自民党 ・公約(2026衆議院選)
要点とポイントをわかりやすく
※本記事は、2026年の衆議院選挙に向けて自民党が掲げた「政権公約(マニフェスト)」の中身を、難しい言い回しをできるだけ避けながら、生活に関係するポイントが一目で分かるように整理した解説です。
この記事の要点
自民党の2026衆議院選の公約は、大きく言えば次の5本柱です。
- ✅ ①強い経済:賃上げ・投資・物価高対策をセットで進め、家計の実感を重視
- ✅ ②地方をエンジンに:都市集中を緩め、地方に投資と雇用を呼び込む
- ✅ ③外交・安全保障:同盟強化と抑止、サイバーや情報機能の強化
- ✅ ④全世代の安心:子育て・教育・社会保障を見直し、現役世代の負担にも目配り
- ✅ ⑤憲法・制度改革:憲法改正の4項目を軸に、政治資金や選挙制度などの改革も
そして「家計に直結」しやすい具体策として、次のような打ち出しが目立ちます。
- 🧾 所得税の『年収の壁』見直し(控除の見直しで、対象を拡大する方針)
- ⛽ ガソリン税・軽油引取税の暫定税率の廃止(実施時期を明示)
- 🧺 飲食料品の消費税を“2年間に限り対象外”とする案を検討加速
- 👶 こども・子育て支援の拡充(通園制度、出産費用の自己負担軽減など)
そもそも「公約(マニフェスト)」って何?
選挙の公約は、政党が「政権を担ったら、何を優先して実行するか」をまとめた約束のパッケージです。
こうした政治の“実務”に落とし込むための方向性が書かれています。
ポイントは、
- できる/できないは国会の多数や財源で左右されること
- ただし、**優先順位と思想(何を守り、何に投資するか)**が公約に出ること
です。
自民党の公約(2026衆議院選)を「5本柱」でわかりやすく
以下では、自民党が掲げる5つの柱ごとに、内容をかみ砕いて解説します。
1)強い経済で、笑顔あふれる暮らしを(物価高・賃上げ・投資)
この柱は、ひとことで言うと
“成長(投資)”と“家計の実感(物価高対策・手取り)”を同時にやる
という考え方です。
① まずは物価高対策を優先(家計に近いところから)
公約では、物価高に対して「まず取り組む」という立て付けが強調されています。
- 🧾 生活者支援(給付・負担軽減)
- 💡 電気・ガスなどエネルギー価格への支援
「生活を守る緊急性」を前に出しつつ、次の“構造対策”にもつなげる形です。
② ガソリン税・軽油引取税の“暫定税率”を廃止
ガソリン価格の負担感に直結するテーマとして、
- ⛽ ガソリン税:12月31日に廃止
- ⛽ 軽油引取税:2026年4月1日に廃止
という「時期を置いた段階実施」を掲げています。
※ここでいう「暫定税率」は、本来“暫定”のはずが長く続いている上乗せ部分を指します。
③ 所得税の「年収の壁」を見直す(手取りの増え方を調整)
公約では、
- 🧾 基礎控除・給与所得控除(最低保障額)を見直す
- 🧾 年末調整から“すべての納税者”を対象に
といった方向で、いわゆる「年収の壁」を整理し直す方針が示されています。
「働くほど手取りが増えにくい」「扶養の壁が行動を縛る」といった課題を、税制側から手当てする狙いです。
④ 「責任ある積極財政」=投資で成長→税収増→再投資
公約の言葉で言うと、
- 📈 危機管理投資(食料・エネルギー・国土強靱化・サイバーなどのリスク対応)
- 🚀 成長投資(AI・半導体、量子、核融合、バイオ、宇宙、造船など)
を“戦略的に”進めるとしています。
また、
- 📌 補正頼みの予算編成からの転換
- 📌 複数年での機動的な財政出動
など、「投資の予見可能性」を高める設計を強調しています。
⑤ 経済安全保障(重要鉱物・重要技術)
近年の国際情勢で増えたリスクとして、
- 🧲 レアアース等の重要鉱物の安定確保(鉱山開発・精錬支援、備蓄など)
- 🛡️ 重要技術を守る制度整備(対日投資審査の枠組み等)
を掲げています。
⑥ エネルギー安全保障(電力需要の増加に対応)
AI・DXで電力需要が増えるという前提で、
- ⚛️ 原子力発電所の再稼働を進める
- 🌞 国産のペロブスカイト太陽電池、地熱などの活用
