
- 🧺 服・家電・家具は修理・リユース・シェアを検討する
- 📦 段ボールや紙は回収・分別を丁寧に(資源循環の精度が上がる)
✅ 意外と効く行動
- 🧾 レシートや紙のチラシを必要最小限に
- 📮 DM停止の手続き(紙資源と輸送の削減)
- 🧻 ティッシュより、繰り返し使える布へ置き換え(できる範囲で)
4)外来種・ペットでできること(“放さない・持ち込まない”)

外来種は、善意や無意識で広がりやすい問題です。
- 🐢 飼えなくなったペットを野外に放さない
- 🐟 釣りや飼育の生き物を、別の川や池に移動させない
- 👟 ハイキング・キャンプ後は靴底や道具の泥を落として帰る(種子が運ばれることがある)
- 🌱 園芸植物は、野外で増えすぎないよう管理する
「かわいそうだから自然に返す」は、実は自然にとって危険になる場合があります。
5)旅行・アウトドアでできること(“自然を壊さず楽しむ”)
- 🏕️ ゴミは持ち帰る(当たり前だけど最強)
- 🔥 火の取り扱いはルールを守る(山火事防止)
- 🪨 植物を踏み荒らさない、希少種を採らない
- 🚗 目的地までの移動を工夫(公共交通・相乗りなど)
- 🧴 日焼け止めや洗剤は、自然に配慮したものを検討(場所によっては影響が出ることも)
自然を守る行動は、「禁止」ではなく「マナーの精度を上げること」です。
6)家・庭・ベランダでできること(“小さな自然を増やす”)
自宅の周りは、意外と生き物の拠点になります。
- 🌼 花を置く(ハチやチョウの助けになる)
- 🪴 ベランダは“植えすぎない・枯らしすぎない”管理が長続き
- 💧 水の出しっぱなしを減らす(浄水・処理の負荷を減らす)
- 💡 省エネ(気候が変わると生態系も変わるため、間接的にSDGs15へ)
🧪 ミニ実験:1週間だけ「生き物観察」
- 玄関前、ベランダ、公園で見つけた虫や植物をメモ
- 同じ場所でも、天気や時間で変化がある
- 「生き物がいる環境」を意識するだけで、行動が変わりやすくなります
7)学校・職場でできること(“仕組みを変える”)
個人の努力に加えて、組織の仕組みを少し変えると影響が大きくなります。
- 🖨️ 印刷を減らす・両面印刷・ペーパーレス会議
- 🧴 備品を詰め替え型へ
- 🚮 分別ルールを分かりやすく掲示
- 🧰 修理・メンテナンスで長く使う文化を作る
- 🌳 社内イベントで植樹や清掃などの活動に参加する(できる範囲で)
「誰かがやる」ではなく、ルール化・見える化がポイントです。
8)お金と応援でできること(“活動を続けられる形にする”)
- 💳 寄付・基金・保全活動の支援
- 🏞️ 保全に力を入れる地域の産品を選ぶ
- 🎫 自然保護をしている施設(動植物園・自然センター等)を正しく利用する
金額の大小ではなく、継続が大切です。
9)SNS・会話でできること(“広げ方を丁寧に”)
SDGsは、正義感だけで広げると反発が出て長続きしにくいです。
- 🗣️ 「こうしなきゃ」より「こうすると楽だった」
- 📌 まずは身近な成功例を共有
- 🔍 怪しい情報(過度に不安を煽る投稿など)は拡散前に立ち止まる
伝え方も、SDGsを進める大切な行動です。
すぐ使えるチェックリスト(コピペOK)
今日からできる10項目
- ✅ 🛒 買い物は「必要な分だけ」
- ✅ 🧃 マイボトルで使い捨てを減らす
- ✅ 🧾 紙のムダ(チラシ・不要印刷)を減らす
- ✅ 🧻 紙製品は再生紙や配慮表示のあるものを選ぶ
- ✅ 🍚 食べ残しゼロを意識する
- ✅ 🧊 冷蔵庫を週1回リセット(在庫が見える化)
- ✅ 🥩 肉料理の頻度を少しだけ見直す
- ✅ 🐢 ペットを野外に放さない(最後まで飼う)
- ✅ 🏕️ アウトドアはゴミ持ち帰り+踏み荒らさない
- ✅ 🗑️ 分別を丁寧に(資源の循環が進む)
30日チャレンジ(無理なく続くメニュー)
- 1〜7日目:🧊 冷蔵庫整理+買い物メモ習慣
- 8〜14日目:🧻 紙製品を1つだけ“配慮型”へ変更
- 15〜21日目:🍚 食べ残しゼロ週間(作りすぎ防止)
- 22〜30日目:🧺 1つだけ「修理・リユース・譲る」を実行
最後に、できたことを1つメモしておくと続きます。
よくある誤解(SDGs15のつまずきポイント)
誤解1:「自然保護はお金持ちや意識高い人だけのもの」
→ 実際は、食べ残しを減らす・長く使うなど、節約と相性が良い行動が多いです。
誤解2:「遠い国の森林だけの話」
→ 日本の森や里山、河川、都市の緑地でも生物多様性は揺らいでいます。
誤解3:「個人がやっても意味がない」
→ 個人が変えるのは“自然”というより、市場(売れ筋)と仕組みです。積み重なると大きいです。
Q&A(よくある質問)
Q1. SDGs15と気候変動(SDGs13)は別ですか?
A. 別の目標ですが密接です。気候が変わると植生や水循環が変わり、陸の生態系に影響します。省エネや節電も、間接的にSDGs15につながります。
Q2. どれから始めるのが一番おすすめ?
A. 迷ったら 「食べ残しを減らす」→「買いすぎを減らす」→「紙・ごみを減らす」 の順が取り組みやすいです。
Q3. 子どもと一緒にできることは?
A. 公園での生き物観察、ごみ拾い、ベランダ栽培、外来種を放さない学びなどが取り組みやすいです。
まとめ:SDGs15は“自然を守る”より“暮らしを整える”に近い
SDGs15は、壮大な目標に見えますが、実は身近な行動の積み重ねで進みます。
- 🌿 買い物:原材料と背景を意識する
- 🍽️ 食:食べ残しを減らし、偏りを少しずつ見直す
- ♻️ 資源:捨てる量を減らし、循環を助ける
- 🐾 生き物:外来種を広げない、野外に放さない
- 🏕️ 自然の楽しみ方:マナーの精度を上げる
できることを、できる範囲で。 その一歩が、陸の豊かさを守る力になります。