酸性・中性・アルカリ性の身近なもの🌡️
はじめに
私たちの身の回りには、酸性・中性・アルカリ性という3つの性質を持つ液体や物質がたくさんあります。中学校の理科や高校の化学でも出てくる大切な内容ですが、実はとても身近な存在なのです。この記事では、それぞれの性質の違いや見分け方、そして具体的にどんなものがあるのかを、できるだけわかりやすくご紹介していきます。
酸性・中性・アルカリ性とは?🔍
酸性とは
酸性とは、水に溶けたときに「水素イオン(H⁺)」を出す性質を持ったもののことです。すっぱい味が特徴で、レモンやお酢などが代表的な酸性のものになります。
✅ 酸性の特徴:
- pHが0〜6.9(特にpH7より小さい)
- すっぱい味がする
- 金属を溶かすことがある
- リトマス紙を赤くする
アルカリ性とは
アルカリ性は、逆に「水酸化物イオン(OH⁻)」を出す性質を持ったものです。苦い味やぬるぬるとした感触があり、石けんや漂白剤などに多く見られます。
✅ アルカリ性の特徴:
- pHが7.1〜14(特にpH7より大きい)
- 苦味がある
- 手につくとぬるぬるする
- リトマス紙を青くする
中性とは
中性は、酸性でもアルカリ性でもない、ちょうど真ん中の性質を持っています。水道水や純水などが代表です。
✅ 中性の特徴:
- pHがちょうど7
- 味や感触に大きな特徴がない
- リトマス紙の色を変えない
pHとは?📏
pH(ピーエイチ)とは、液体の酸性・アルカリ性の強さを数字で表したものです。pHの値は0〜14まであり、以下のように分けられます:
たとえば、お酢はpH3程度、石けん水はpH9程度です。
身近な酸性のもの🍋

酸性のものは、実は多くの食べ物や飲み物に含まれています。以下に、身の回りでよく見かける酸性のものを紹介します。
1. レモンやグレープフルーツなどの柑橘類
2. お酢(酢酸)
- 酢酸という成分を含み、酸味の強い調味料です。
- 殺菌作用もあります。
3. 炭酸飲料(コーラ、サイダー、ラムネなど)
- 二酸化炭素が溶けて炭酸となり、pHが3〜4程度になります。
- 酸性のため、歯のエナメル質を溶かすことも。
4. ヨーグルト・乳酸菌飲料
5. トマトやケチャップ
- トマトにはクエン酸やリンゴ酸が含まれており、意外と酸性度が高めです。
- ケチャップはトマトに酢や砂糖を加えたもので、やや酸性です。
6. サワーキャンディーや梅干し
- 酸味料(クエン酸など)が加えられており、舌に刺激を感じるほど酸性です。
7. バッテリー液(硫酸)
- 自動車のバッテリーなどに使われています。
- 非常に強い酸性(pH1前後)なので取り扱い注意です。
身近な中性のもの💧

中性のものは、生活の中でもっとも安心して使える性質を持っています。
1. 水道水・ミネラルウォーター
2. 食塩水
- 水に塩(塩化ナトリウム)を溶かしても、pHは変化しにくく中性に近いです。
3. 牛乳
- 実際はpH6.5くらいですが、ほぼ中性に近いとされています。
4. 砂糖水
- 砂糖には酸性やアルカリ性の性質がないため、中性に近い性質を保ちます。
5. 生理食塩水(点滴用)
- 医療で使われる生理食塩水も中性に調整されています。
- 体内とほぼ同じ浸透圧で安全です。
6. 食用ゼラチンを溶かした水
- ゼラチン自体には強い酸性やアルカリ性がなく、中性に近いです。
- ゼリー作りなどに使われます。
7. 透明なだし汁(昆布だしなど)
- 強い酸性・アルカリ性成分を含まず、中性に近い性質を持ちます。
身近なアルカリ性のもの🧼

