今日は「遺伝子組み換え」と「品種改良」の違いについてお話しします。
そんな疑問を持っている方も多いと思います。
しかし、「遺伝子組み換え」と「品種改良」は似ているようで根本的に違う技術です。
今回はその「遺伝子組み換え」と「品種改良」の違いを分かりやすく解説し、私たちの暮らしや未来との関わりも探っていきます。
まず、共通の土台として「遺伝子」について簡単におさらいします。
遺伝子とは:
生物の体を作ったり、性質を決めたりする設計図のようなもの
です。
例えば:
こうした性質はすべて遺伝子に情報として刻まれています。
まずは「品種改良」から見てみましょう。
品種改良は、人類が農業を始めた頃から行われてきた技術です。つまり何千年もの歴史があります。
例えば:
こうした積み重ねで、作物は少しずつ変化してきました。
自然にできた中で、良い性質を持つ個体を選んで増やす方法です。
例:
異なる品種を掛け合わせる方法です。
例:
2つの品種の良いところを合わせ持つ新しい品種を作り出します。
放射線や化学物質で突然変異を起こさせ、優れた性質を探す方法です。
例:
一方、遺伝子組み換えは全く別の技術です。
他の生物の遺伝子や人工的に合成した遺伝子を取り込み、新しい性質を持たせる技術
です。
では、2つの技術は何が違うのでしょうか?
技術 | 操作範囲 |
---|---|
品種改良 | 同じ種の中 |
遺伝子組み換え | 種を超えることも可能 |
同じ種の中で掛け合わせます。自然界でも起こり得ることです。
自然界では絶対に起きない遺伝子移動を可能にするのが遺伝子組み換えです。
品種改良は長い年月がかかります。
遺伝子組み換えは短期間で狙った性質を付加できます。
品種改良は遺伝子全体を混ぜ合わせるイメージです。
遺伝子組み換えはピンポイントで特定の遺伝子だけを導入できます。
遺伝子組み換えは規制が非常に厳しいです。
一方、品種改良作物は基本的に規制が緩いです。
両者のメリット・デメリットを整理してみましょう。
世界的には遺伝子組み換え作物が急速に広まりました。
2023年時点で、世界の作付面積の7割以上をアメリカ、ブラジル、アルゼンチンなど5カ国が占めています。
消費者が知らないうちに摂取しているケースもあります。
日本では表示義務があります。
最近は「ゲノム編集」も話題です。
技術 | 外来遺伝子の導入 | 規制 |
品種改良 | なし | 緩い |
遺伝子組み換え | あり | 厳しい |
ゲノム編集 | 基本的になし | 緩和傾向 |
ゲノム編集は遺伝子を「削除」「修正」する技術で、遺伝子組み換えほど厳しく規制されないケースも増えています。
品種改良も遺伝子組み換えも、それぞれの役割があります。
未来の農業や食糧問題解決には、どちらも大切な技術です。
大事なのは、
科学的根拠をもとに正しく理解すること
遺伝子組み換えと品種改良は似ているようで全く違う技術です。
私たちの食卓に並ぶ作物や食品には、どちらの技術も関わっています。
未来の食のために、正しい知識を持ち、自分で判断することが大切です。もし、さらに詳しく知りたいポイントがあれば、ぜひ教えてくださいね!