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日本航空、ヨーロッパ方面への航空貨物受託を全面停止

日本航空、ヨーロッパ方面への航空貨物受託を全面停止

〜ロシア火山噴火がもたらす旅客便と物流への影響〜

🔥 ロシア・カムチャツカ火山噴火とその余波

2025年8月4日、ロシア・カムチャツカ半島のクラシェニニコフ火山が約600年ぶりに大規模な噴火を起こしました。火山灰は高度6,000メートル以上に達し、航空機のエンジンに深刻な影響を及ぼす恐れがあるため、世界の航空業界が警戒態勢を取っています。

特に北太平洋〜シベリア上空は、日本とヨーロッパを結ぶ主要航空路の一つ。今回の噴火はその「大動脈」を直撃し、日本発の欧州便に大きな混乱をもたらしました。


✈ 日本航空の対応:貨物は全面的に受託停止

まず最も大きな影響が出ているのが航空貨物です。
日本航空(JAL)は、ヨーロッパ方面向けの貨物受託を全面的に停止しています。公式ウェブサイトには明記されていないものの、実務上は荷主から貨物を一切受け付けていない状況です。

ANA(全日空)も同様の状況です。

物流関係者によると、8月4日の噴火以降、貨物便の予約はキャンセルされ、JAL、ANA経由での欧州向け輸送は完全にストップしています。これは単なる一時的な制限ではなく、全面停止という強い措置であり、輸出入の現場に大きな混乱をもたらしています。

 


👥 旅客便への影響:ルート変更と手荷物制限

一方で、旅客便については運航を継続しています。しかし、火山灰を避けるために大幅なルート変更が行われており、利用者にも影響が及んでいます。

  • 飛行時間の延長
    通常より長い迂回ルートを使用するため、所要時間が1〜2時間程度延びるケースが発生。
  • 受託手荷物の制限
    長距離ルートを飛行するための燃料搭載量が増加し、貨物室の重量制限が厳しくなっています。その結果、一部の便では預け荷物が搭載できず、手荷物のみでの対応を求められるケースもあるとのこと。
  • チェックイン時の注意喚起
    JALは公式案内で「貴重品・必需品は機内持ち込みに」と呼びかけており、乗客の間でも不安の声が広がっています。

このように、旅客便は「運航は継続しているがサービス品質が低下している」状態であり、貨物に比べて優先度は高いものの、完全に従来通りとは言えません。


📦 なぜ貨物だけ全面停止なのか?

旅客便と貨物便の対応に差が出ている背景には、次のような理由があります。

  1. 燃料と重量のバランス
    迂回ルートでは飛行距離が延びるため、燃料を多く搭載する必要があります。貨物を積む余裕がなくなるため、貨物便は採算が合わなくなります。
  2. 経済合理性の違い
    旅客便は「人を運ぶ」という責務があるため、コストをかけても運航を継続。一方、貨物は代替手段(他社・船便など)があるため、安全とコストを優先して全面停止の判断となったと考えられます。
  3. 優先順位の違い
    航空会社としては、まず旅客の移動を確保することが最優先。貨物は後回しになりやすいという事情があります。

🌍 物流業界への影響

  • 輸出入の停滞
    特に日本から欧州向けの輸出産業(自動車部品、精密機器、医薬品など)に大きな影響が出ています。
  • 他社への依存増加
    外国キャリア(Korean Air Cargo、Cathay Pacific Cargo、Lufthansa Cargoなど)に貨物需要が集中。結果としてスペース不足や運賃高騰が懸念されています。
  • 納期の混乱
    海上輸送への切り替えを余儀なくされるケースもあり、サプライチェーン全体で遅延が広がっています。

👤 旅客への影響事例

実際にJAL欧州便を利用した乗客からは、以下のような声が報告されています。

  • 「通常より到着が1時間半遅れた」
  • 「チェックイン時に『荷物が届くのは後日になる可能性がある』と説明された」
  • 「機内持ち込みに切り替えるよう案内されたため、スーツケースを空港で開け直す羽目になった」

貨物だけでなく、旅客にも火山噴火の余波が確実に及んでいることが分かります。


📢 荷主・利用者へのアドバイス

  • 物流担当者へ
    ヨーロッパ向け貨物は、当面JALでは利用できません。他社の貨物スペースを確保する、あるいは海上輸送への切り替えを検討する必要があります。
  • 旅客利用者へ
    欧州便を利用する際は、必需品は必ず機内持ち込みにすることをおすすめします。また、到着時刻に余裕を持った計画を立てることが重要です。

✅ まとめ

ロシア・カムチャツカ火山の噴火は、日本航空,全日空に深刻な影響を与えています。

  • 貨物は全面受託停止
  • 旅客便は運航継続だが、ルート変更・所要時間延長・手荷物制限あり

物流の現場では混乱が拡大しており、旅客も不便を強いられる状況です。再開時期の見通しは立っておらず、航空業界全体で対応が迫られています。


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