- 🔥 次世代革新炉・フュージョン(核融合)の早期社会実装
- 🌿 不適切な太陽光発電への法的規制強化
という“電源の組み合わせ”を打ち出しています。
2)地方が日本経済のエンジンに(地域投資・中小企業・一次産業)
この柱は、
都市に集中しすぎた人・仕事・投資を、地方にも循環させる
ことが狙いです。
① 地域未来戦略:産業クラスターを「戦略的に」作る
- 🏭 地方に大規模投資を呼び込み
- 🧩 地域ごとに強みのある産業をまとめて伸ばす(産業クラスター形成)
- 🧾 地方税・地方交付税など一般財源を安定確保
- 💻 地方のDX・GX、地域防災力の充実を加速
という流れが示されています。
② 観光:インバウンドと住民生活の両立(オーバーツーリズム対策)
- 🧳 誘客の促進
- 📅 需要の平準化(混みすぎ/閑散の偏りを減らす)
- 🏘️ 住民生活の質を守りながら受け入れる
といった方向性です。
③ 中小企業:賃上げ・設備投資・価格転嫁を一体で
- 🏪 生産性向上・省力化の支援
- 🧾 価格転嫁(取引の適正化)
- 👥 人材確保の支援
などを組み合わせ、「稼ぐ力」を強化するとしています。
④ 農林水産:食料安全保障と“現場の持続性”
公約では、
- 🍚 食料の安定供給(需要に応じた生産・販売、調整の高度化)
- 🌾 飼料や生産資材の課題への対応
- 🌲 森林の循環利用(再造林、集積・集約化)
- 🐟 水産業の強靱化(環境変化への適応、担い手確保など)
といった項目が並び、一次産業を「国力の土台」と位置づける考え方が読み取れます。
3)わが国を守る責任。国際秩序を担う日本外交(外交・安保・情報)
この柱は、
同盟を基軸に、抑止と危機対応を高め、国際秩序への関与も強める
という方向性です。
① 外交:日米同盟+FOIP(自由で開かれたインド太平洋)
- 🇯🇵🇺🇸 日米同盟を基軸
- 🌏 FOIPを推進
- 🤝 価値を共有する国・地域、グローバルサウスとの連携
- 🧾 ODA/OSAの戦略的活用
② 中国・台湾・北朝鮮(拉致)などの重要課題
- 🇨🇳 中国とは「開かれた対話」で建設的・安定的関係を目指す一方、挑発行為には毅然と対応
- 🇹🇼 台湾海峡の平和と安定を重視
- 🎗️ 拉致問題は「即時一括帰国」に向け、あらゆる手段を尽くす
③ 安全保障:複合危機(災害・テロ・サイバー)を含めて備える
- 🛡️ 抑止力の強化
- 💻 サイバー攻撃への対応
- 🚨 複合危機に対応できる体制
といった視点が示されています。
④ インテリジェンス(情報の収集・分析)機能を強化
公約では、
- 🧠 国家インテリジェンス機能の抜本強化
- 🧾 国家情報会議設置法(仮称)を早期に成立
- 🏢 官邸直属の「国家情報局」創設を検討
- 🧾 対外情報機関の設置
- 🧾 不当な介入を防ぐ関連法制の整備
などが掲げられています。
4)すべての世代の安心と次世代への責任(子育て・教育・社会保障)
この柱は、
少子化対策と“現役世代の負担”の両方に触れながら、全世代の安心を組み立て直す
という設計です。
① こども・子育て(制度の実装と負担軽減)
- 👶 「こども誰でも通園制度」の本格実施
- 🤰 標準的な出産費用の自己負担の無償化(法案提出の方針)
- 🧹 ベビーシッター/家事支援サービスの利用促進(負担軽減)
② 社会保障:働く人の負担・手取り・医療介護の現場
- 🏥 医療・福祉・介護分野で働く幅広い職種の確実な賃上げ
- 🧾 中・低所得者(若者・現役世代含む)の税・社会保険料負担の軽減
- 🧾 給付付き税額控除の制度設計
- 🧾 マイナンバー連携を前提に、国が直接プッシュ型で給付できる「給付インフラ」構築
③ 飲食料品の消費税を“2年間に限り対象外”とする案
公約では、
- 🧺 飲食料品を2年間に限り消費税の対象としないことについて
- 🧾 財源やスケジュールを含め、実現に向けた検討を加速
とされています。
ここは家計インパクトが大きい一方、財源や制度設計の難しさも大きい論点です。公約は「検討加速」の形で示されています。
④ 働き方:柔軟さと健康の両立(労働時間規制の検討)
