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TBHQはなぜ禁止?

TBHQはなぜ禁止?

TBHAが日本で禁止されて使えない理由


食品を長持ちさせるために使われる「酸化防止剤」。その一種である「TBHQ(tert-ブチルヒドロキノン)」は、海外では一般的に使われているのに、日本では「使用禁止」とされているのをご存知ですか? TBHQはなぜ禁止なのでしょうか?

この記事では、

  • TBHQの正体とは何か?
  • なぜ日本では禁止されているのか?
  • 海外ではどのように扱われているのか?
  • 健康への影響は?

といった疑問に丁寧にお答えしていきます。特に、健康や食の安全性に関心のある方にとっては知っておいて損のない内容です。


🧬 TBHQとは何か?

TBHQ(tert-Butylhydroquinone)は、主に植物油や脂質を含む加工食品の酸化(劣化)を防ぐために使われる合成の抗酸化剤です。

  • 分子式:C10H14O2
  • 分類:フェノール系抗酸化剤
  • 使用例:揚げ菓子、インスタントラーメン、冷凍食品、ポテトチップスなど
  • 機能:食品の酸化(=腐敗や色・風味の劣化)を防ぎ、賞味期限を延ばす

TBHQは油脂の酸化防止に非常に効果が高く、少量で強い効果を発揮するため、アメリカやヨーロッパをはじめとする多くの国で食品添加物として使われています。天然由来の酸化防止剤(例えばビタミンE)よりも安価で安定性が高く、大量生産される加工食品において重宝されています。


🌎 海外では使用OK?国ごとの対応

国・地域 TBHQの使用状況 備考
🇺🇸 アメリカ 使用可(最大0.02%) FDAが許可、GRAS認定
🇪🇺 ヨーロッパ 使用可(E番号:E319) EFSAの評価あり
🇨🇳 中国 使用可 国家食品安全基準に含まれる
🇯🇵 日本 使用不可(未承認) 添加物リストに未収載

 

つまり、日本以外の多くの国ではTBHQは法律に基づいて「安全に使用できる」とされています。特にアメリカでは「GRAS(Generally Recognized As Safe)」=「一般に安全と認められる」と分類されており、市販される多くの加工食品で使用されています。日本から輸入された製品でも、現地製造されたものにはTBHQが使われている場合があります。


⚠️ TBHQの健康への影響と安全性

▶︎ 国際的な評価

FDA(アメリカ食品医薬品局)やEFSA(欧州食品安全機関)は、1日の摂取許容量(ADI)を守っている限りは問題ないとしています。

しかし、動物実験や一部の研究では以下のようなリスクが指摘されています。

🧠 報告されている健康リスク(高用量での動物試験)

  • 腫瘍形成(特に胃腸における腫瘍)
  • DNA損傷(遺伝子への影響)
  • 免疫系の影響(アレルギー反応や免疫機能の低下)
  • 神経毒性(痙攣・行動異常・多動症状など)
  • 視覚機能への悪影響(網膜へのダメージ報告も)

また、最近ではTBHQが免疫系に及ぼす影響に関する研究も増えており、一部の論文では「免疫応答を抑制する可能性がある」との指摘も見られます。

🔬 発がん性との関係は?

TBHQに関しては、いくつかの動物実験において「発がん性の兆候」が報告されたことがあります。具体的には:

  • ラットにおいて前胃(人間には存在しない器官)に腫瘍が発生した例
  • 高濃度のTBHQを長期間与えた際に、腸管や胃粘膜で腫瘍性変化が見られた

しかしながら、これらの実験は通常の食品摂取量を大幅に上回る高用量での投与によるものであり、現実的な摂取環境では発がん性のリスクは確認されていません。

また、EFSA(欧州食品安全機関)やFDA(米国食品医薬品局)は「ヒトに対する発がん性の決定的証拠はない」と評価しており、使用量を制限することで安全性は確保されているとされています。


🇯🇵 なぜ日本ではTBHQが禁止なのか?

ではなぜ日本ではTBHQは禁止されているのでしょうか?

日本での「TBHQ禁止」は、しばしば誤解されがちですが、安全性が危険と判断されたわけではなく、正式に承認されていないからです。

📝 背景と理由

  • 厚生労働省は食品添加物の承認制度を採用しており、使用には企業側が安全性データを提出して申請する必要があります。
  • TBHQは日本では申請そのものがされなかったか、審査が通過しなかったため、食品衛生法上の「指定添加物」に含まれておらず、結果として使用が禁止扱いとなっています。

つまり、「危険だから禁止された」のではなく、手続き上、認められていない未承認添加物だから使用できないというのが正しい理解です。実際、日本でも類似のフェノール系抗酸化剤であるBHA(ブチルヒドロキシアニソール)やBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)は一定条件下で使用が認められています。


🍽️ 消費者が気をつけるべきこと

日本ではTBHQを含む食品は販売されていませんが、海外製品の輸入品個人輸入などには含まれている可能性があります。特に注意すべきなのは以下のような商品です:

  • 海外製スナック菓子(特にアメリカ産のポテトチップス)
  • インスタントラーメン(海外ブランド)
  • 冷凍食品(油脂使用量が多いもの)
  • 海外製チョコレート・ナッツ製品
  • アジア系マーケットで購入する輸入加工品

✅ 成分表のチェックポイント

製品表示には以下のように書かれている場合があります:

  • TBHQ
  • tert-Butylhydroquinone
  • 抗酸化剤(TBHQ)

日本国内で販売される商品には、原材料表示の義務があるため、気になる方はしっかりとパッケージの成分表を確認することが大切です。


📌 まとめ

ポイント 内容
TBHQとは? 油脂の酸化を防ぐ強力な合成抗酸化剤
日本では? 安全性云々よりも、「未承認=使用禁止」
海外では? 規制の中で使用可(最大含有量など制限あり)
健康への懸念 高用量・長期摂取ではリスクあり(動物実験)
発がん性 高用量で動物実験にリスクがあるが、人間での証拠は不十分
消費者の注意点 輸入食品や個人輸入品には含まれる可能性があるため成分表を要確認

📝 最後に

TBHQは、その高い抗酸化力によって多くの国では一般的に使用されていますが、日本では承認手続きが行われなかったため使用禁止という扱いになっています。

消費者としては、必要以上に恐れる必要はありませんが、「どういった食品に含まれているか」「日本ではなぜ扱われていないのか」を正しく知っておくことが大切です。特に輸入品を多く購入する方は、成分表示をチェックしてみてくださいね。

なお、自然由来の酸化防止剤としては、ビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンE(トコフェロール)などもありますので、できるだけ添加物が少ない製品を選びたい方は、そうした成分にも注目すると良いでしょう。


なお、自然由来の酸化防止剤としては、ビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンE(トコフェロール)などもありますので、できるだけ添加物が少ない製品を選びたい方は、そうした成分にも注目すると良いでしょう。


 

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