「地球温暖化」という言葉をニュースや授業で耳にしたことがあると思います。
「地球の気温が上がる」「異常気象が増えている」と聞くけれど、なんだか遠い話に感じてしまう人もいるかもしれません。
でも実は、地球温暖化は私たち日本に住む人々にとっても、とても身近で重要な問題です。
そして、日本でも国、自治体、企業、そして私たち一人ひとりがさまざまな対策をしています。
今回は、日本で行われている地球温暖化対策の具体例を、わかりやすく紹介します!
「自分にできることは何だろう?」と考えるきっかけになれば嬉しいです。
まずは少し復習です。
地球温暖化とは、大気中の二酸化炭素(CO₂)やメタンなどの温室効果ガスが増え、地球全体の気温が上がる現象です。
産業革命以降、人間が石炭や石油、ガスなどの化石燃料をたくさん使うようになったことで、温室効果ガスが急増しました。
日本も例外ではなく、ここ数十年で平均気温が大きく上がっています。
例えば東京の年平均気温は、100年前に比べて約3℃も上昇しています。
暑い日が増え、熱中症になる人も多く、集中豪雨や台風の被害も深刻化しています。
こうした異常気象は、農作物の収穫や生態系にも影響を与えています。
日本では、国として大きな目標を掲げています。
それが「カーボンニュートラル」という言葉です。
カーボンニュートラルとは、二酸化炭素など温室効果ガスの排出量と、森林などによる吸収量を差し引きゼロにすることです。
つまり「出す分を吸収や回収で帳消しにする」という考え方です。
2020年に日本政府は「2050年までにカーボンニュートラルを実現する」と宣言しました。
さらに、2030年度までに温室効果ガスを2013年度比で46%減らす目標を立てています。
こうした目標を達成するために、日本ではさまざまな取り組みが行われています。
次の章から、日本の具体的な地球温暖化対策を紹介していきますね。
まずは私たち一人ひとりができることから。
家庭での取り組みも温暖化対策にはとても大切です。
日本各地の学校でも、地球温暖化対策に取り組んでいます。
文部科学省は「エコスクール」という考え方を進めています。
これは、学校の建物を環境に優しい作りにする取り組みです。
例えば:
学校そのものを教材にして、子どもたちに環境について学ばせる狙いもあります。
授業の中で地球温暖化を学ぶ学校も増えています。
例えば:
ある中学校では、科学部が校内の電力消費を調べました。
黒板消しクリーナーが意外に多く電力を使っていることがわかり、使い方を工夫するようになったそうです。
こうした調査や工夫も、立派な温暖化対策です。
温暖化対策は、国だけでなく、都道府県や市町村でも進められています。
多くの自治体が「ゼロカーボンシティ宣言」をしています。
これは「2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする」と表明するものです。
例えば:
自治体によっては、省エネ家電の購入や住宅の断熱工事、太陽光発電設置に補助金を出しているところもあります。
自分の住む地域の取り組みを調べてみると良いでしょう。
地球温暖化対策の中心は、やはり「エネルギーをどう作るか」です。
化石燃料を減らし、再生可能エネルギーを増やすことが大きな柱になっています。
日本では太陽光発電がかなり普及しました。
住宅の屋根だけでなく、学校や工場、空き地にも設置されています。
さらに最近は、ソーラーパネルと蓄電池をセットで導入する家庭も増えています。
昼間に発電した電気を夜に使えるので、災害時の備えとしても注目されています。
海の上に大きな風車を立てる「洋上風力発電」も日本で進んでいます。
特に秋田県や長崎県では大規模な洋上風力発電所の計画が進行中です。
これらも日本のエネルギー自給率を上げる大事な方法です。
温暖化対策は企業にとっても大きな課題です。
多くの企業が脱炭素経営を進めています。
例えば:
企業が環境に配慮すると、投資家やお客さんからの評価も上がります。
「環境に優しい会社」が選ばれる時代になってきています。
最近、ニュースで耳にする機会が増えたのが「カーボンプライシング」です。
これはCO₂を出すことにお金をかける仕組みです。
日本では化石燃料に課税する「地球温暖化対策税」が導入されています。
これにより企業も家庭も、エネルギーの節約を考えるようになります。
企業が決められた排出枠の範囲でCO₂を出し、それを超える場合は他社から排出枠を買う制度です。
東京都や埼玉県など、一部の自治体で試験的に導入されています。
温暖化対策は世界全体の問題です。
日本も国際的な枠組みの中で取り組んでいます。
2015年に採択されたパリ協定は、世界の平均気温上昇を産業革命前より2℃以下、できれば1.5℃に抑える目標を掲げています。
日本もこの目標に向けて行動しています。
日本は東南アジアなどの国々に省エネ技術や再エネ導入の支援をしています。
国際協力によって、地球全体の排出量を減らすことが目指されています。
地球温暖化を止めるには、私たち一人ひとりの行動がとても大切です。
日本でもいろいろな取り組みが進んでいますが、目標達成にはまだ課題が多いのが現実です。
しかし逆に言えば、私たちが今から取り組めば、未来は変えられるということです。
どれも小さなことですが、積み重ねれば大きな力になります。
地球温暖化は「難しい問題」「国や大人が考えること」と思われがちですが、私たち中高生にもできることがたくさんあります。
未来の地球を守るために、自分たちにできることを少しずつ実践していきましょう!