アルカリ性のものは掃除や衛生に役立つ場面が多くあります。
1. 重曹(炭酸水素ナトリウム)
- 弱いアルカリ性。
- 掃除や消臭、料理にも使われます。
2. 石けん
- pH9〜10程度で、皮脂を分解する働きがあります。
- 手洗いや洗濯に使われます。
3. 漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)
- 強いアルカリ性(pH12程度)。
- 強力な殺菌・漂白作用があり、取り扱いには注意が必要です。
4. アンモニア水
- pH11程度のアルカリ性。
- ガラスクリーナーなどに使用されます。
5. セスキ炭酸ソーダ
- 重曹よりもやや強いアルカリ性。
- 油汚れやたばこのヤニの掃除に使われます。
6. カビ取り剤
- 強アルカリ性の薬剤が多く含まれています。
- 風呂場のカビや汚れの除去に効果があります。
7. 水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)
- 非常に強いアルカリ性(pH14に近い)。
- 排水管の詰まり解消や石けん作りに使われます(取り扱い注意)。
8. ホウ砂(ほうしゃ)
- 弱アルカリ性。
- 洗濯助剤やガラス製造、スライム作りにも使われます。
食べ物の酸性・中性・アルカリ性🧪🍽️
実は食べ物の「酸性」や「アルカリ性」は、口に入れたときの味だけではなく、体に入ったあとの代謝にも関係があります。
例えばレモンは酸性ですが、体内ではアルカリ性食品とされることもあります。これは、体の中で代謝されるときにアルカリ性の成分を残すためです。
🍽️ 体内でアルカリ性になる食品(アルカリ性食品):
- 野菜(ほうれん草、キャベツなど)
- 果物(バナナ、キウイなど)
- 海藻類(昆布、わかめ)
🧂 体内で酸性になる食品(酸性食品):
- 肉類(牛肉、豚肉など)
- 魚介類
- 卵、白米、パンなど
酸性・アルカリ性の変化を調べる方法🧪
リトマス紙
もっとも有名な方法はリトマス紙を使った方法です。青と赤の2種類があり、以下のように反応します:
- 赤リトマス紙 → アルカリ性で青に変わる
- 青リトマス紙 → 酸性で赤に変わる
BTB溶液(ブロモチモールブルー)
BTB溶液は、色の変化でpHを確認できます。
これを使えば、家庭でも身近なものの性質を調べることができます。
家庭でできる実験の例🔬🏠
安全にできる簡単な実験をご紹介します。
実験:レモン汁と石けん水を調べてみよう
🔹 用意するもの:
- レモン汁
- 石けん水(または重曹を溶かした水)
- 赤・青リトマス紙、またはBTB溶液
🔹 手順:
- コップにレモン汁を入れる
- 赤と青のリトマス紙をつけてみる(赤くなれば酸性)
- 同様に石けん水で調べてみる(青くなればアルカリ性)
🔹 観察ポイント:
- 色の変化をよく見る
- 酸性やアルカリ性による違いを確認
なぜこの性質が重要なのか?🧠
酸性やアルカリ性の性質は、ただの知識ではなく、実生活でも大きな意味があります。
- 🧼 洗剤の選び方:油汚れにはアルカリ性洗剤が効果的
- 🚿 スキンケア:人間の皮膚は弱酸性なので、アルカリ性の石けんばかり使うと肌が荒れることも
- 🍹 飲み物の選び方:酸性の飲料を飲みすぎると、歯の表面が溶けやすくなることもある
まとめ📝
酸性・中性・アルカリ性は、理科の授業で習うだけでなく、私たちの生活と深く関係しています。食べ物、飲み物、掃除用品、化粧品など、いたるところでこの性質が役立っています。
最後にもう一度、代表的なものを簡単にまとめておきます:
性質 |
身近な例 |
pHの目安 |
酸性 |
レモン、お酢、コーラ |
0〜6 |
中性 |
水、食塩水、砂糖水 |
7 |
アルカリ性 |
石けん、重曹、漂白剤 |
8〜14 |
ぜひ、家の中にあるものでいくつが調べてみてくださいね。自分で実験をしてみると、きっともっと楽しく理解できるはずです。🔬✨