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No Kings Dayとは

No Kings Dayとは?

6月14日に行われるNo Kings Day -デモを超えた一大イベント

6月14日(2025年)は、ドナルド・トランプ前大統領の79歳の誕生日、アメリカの「Flag Day(星條旗の日)」、さらにアメリカ陸軍設立250周年が重なる特別な日でした。この日にトランプ氏はワシントンD.C.で大規模な軍事パレードを開催する予定であり、それに抗議する形で誕生したのが「No Kings Day(ノー・キングズ・デー)」です。

「王のような権威的な演出」や「軍事的ショー」を民主主義の理念への脅威と見なした多くの市民団体や個人が、全国で抗議活動を行いました。全米1,500~2,000以上の都市で同時に関連イベントが展開され、数千万ドル規模の費用が動く大きな市民運動となっています。

その背景には、トランプ政権下で進行してきた民主主義の形骸化や、司法制度、報道の自由への圧力があり、多くの市民が「国家の王制化」への危機感を募らせていました。今回の「No Kings Day」は、そうした危惧の集大成とも言える抗議運動となったのです。

 

 


🌍 どこで何が起きる?

  • 規模:全米で2,000を超える都市がイベントに参加。国外でもカナダ、メキシコ、EU各国で賛同の輪が拡大しています。アジアやオセアニアでも一部の米国大使館前で小規模な抗議集会が確認されました。
  • 主な開催地:フィラデルフィア、ヒューストン、ニューヨーク、ポートランド、ミシガン州、オレゴン州、バージニア州など、歴史的に市民運動が活発な都市が中心。シカゴやボストン、サンフランシスコでも大規模な集会が開催されました。
  • ユニークな催しも:ミシガン州の“No Kings, Just Queens”イベントでは、ドラァグパフォーマンスや家族向けプログラムが行われ、LGBTQ+コミュニティの積極的な参加が見られました。こうした多様な文化的要素が、デモの枠を超えた「お祭り」的な一面も生み出しています。

各地で行われたイベントはパレード、集会、音楽フェスティバル、アート展示、ワークショップなど、多彩な形式を取りました。とりわけ若年層の参加が目立ち、「民主主義の意識改革」をテーマに掲げた教育的な活動も多く見受けられました。

また、オンラインでもハッシュタグ「#NoKingsDay」がトレンド入りし、SNSを通じた情報拡散やバーチャル抗議活動が大きな影響力を発揮しました。YouTubeやTwitchなどで生配信されたイベントも数多くあり、全米の視聴者がリアルタイムで抗議の模様を目にしました。


🛑 なぜ「No Kings」? 背景と主張

1️⃣ 王政への宣戦布告

「No Kings(王はいらない)」というスローガンは、アメリカ独立戦争時の反王政的な精神を現代に呼び起こす意図を含んでいます。トランプ氏による軍事パレードは、あたかも王の戴冠式や軍事的権威誇示のように映り、多くの市民はこれを「民主主義の理念を踏みにじる演出」として強く非難しました。

さらに、多くの参加者は、トランプ氏がたびたび自身を「終身指導者」のように扱う発言や、選挙結果の否認といった行動を取ってきたことに強く反発しています。そのため「No Kings」という言葉は、単なる象徴的な抗議だけでなく、政治的現実に対する明確なメッセージとして使われているのです。

2️⃣ 非暴力・民主主義の擁護

主催者の一つである「50501 Movement」は、50州それぞれと首都ワシントンD.C.(郵便番号50501は米国中心部の象徴的番号)で抗議活動を展開する意義を込めています。非暴力と平和的な抗議を徹底し、軍事的演出に対して市民の力と声を可視化することを目指しました。

イベントでは「教育ブース」も数多く設置され、民主主義の歴史や現状、また選挙制度改革の必要性などが来場者に向けて啓蒙的に紹介されました。特に若い世代への教育に力を入れ、「次世代の民主主義リーダー」を育てる意図が明確に打ち出されていました。