「今日からできること」――これが、地球を守る第一歩です。
日本の平均気温は、100年で約1.3℃上昇しており、世界平均(+1.1℃)より速いペースで温暖化が進行しています。
2025年時点で、**全国の約6割の自治体(都道府県・市区町村)**が「2050年までに温室効果ガス実質ゼロ」と宣言しています。
東京都では、2025年度以降、新築の住宅や建物に太陽光パネルの設置が義務化されます(一部条件あり)。
日本の家庭で出るCO₂排出の**約48%**は電気の使用(特に冷暖房や給湯)が原因となっています。
ハイブリッド車や電気自動車を購入すると**税金の軽減(エコカー減税)**が適用されるのは、温暖化対策としての政策です。
以前はなかった**「熱帯夜(夜間の最低気温25℃以上)」**が、近年は北海道の都市部でも観測されるようになっています。
日本の森林は年間約1億トン以上のCO₂を吸収しており、これは日本全体のCO₂排出量の約1割に相当します。
**ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)**は、太陽光発電や高断熱の導入で、消費エネルギーを実質ゼロにする住宅で、国が普及を後押ししています。
日本では年間約522万トンもの「食品ロス」が発生しており、これは地球温暖化の原因であるごみ焼却にもつながっています。
地元の食材を地元で消費する「地産地消」は、輸送時のエネルギー(フードマイレージ)を減らすことでCO₂削減に貢献します。
実は、日本の国会議事堂にも太陽光発電パネルが設置されており、象徴的な建物でも再生可能エネルギーが活用されています。
日本の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合は、約22%。今後は2030年までに36〜38%への拡大を目指しています。
京都などでは「SDGsスタディツアー」として、地球温暖化やごみ問題について学ぶ修学旅行プログラムが人気を集めています。
使い捨てプラ製品の製造・廃棄には多くのエネルギーが使われます。
マイボトルやマイ箸の利用は、温暖化防止にもつながる行動です。
日本国内では、南の地域に生息していた昆虫や魚が北上している事例が増えています。地球温暖化は生態系そのものを変えてしまう可能性があります。
A. はい、確実に進んでいます。
日本の平均気温は過去100年で約1.3℃上昇しています。特に夏の猛暑日(35℃以上)は全国的に増加し、熱中症の危険が高まっています。また、集中豪雨や大型台風の頻度も増加しており、農業やインフラにも大きな影響を与えています。
A. 日本政府は「2050年カーボンニュートラル」を目標に掲げています。
これは、温室効果ガスの排出を実質ゼロにするという目標です。2030年までには2013年比で46%削減を目指しており、再生可能エネルギーの導入や省エネの促進など、国を挙げて取り組んでいます。
A. たくさんあります。
例えば:
こうした小さな積み重ねが、地球温暖化防止につながります。
A. 各地でさまざまな対策が行われています。
多くの自治体が「ゼロカーボンシティ宣言」をしており、地域に合わせた取り組みを進めています。
たとえば:
A. 自然の力を使ったクリーンなエネルギーです。
代表的なものは以下の通りです:
これらは発電時にCO₂を出さないため、温暖化対策にとても効果的です。
A. はい、積極的に取り組んでいます。
たとえば:
企業の努力は、私たちの生活の中でも感じられるようになっています。
A. CO₂の排出に“価格”をつける仕組みです。
具体的には:
これにより「CO₂を出すほどコストがかかる」というしくみができ、企業や個人に省エネを促す効果があります。
A. まだ間に合います。
科学者の報告によれば、今すぐ世界が本気で取り組めば、気温上昇を1.5℃以内に抑えることが可能です。
そのためには、今を生きる私たちの「行動」がとても重要なのです。
「できることを1つでも始める」ことが、未来を守る第一歩になります。
A. もちろんあります!
私たちにもできる行動はたくさんあります:
✅ 電気をこまめに消す
✅ コンビニでマイバッグ・マイボトルを使う
✅ 自転車や徒歩で通学する
✅ 家庭での節電を家族に呼びかける
✅ 環境に配慮した商品を選ぶ
✅ 地域の清掃活動に参加する
✅ 学校のエコ活動に積極的に関わる
A. とても大きく関係します。
温暖化が進めば、食料不足、水不足、異常気象の増加、病気の拡大、海面上昇など、生活にさまざまな影響が出てきます。
逆に、今から行動すれば、快適で安心な未来を選ぶことができます。
未来を変える力は「今」を生きる私たちにあります。🌏✨