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日本のレアアース埋蔵量

日本のレアアース埋蔵量はどれくらい?

日本のレアアース埋蔵量

最新研究と将来性をわかりやすく解説

はじめに

「日本にはレアアースがほとんど存在しない」——長年、日本はそのようなイメージを持たれてきました。実際、石油や天然ガス、金属鉱物といった地下資源に乏しいことから、日本は典型的な資源小国と呼ばれてきた歴史があります。

しかし近年の調査・研究によって、この認識は大きく変わりつつあります。特に注目されているのが、日本周辺の海域、とりわけ排他的経済水域(EEZ)内に存在するとされる海底レアアース資源です。これらは世界的に見ても極めて規模が大きく、日本の将来を左右しかねない戦略的資源として国際的な注目を集めています。

本記事では、日本のレアアース埋蔵量というテーマについて、レアアースの基礎知識から、日本国内および周辺海域に存在するとされる資源の特徴、推定される埋蔵量の規模、採掘技術や環境面の課題、そして日本にとっての戦略的な意味までを、できるだけ丁寧に、かつ体系的に解説していきます。


レアアースとは何か

 

レアアース(希土類元素)とは、周期表におけるランタノイド15元素に、スカンジウム(Sc)とイットリウム(Y)を加えた計17元素の総称です。「レア(希少)」という名前が付いていますが、必ずしも地殻中に極端に少ないという意味ではなく、採掘しやすい形でまとまって存在することが少ない点に特徴があります。

レアアースの主な用途

レアアースは現代社会を支えるさまざまな分野で不可欠な役割を果たしています。

  • 永久磁石(ネオジム磁石など)
  • 電気自動車(EV)やハイブリッド車のモーター
  • 風力発電設備や再生可能エネルギー関連機器
  • スマートフォン、パソコン、タブレットなどの電子機器
  • ミサイル誘導装置、レーダー、通信機器などの防衛・航空宇宙分野

このようにレアアースは、脱炭素社会・デジタル社会・安全保障のいずれにおいても欠かせない、極めて重要な戦略資源といえます。


日本は本当に資源小国なのか

日本はこれまで、石油や天然ガス、鉄鉱石などの主要資源をほぼすべて輸入に頼ってきました。レアアースについても、

  • 国内に稼働中の大規模鉱山が存在しない
  • かつては輸入の大半を中国に依存していた

という事情から、供給リスクが常に指摘されてきました。2010年頃に発生したレアアース輸出規制問題は、日本社会にその脆弱性を強く印象づけた出来事でもあります。

しかし、2000年代後半以降に本格化した海洋資源調査によって、日本の足元にはこれまで見過ごされてきた膨大な資源が存在する可能性が示されるようになりました。これにより、「日本=資源小国」という単純な図式は見直されつつあります。


日本のレアアース埋蔵量|最大の注目は海底資源

海底レアアース泥とは

日本のレアアース埋蔵量を語るうえで欠かせないのが、レアアース泥と呼ばれる海底堆積物です。これは、深海底に長い時間をかけて堆積した泥状の物質で、レアアース元素を高濃度で含んでいることが特徴です。

海底レアアース泥には、

  • 数百万年単位でゆっくりと堆積
  • 特定のレアアースが選択的に濃縮
  • 陸上鉱床とは異なる成因を持つ

といった特徴があり、従来の鉱山開発とは全く異なるアプローチが求められます。

南鳥島沖のレアアース泥

特に注目されているのが、日本のEEZ内に位置する南鳥島周辺の深海底です。この海域では、世界的に見ても例の少ない高濃度のレアアース泥が広範囲に分布していることが確認されています。

調査結果によれば、

  • 一部の地点では中国の主要鉱山を上回る品位
  • ジスプロシウムなどの重レアアースが豊富
  • 日本国内需要を数十年から数百年単位で賄える可能性

が指摘されています。この発見は、日本の資源戦略や経済安全保障の考え方を根本から揺るがすものといえます。


日本のレアアース埋蔵量はどれくらいあるのか

推定埋蔵量と資源量の違い

レアアースを語る際、「埋蔵量」という言葉には注意が必要です。一般に、

  • 技術的に回収可能かどうか
  • 経済的に採算が合うかどうか

といった条件を満たす前段階では、**資源量(存在量)**という概念が用いられます。現在公表されている日本周辺海域の数値も、多くはこの資源量ベースでの推定です。

日本周辺海域の推定規模

研究ベースでは、日本周辺の海底レアアース泥は、

  • 世界全体でも最大級の規模
  • 中国やアメリカに匹敵、あるいはそれを上回る可能性

があると評価されています。特に重レアアースの含有比率が高い点は、国際市場においても非常に価値が高いとされています。


陸上のレアアース資源は存在するのか

日本国内の陸上においては、

  • 商業的に成立する大規模レアアース鉱山

は現時点では確認されていません。ただし、

  • 花崗岩地域
  • 火山活動に関連する地層

などから微量のレアアースが検出される例はあり、学術的・地質学的な研究は継続されています。

とはいえ、現実的な供給源として期待されているのは、やはり海洋資源であることに変わりはありません。


採掘はいつ始まるのか

技術的な課題

深海に存在するレアアース泥を採掘するためには、

  • 水深5,000〜6,000メートル級での安定した作業
  • 泥を効率よく回収・揚泥する装置の開発
  • 分離・精製工程の高度化

など、数多くの技術的ハードルを克服する必要があります。

実証実験の現状

近年では、

  • 試験的な採泥作業
  • レアアース回収プロセスの実証研究

が段階的に進められており、研究段階から実用化に向けた実証段階へと移行しつつあります。ただし、商業ベースでの本格採掘には、なお一定の時間が必要と考えられています。


環境問題との関係

海底資源開発においては、

  • 深海生態系への影響
  • 堆積物の巻き上げや拡散
  • 国際的な環境ルールとの整合性

といった点が重要な論点となります。日本のレアアース開発においても、短期的な利益だけでなく、

  • 科学的データに基づく評価
  • 国際社会との協調

を前提とした慎重な対応が求められています。


日本にとっての戦略的意味

日本のレアアース埋蔵量、とりわけ海洋資源は、

  • 中国依存からの脱却
  • 国内産業の安定的な原材料確保
  • 経済安全保障の強化

という観点から極めて重要な意味を持ちます。もし安定的な採掘と供給が実現すれば、日本は単なるレアアース輸入国から、

  • 戦略的な供給国

へと立場を変える可能性すらあります。


まとめ|日本のレアアース埋蔵量は「眠れる国家資源」

  • 日本国内の陸上には大規模なレアアース鉱床はほぼ存在しない
  • 一方で、日本のEEZ内、とくに南鳥島沖には世界有数のレアアース泥が確認されている
  • 推定規模は日本の需要を長期間にわたって賄える可能性がある
  • 技術、環境、コストといった課題は残るものの、将来性は非常に高い

日本のレアアース埋蔵量は、まさに**「眠れる国家資源」**と呼ぶにふさわしい存在です。今後の技術革新と国際的なルール形成が、その潜在的な価値をどこまで引き出せるのか、引き続き注目が集まっています。

 

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