3️⃣ 軍事パレードへの反発

ワシントンD.C.で予定されていた軍事パレードには、戦車や装甲車の展示、6,600~6,700人の兵士の行進が含まれ、予算は2500万~4500万ドルと試算されています。
この巨額の費用に対し、多くの市民は「行政資金の無駄遣い」であると同時に、「行政の軍事化、権威主義への第一歩」と警鐘を鳴らしました。

さらに、軍の関与に対しては退役軍人団体からも強い批判が寄せられ、「軍は国民を守るためのものであり、政治家の道具にされてはならない」という声明も発表されています。軍事パレードの政治利用が、軍内部の倫理観にも波紋を広げている状況です。


🏛️ 主催者(主催団体)は?

主要な主催団体

「No Kings Day」は草の根運動として形成され、100以上の団体が連携して開催しました。主な中心的役割を果たしたのは以下の組織です:

  • 50501 Movement:全米50州+D.C.で抗議活動を同時展開することを目指したネットワーク型運動の中心団体。オンライン上でもアクションキットを配布。
  • Indivisible:反トランプ運動の草の根ネットワークとして全米に支部を持ち、今回の企画でもロジスティクス面で貢献。
  • MoveOn:進歩派のオンラインプラットフォームで、イベントの広報・動員を担当。
  • ACLU(アメリカ自由人権協会):デモの法的支援、警察対応への監視役を担った。

地域レベルの協力団体

さらに、多数の地方団体、教会、労働組合、学生団体、LGBTQ+支援団体などが、地域ごとのイベントを独自に企画。特に中西部・西海岸では、移民の権利擁護団体や多民族コミュニティグループの参加が活発でした。

教育関係団体や大学の学生自治会が中心となって開催したワークショップも目立ち、若年層の政治的関心の高まりに貢献しました。また、多くのアーティストや音楽家が自発的にパフォーマンスに参加し、文化的にも彩り豊かな運動となりました。

こうした「多元的かつネットワーク型」の運営形態が、迅速かつ広範な展開を可能にしています。


✉️ 全国から寄せられる声

  • 地元組織リーダーの一人はこう述べました:

    “We’re going to show him on June 14 that real power lies in the people.”
    (「6月14日に、本当の力は民衆にあるのだと示してやる」)

  • トランプ氏自身はプロンプターに対し:

    “I don’t feel like a king… We’re not a king at all.”
    (「自分は王のつもりなどない…王などではない」)
    一方で、抗議活動に対しては「重い力で制圧する」と発言しており、さらなる反発を招いています。

  • SNS上でも「#NoKingsDay」タグを通じて参加者の声が次々と投稿され、「これは自分たちの未来を守る戦いだ」というメッセージが多く見られました。海外からも連帯のメッセージが寄せられ、国際的な注目を集めた点も今回の特徴です。

🎯 まとめと視点

主要メッセージ

  • 「No Kings Day」は、権威主義的な演出への象徴的な抗議運動であると同時に、アメリカの民主主義精神の再確認の場でもあります。
  • 草の根の力が巨大な軍事パレードに対抗して、多様性と非暴力という価値観を掲げたことが今回の最大の意義といえるでしょう。

🔍 注目ポイント

  • 100以上の団体が協力、グラスルーツの市民運動として大規模に展開。
  • LGBTQ+や移民支援団体の参加が強く、抗議活動に文化的多様性と包摂性を加えた。
  • オンラインとオフラインの両面で運動が展開され、SNSの力が大きな役割を果たした。
  • 今後、こうした市民的アクションは大統領選挙や地方選挙にも影響を与えると予測されています。

📅 結びに

「No Kings Day」は単なる抗議運動ではなく、「民主主義は市民のものである」という原点を社会に再確認させる重要な契機でした。今後もこうした動きがアメリカの政治文化にどう影響していくのか、注視していく必要があります。

特に、若い世代が主体的に関わった点は今後の市民運動の方向性に大きな示唆を与えており、民主主義を守る闘いは今後さらに新しい形で発展していくことが期待されます。

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