を前提に、制度と運用の両面で検討を進めるとしています。
5)時代にふさわしい新しい憲法を、私たちの手で(憲法・政治改革)
この柱は、
憲法改正と政治制度改革を“セット”で掲げる
のが特徴です。
① 憲法改正:4項目を中心に
- 📜 ①自衛隊の明記
- 🚨 ②緊急事態対応
- 🗳️ ③合区解消・地方公共団体
- 🎓 ④教育の充実
この4項目を中心に「国民への丁寧な説明」を展開し、実現を目指すとしています。
② 皇位継承(皇室典範)
- 👑 安定的な皇位継承のため
- 🧾 皇族には認められていない養子縁組を可能にし、皇統に属する男系の男子を皇族とする案を第一優先
という方針が示されています。
③ 旧氏(旧姓)の通称使用の法制化
- 🧾 旧氏が使えない不便に寄り添い、通称使用の法制化を目指す
④ 選挙制度・議員定数・政治資金(「令和の政治制度改革」)
- 🗳️ 衆議院選挙制度:協議会で結論を得て必要な法改正
- 📉 議員定数:一割を目標に削減し、次期国会で法案成立を目指す
- 🔎 政治資金:**「禁止よりも公開」**の考えで透明性・公開性を強化
- 🧑⚖️ 有識者会議で幅広く検討し、期限までに結論を得て必要な措置
生活者の視点で「どこが争点になりやすい?」
公約を読むときは、次の“問い”に落とすと理解しやすくなります。
① 手取りは増えるのか(税・社会保険料・賃上げ)
- 🧾 年収の壁の見直し
- 🧾 給付付き税額控除
- 🏢 企業の賃上げ・価格転嫁の環境整備
→ **「働くほど損をしにくい設計」**に寄せる意図が読み取れます。
② 物価高対策は“いつ・どの範囲で”効くのか
- ⛽ 暫定税率廃止(ガソリン・軽油)
- 🧺 食料品の消費税(2年限定の対象外案)
→ スピード感と、財源・制度設計の現実性が論点になりやすい部分です。
③ エネルギー政策(原発・再エネ・電力コスト)
- ⚛️ 再稼働
- 🌞 国産再エネ技術
- 🔥 核融合など次世代
- 🌿 不適切な太陽光への規制
→ 安定供給・価格・安全・地域合意がセットで問われます。
④ 安保・外交(抑止と関与、情報機能)
→ どこまで備え、どう説明し、どう監督するかが争点になりやすい領域です。
よくある疑問Q&A
Q1. 「自民党の公約って、結局なにが一番大きいの?」
A. 5本柱の中でも、生活の実感に近いのは、物価高対策(税・補助)と手取り(年収の壁、給付付き税額控除)、そして子育て・社会保障です。一方、国の長期戦略としては、重要技術への投資(AI・半導体など)とエネルギー・経済安全保障が太い柱です。
Q2. 食料品の消費税をゼロにするって本当?
A. 公約では、飲食料品を2年間に限り消費税の対象としない案について、財源やスケジュールを含めて検討を加速する、とされています。実現には制度設計が必要で、国会での議論が焦点になります。
Q3. ガソリン税の「暫定税率廃止」って、何が変わる?
A. 暫定税率は“上乗せ”部分です。公約では、ガソリン税は年内、軽油は2026年4月といった形で、段階的に廃止する方針を掲げています。
Q4. 「年収の壁」見直しは、誰が得するの?
A. 控除の見直しは、働き方(扶養・副業・パートなど)に影響します。公約では、基礎控除・給与所得控除の見直しを通じて、対象を広げる方向性が示されています。具体的な線引きは制度設計で決まります。
Q5. 憲法改正の論点は何?
A. 自民党は4項目(自衛隊明記、緊急事態、合区解消・地方、教育充実)を中心に掲げています。どこまで合意が形成されるか、国会内の勢力や国民投票までの説明が重要になります。
まとめ:公約は「生活」と「国の長期戦略」を同時に読む
自民党の2026衆議院選の公約は、
- 🧺 物価高と手取り(家計の実感)
- 📈 投資と成長(技術・産業戦略)
- 🏘️ 地方の再活性化
- 🛡️ 外交・安全保障(情報機能含む)
- 📜 憲法・政治制度改革
を、5本柱でまとめて提示しています。
公約を読むコツは、
- ✅ 「いつ」「誰に」「どう効くか」
- ✅ 財源や制度設計の難しさ(実現までの工程)
- ✅ 価値観(何に投資し、何を守るのか)
を同時に見ることです。